【レポート】

中国で深刻化する「ネット依存症」 - 急成長するネット産業の影で

4 中国の若年世代が直面する"瀬戸際"

    西山楓  [2006/10/25]

    許可証を持たない闇ネットカフェや、ネットカフェの違法経営といった問題が後を絶たず、暴力、賭博、わいせつな内容のネットゲームが氾濫、青少年が耽溺し、遂にはネット依存症をわずらうケースが激増中だ。

    生理的にも心理的にも、ネット依存は青少年の成長に大きな危害を与える。最も恐ろしいのは青少年が精神的に蝕まれること。現在市場に出回っているネットゲームの中には、暴力やわいせつを含む内容のものが多い。「武力」への盲目的崇拝、「弱肉強食」を宣揚するかのようなゲームルール、性に対する歪んだ表現、こういった内容が青少年の心理的健康に大きな危害を与えている。こうしたネットゲームが、次第に青少年の魂に宿る悪魔と化し、青少年の思考能力、モラル意識や人格形成に悪影響を与えることがもっとも懸念されるところである。

    ネット依存がひどくなると、青少年たちは現実逃避、孤独、憂鬱といった心理傾向に陥りがちで、ひどくなると交友など正常な付き合いまでが阻害されるようになっていく。

    ネットに氾濫する好ましからざるコンテンツ。それらは多くの場合、学校や家庭でこれまで説かれてきた価値観と真正面から衝突または完全に乖離するものだ。青少年は長期にわたり、2つの分裂した価値観の衝突に置かれるため、ネット世界に盲従し、正常な価値観に抵触するようになるであろう。つまるところ、問題は、中国の若年世代のうちの厖大な一群が、まっとうな価値観から離脱してしまうかどうかの瀬戸際にまで差し掛かっているということなのである。

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