【レポート】
さて、今回のPCI Express Updateで一番大きなテーマがこれ。I/O Virtualizationそのものは、前回のIDFレポートでも取り上げたが、これが具体的に形になってきたわけだ。で、最初に述べたSingle-Root/Multi-Rootの話をちょっとここで説明しておきたい。
前回のIDFレポートの話はSingle-Root、つまり1つのRoot Complexを複数のVirtual Machineがアクセスするという形を想定した話であった。これは1つのマシン内部で複数の仮想マシンが走る環境において、その仮想化を支援するという目的のものであった。対してMulti-Rootは根本的に発想が異なる。
例えばブレードサーバが複数枚あるとき、通常だとI/O毎に分けてスイッチに接続するという形になる(Photo23)。これを一本化しよう(Photo24)というのが、Multi-Rootのターゲットである。この構成の場合、複数のRoot ComplexからのI/Oリクエストが中央の"Shared I/O PCIe Switch"に殺到することになる。これを上手くハンドリングする、というのがMulti-Rootの目的である。面白いのは、これがあくまでローコストのソリューションと位置付けられていること(Photo25)。少なくとも前回のIDFでI/O Virtualizationの話が出たとき、それは1つのマシン上での複数の仮想マシンのハンドリングという、どちらかといえばハイエンド向けソリューションだったわけだが、ここに来て方向がちょっと変わってしまった印象を受ける。
もともとこうした機能は、PCI Expressそのものではなく、これを利用したASI(Advanced Switching Interconnect)で行うという話であった。このASIの規格を進めているのはASI SIGであり、実際にこのASIを使うとこんな事(Photo28)が可能になる。ASIはPCI Expressを利用していると書いたが、実際にはPCI Expressのパケットに専用ヘッダを付け、このヘッダを利用してルーティングするという方法である(Photo29)。実際、既にASI BridgeやASI Switchの製品も発表されており、普通に考えればPhoto24の構成はこのASIを使って構築する予定だった。
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Photo28:ASI Technical Briefより抜粋。PCI/PCI Expressがツリー構造のみのサポートなのに対し、ASIでは殆どFlexRayなみに構成の柔軟度が増している。 |
Photo29:こちらもASI Technical Briefよりの抜粋。PCI ExpressデバイスにはASI Bridgeを接続し、このASI Bridge同士をASI Fablicで接続する構図となる。 |
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