【レポート】
第3部はシニア・アートディレクターの青木誠氏とアートディレクターの茂出木龍太氏による講演。デザインを生業としている部門で仕事をしている両名だけに、「Webに限らず伝達するということ自体がもつ意味としてのコミュニケーションをデザインを紐付けて話したい」(青木氏)と挨拶した。
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ビジネス・アーキテクツ シニア・アートディレクターの青木誠氏とアートディレクターの茂出木龍太氏 |
冒頭、青木氏はコミュニケーションの変化に言及。Webは不思議なもので、局面によって違うアプローチをしなければ相手に伝わらないこともあり得る。Webにおいては、既存のメディアに比べて情報の送り手と受け手の関係が流動的であり、関係が不確定な人たちに向けて情報発信しなければならない。そういう人たちに有用な伝え方を考えると、役割が固定されたテレビやラジオ等の媒体とは異なるアプローチが必要、とした。また、口コミなどで商品の評判を広めようとするいわゆるバイラルマーケティングを、情報発信の敷居が低くなったことの顕れとし、Webを中心として伝える方法が変化しつつあると述べた。
作り手の使命として、依頼主が最終的に何を望んでいるのか、「合目的性」を重視してデザインに取り組むスタンスを紹介。プロジェクトの要求する範囲内で決して妥協はしない、と青木氏。気持ちとしてパートナーとして依頼主と一緒にものづくりを行うというスタンスを取るという。投入した資源の見返りとして何を受け取るのか? それに見合った規模のプロジェクトを立ち上げ、そのなかで最大限の効果を発揮させる、とも。
「目的と手段」というスライドでは、広く伝えることと正しく伝えることの双方について語られた。情報の受け手は、自分の望む情報を入手できるようにしたいと考えており、情報の送り手は、入手・理解して欲しいと意図したすべての人に情報を届けたいと考えている。しかし、これらの母集団は必ずしも一致しない。また「正しく」ということは、意図したとおりに誤解のないよう伝えていくということ、と説明。何が正しいのかは、プロジェクトごとに表現方法等を通じて伝えていく、とも。意図した内容を伝えるために多様な方法を試みることが、結果的にアクセシビリティやクリエイティビティにつながるが、プロセスが目的になってはいけない、と強調した。
また、Webのなかで完結していないものも含めて考え、伝えていかなければならない、と青木氏。Webは「点を線につなげられる唯一のメディア」であり、Webの外側での試みや動きとつなげてどう伝えていくかが課題として挙げられた。媒体としてのWebは一定して安定したものではないという点において、他の成熟したメディアとは異なる。常に変化にさらされており、成熟を求めることは難しいが、しかし成熟済みのメディアから学ぶところは多く、それらを咀嚼してWebなりに取り組む必要がある。
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