【レポート】
2点目の全体構造についての話では「情報設計とは情報の整理ではなく調整である」といった具合に、「調整」という言葉が頻繁に登場。最終目的を明確にしたうえで、長期プロジェクトであれば途中に発生し得るイベント(担当者の変更や部署の増減等)も想定したうえで全体の交通整理をするべきだとした。調整すべきことが調整されていないと、サイト公開直前に徹夜で対処しなければならないような状況が発生するかもしれない。そのうえサイトの規模が大きければ、それで対処しきれるとは限らなくなる、と語った。
次に佐藤氏は妥協すべきことと妥協してはいけないことを整理。妥協というとネガティブに聞こえるが、要はベストをどこに位置づけるかという問題であり、ビジネスとして成立させるうえで必要なことは何なのかを見極めることでもある。そのためにもプロジェクトのなかで誰かが全体を目的をもって調整する必要がある。また「全体最適と部分最適」というトピックスでは大規模サイト構築を都市開発になぞらえていたのが印象的。全体最適には犠牲が伴うのが常であり、何かを切り捨てる勇気や決断も必要、と佐藤氏。たとえばサブサイト間でのナビゲーションの統一は、個別サイトにデザイン上の制約を課す側面があるが、運営コスト低減などの視点からみればポジティブといった具合である。調整を諦めてしまっては決して優れたサイトは作れない。妥協点と妥協しない点を明確に定義し共有したうえで進めていくべき、と語った。
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そして話は3点目のトピックスであるグローバルへ移る。一言でグローバル、国際プロジェクト、などと言っても、規模や範囲によって対応はさまざまである。グローバルでも必要なのは「全体の構造設計」と目的の共有であり、これが国をまたいで行おうとすると大変である、とのこと。佐藤氏いわく、最短でも調査と全体整理に1年、計画遂行に2年、実現まで3年がかかる。「3年で実現できれば凄いこと」だとも。なかでも興味深かったのが海外企業の求めるアウトプットで、ガイドラインではなくスタイルガイドが求められるという。つまり作業方針ではなく「具体的な目的とゴールの説明が必要とされる」と佐藤氏。
また全体構造やコンセプト、デザイン指針を共有することの一例として、同じ見た目でありさえすれば国ごとに実装を変えても良いように定義するのが成功の鍵だった事例を紹介した。実装手法の如何を問わず、とりあえず見た目をそろえるというのは、企業側からすればデザインの統一視点で正しいやり方である。グローバルで定義すべきものの定義としてグローバルスタイルガイド(GSG)を作成、各国共通のルールとしているそうだ。そのなかで守るべきこと、守らなくてもよいこと、各国がローカルに展開できることなども規定しているという。
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