【レポート】

MNPいよいよ開始へ、au・ソフトバンク・ドコモが激突

1 KDDI - 待ちに待ったMNP、武器を揃えシェア拡大を狙う

    大川淳  [2006/10/23]

    携帯電話の番号ポータビリティー制度(MNP: Mobile Number Portability)――番号を変えることなく契約している事業者を変えることができる制度が、10月24日からいよいよ始まる。従来、番号をなるべく変えたくないとの心理が事業者間の移動に対する高い障壁となっていたが、これがなくなる。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルはこの一大決戦を控え、製品、サービス、各種割引などあらんかぎりの「武器」を整え、満を持して戦いに臨もうとしている。シェア拡大、あるいは堅守を期して、9,000万ユーザーを巡る激しい争奪戦の火蓋が切って落とされる。

    制度が開始する24日に向け、各社とも順次、新製品群を投入する。3社の品揃えたるや、「怒涛のような」との枕詞が決して大げさには感じられないほどだ。

    ウォークマンケータイ、Googleとの提携、次々武器をそろえるKDDI

    KDDIの小野寺正社長

    まず口火を切ったのはKDDIだ。8月28日、12機種のau端末を発表。会見の冒頭、同社の小野寺正社長は「MNPはauの携帯電話をより多くの方に使ったもらえる大きなチャンスだ」と述べた。製品の紹介に当たった同社の井上正廣・au商品企画本部長は「待ちに待ったMNPが始まる」と切り出した。シェアを大きく伸ばすことをねらう同社は、MNPを待ちかねている心情を隠さない

    同社の最も得意とするところはやはり音楽配信だろう。auといえば音楽との強い印象をユーザーに与えている。そもそも同社が音楽に注力し始めたのは「端末の通信速度をアップグレードしたとき、ダウンロードのスピードが上がってユーザーに何を一番喜んでもらえるか。その点を考慮して、着うた、着うたフルを開始した」(小野寺社長)からだ。

    音楽配信のいっそうの拡充を目指す準備は周到だった。au携帯電話とパソコンを連携させる総合音楽サービス「au LISTEN MOBILE SERVICE」(略称: LISMO)を提供する意向が示されたのは1月19日のこと。パソコン向け音楽配信サイト「DUOMUSIC STORE」からの楽曲ダウンロード、「着うたフル」のパソコンへのバックアップが可能で、さらにこれらの音楽のパソコンでの再生、対応するau携帯電話への転送が可能になるこのサービスは、音楽分野で追いかけてくる競合他社への強力な牽制であるとともに、アップルコンピュータのiPodへの対策でもあった。

    MNPに向けての攻勢は続いた。5月22日には、いわば音楽プレーヤーと一体化した「ウォークマン ケータイ W42S」を披露した。その4日前の18日には、Googleとの提携を発表、携帯電話向けWebサイトの同社ポータル「EZweb」で、Googleの検索エンジンを採用し、モバイル向けコンテンツとパソコン向けコンテンツを統合した検索サービスに着手した。

    KDDIのウォークマンケータイ

    同社は、新規事業者の参入が決まっても「そう簡単には負けない」としてきた。ソフトバンクが結局はボーダフォンを買収したときも、「大きな影響はない」と平静な姿勢を示していた。

    しかし、ウォークマンケータイ投入とGoogleとの提携を明らかにした時期をみると、ソフトバンクが新生ボーダフォンでヤフーのポータルとコンテンツを積極活用する方針を示し、iPodケータイを出すのではないか、との情報が流れた直後だ。ソフトバンクの攻撃に対し先手を打ったように感じられる。何しろ、KDDIがGoogleとの提携を発表したのは、ソフトバンクが英Vodafone Groupとの戦略的提携を発表したのと同じ日だったのだ。

    KDDI、モバイル検索でGoogleと提携、「一歩先行く検索エンジン」提供へ
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