【レポート】

中国で深刻化する「ネット依存症」 - 急成長するネット産業の影で

1 急成長を続ける中国IT業界の副産物「IAD」

    西山楓  [2006/10/25]

    ある統計によれば、現在全世界で1,140万人が、程度の差こそあれIAD(Internet Addiction Disorder: インターネット依存症)を患っているという。このいかにも現代的な病に、専門家は明確な診断基準を設けた。

    もっとも典型的な病状は、インターネットにアクセスすることが生命維持活動において「なくてはならないもの」となり、極端な心理的、生理的依存症が発症している状況である。こうなってしまうと、仮に無理やりインターネットをやめさせると、依存症患者には空虚、退屈、苛立ち、憂鬱、暴力といった傾向が現れてくるという。

    いま中国には、未成年の網民(ネットユーザ」がおよそ1,650万人。うち、240万人程度が重度の依存症とされる。そのうち、控えめに見積もった数字でも14.8%がネット依存症にかかり、自力では立ち直れず、一連の社会問題を引き起こしているという。子供たちはネット依存症になった挙句、物事に対する真っ当な判断力を失い、正常な自制心を無くしつつある。一方、保護者は子供たちがインターネットで好ましからざる情報に接することを憂い、保護者と子供たちの間の溝がいよいよ深くなってきている。

    近年の中国では、ネットカフェとネットゲームに代表されるネット産業の規模と売上高が倍増しているが、業界が社会的責任をまっとうするシステムが欠けているため、扱いきれない幾多の副産物を生み出してしまった。全国津々浦々に棲息する青少年ネット中毒者と、青少年をネット中毒者にしてしまういびつなネット産業こそが、まさにその代表だ。

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