【レポート】

東京ゲームショウ2006 - 久夛良木社長が語る「PS3値下げの理由」

2 旧価格の根拠は、北米価格を日本円に換算していたことにある

    日高彰  [2006/09/22]

    HDMIの搭載を聞いて浅見氏は「値段は下がらないと思うんですけど、お値段もちょっと高いという声がけっこう聞かれますが、どうしましょう?」と続け、ここまで来ると筋書き通りという雰囲気ではあるが、久夛良木氏に値下げの可能性を打診した。

    久夛良木氏はHDMIの話と同様に、E3で発表した値付けの根拠について次のように説明した。「まず最初にアメリカの値段を決めたんです。500ドル(正確には499ドル)に決めさせていただいた。リテーラーの方にも、ソフトメーカーの方にも、ユーザーの方にも『全然問題ない、そんなに安くていいのか』と言う方は一部いらっしゃった。ヨーロッパは490ユーロ。昔は1ユーロ90何円とかでしたが、最近はヨーロッパへ出張で行くときに、何か買おうすると、1ユーロ140円とか150円とかで手が出ない。レストランに行っても、ワインを飲もうと思っても(日本円に直すと高く感じられて)飲めない、ビールにしよう、なんて思うんですけど、ヨーロッパの人に言わせたら変わらない。中での通貨は同じですから。だから(PS3も)高いとは言われない」

    しかし、日本のマスコミや市場からの反応には弱ったという表情で「ただ、日本では『高いよ』と言わ続けてなかなかおさまらない。よく考えてみたら、ほかの通貨で決めて円に直したら消費税入れて6万いくら、『高いじゃん』と言われる……」と、つぶやくように話しながら、「『高い、高い』と言われ続けると、夢の世界はなかなか(実現)できないなと、ちょっと思ったりもするんで……爆弾発言なんですけど、こんなとこで、キーノートスピーチでこんなことを言ったら終わりになってしまうんですけど、日本では、(20GBモデルを)消費税込みで5万円を切ろうと。49,980円と、20円だけですが5万円を切る値段で出させてもらおうかなと思ってます」と続け、最後になぜか一言「いいですよね?」と聴衆に向かって同意を求める形で、異例の「発売前値下げ」を正式に発表した。

    ちなみに、上位機種の60GBモデルについては以前より「オープン価格」で、実売時の価格イメージも一切示されていない。北米での60GBモデルの価格は599ドルと発表されており現在でもこれに変更はないが、20GBモデルの値下げに伴い、599ドルを単純に日本円に換算した価格よりは安くなることが予想される。

    混迷を極める各ハードの価格競争

    2日前にはマイクロソフトがXbox 360用のHD DVDプレーヤーを20,790円で発売すると発表しているが、今回のPS3の価格変更により、HDDを搭載しない「Xbox 360 コア システム」(11月2日発売)と「HD DVDプレーヤー」の合計価格よりも、20GBのHDDを内蔵するPS3のほうが、メーカー希望小売価格ではわずかに安いことになった。

    本体価格 次世代光ディスクプレイヤーとの合計価格
    Xbox 360 39,795円 60,585円
    Xbox 360 コア システム 29,800円 50,590円
    プレイステーション 3(20GB) 49,980円
    プレイステーション 3(60GB) オープン価格
    Wii 25,000円

    ただし、Xbox 360 コア システムには、話題の新作『ブルードラゴン』(7,140円)を同梱した限定商品「Xbox 360 コア システム ブルードラゴン プレミアムパック」が29,800円で用意され、この場合Xbox 360 コア システムの実質価格は29,800-7,140=22,660円で任天堂の「Wii」よりも安い計算になる。ハードによってコンセプトも遊べるゲームも全く異なるので、単純にそれぞれの価格を比較することは無意味かもしれないが、消費者が実際に店頭でどのゲーム機を手にするのか、今回PS3が一気に1万円以上の値下げを行ったことが何らかの影響を与える可能性はあるだろう。

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