【レポート】

今語られるSeasar採用のなぜ? - 三菱東京UFJ銀行

2 OSSに求めるものは有償ソフトと同じ

    後藤大地  [2006/10/04]

    リスク管理システムの再構築プロジェクトには、開発工数の圧縮とJavaの経験者が少ないという大きな課題があったという。このため、実績のあるプラットフォームを採用し優れたフレームワークを採用する必要があった。Java初心者でも開発できるという要求を実現するうえで最終的に採用にいたったのがSeasar2だ。

    同氏はSeasar2によって、Java初心者でも生産性を確保することができたとしている。とくにPOJO(Plain Old Java Object)が採用されていること、AOP(Aspect Oriented Program)が適用できることの2点が大きな要因になったという。こうした特徴により、結果的には1週間程度の研修を実施するだけで開発に着手することができた。研修に参加したのはJavaに関しては初心者、ほかのプログラミング言語の経験があるというレベルのデベロッパだ。

    大伴浩二氏はとくにS2Daoによって開発生産性が向上したと説明した。S2DaoはSeasarプロダクトにおいてももっとも人気があるコンポーネントのひとつ。ほかにはDI+S2Unitも生産性向上に役立ったとする。

    同社では、既に開発したJ2EE/EJBベースのプラットフォームを持っていた。Seasar2を採用することでこうした資産をそのまま活用できたという。プラットフォーム固有の規約をAOPのアクペクトとして実装できるため、業務ロジック部分は固有APIを意識することなくPOJOとして実装できるようになったという。

    また同氏はOSSプロダクトを採用した理由として、ライセンス料金についても言及した。規模の大きな開発ではライセンス料が増大する。ブレードシステムでプロセッサ数がたくさんあれば、ライセンス料金もかなり高価になるからだ。

    しかし、やはり稼働実績、サポート体制、サポート窓口、技術研修メニューの提供などの不安材料は否めず、金融システムとしてはコスト削減よりもリスク削減が優先であり、まだまだ基幹業務への採用にはハードルがあるという。

    OSSに求めるものは有償ソフトと同じ

    同氏はクリティカルなユーザがいまオープンソースソフトウェアに求めるているものとして、次の項目をあげる。

    • 実績のあるOSSの選定と提案
    • ホットフィックスの提供
    • 問い合わせ窓口
    • 研修カリキュラム

    また同氏は、たとえOSSプロダクトであろうとも、「求めるものは有償ソフトと同様」だということを強調した。金融システムにおいてはこうした要求は当然のものだろう。こうした課題がありながらも同氏はOSSの採用実績増加を予想しているという。

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