【インタビュー】

PDF作成ならフリーでできる - Acrobatの新しい価値はコラボレーション

1 Acrobat!=PDF

    神保雄暢  [2006/09/19]

    これまでAcorbatといえばPDFの作成・編集を中心とした文書管理ツールとしてのイメージが強かった。しかし新しく登場したAcrobat Connectは"Acrobat"という言葉の意味を大きく変えようとしている。WebコミュニケーションソフトのAcrobat Connectを中心に、Acrobatシリーズの新機能、および展開について、米Adobe Systems ナレッジワーカービジネスユニット シニアプロダクトマーケティングマネージャ 山本晶子氏に伺った。

    --Acrobat Connectの登場でAcrobat=PDFではなくなったわけですが、これからの「Acrobat」という言葉の意味を教えてください

    Acrobatというのは確かにPDFを作成・管理つするためのツールだったんですが、これからはコラボレーションのツールと考えてもらいたいと考えています。実はもともとのAcrobatも、ドキュメントにコメントをつける紙ベースのコラボレーションを行うツールという側面を持っていました。Acrobat Connectによって、Web会議や電話、同じものをライブで見ながらチャットするといった、インタラクティブなコラボレーションの部分が拡張されています。

    現在、Acorbat以外にもPDFを作成できるツールがあります。もう「作る」というのはほとんど当たり前なので、価値としてだんだん認められなくなってきていると思います。Acrobatには5つの価値があると考えています。PDFの作成はその1つにすぎなくて、コラボレーションやセキュリティ、データ収集といった機能を含めて総合的な価値につながっています。その中でのAcrobatの強みは制作物を作るときに同じものを見てコメントをつけたりアクセス権をつけるといった機能がコラボレーションの部分なんです。

    実際に私のチームで議論もありましたが、どうしてもインタラクティブがないと物事が進まないことから、一緒のファミリー製品と位置づけようと発想しました。Connectについては、Macromediaを買収したMacromedia Breezeのリブランドという形ですね。

    --Acrobatバージョン8で特に改善した機能は

    どこを改善したというよりは、全体として使いやすくなっています。改善という点では全部改善されているといえるでしょう。特にコラボレーションは力を入れています。これまで機能面で不満がって使っていなかった人にとっては共有レビュー機能によって使っていただけるようになると思います。

    AcrobatはあくまでもAdHocなワークフローの製品で、自分から起案をして作業を行うことを目的にしています。バージョン5からWebDAVによるレビュー機能がありましたが、WebDAVの設定は自分ではできないという場合が多いと思います。多くの知識がなくても今日からはじめられる。共有レビューでそれが実現できていると思います。

    またユーザからの要望が多かったのがマイツールバーのカスタマイズとインストーラのカスタマイゼーションです。インストーラのカスタマイズ機能はこれまで搭載されたチューナー機能のモデルチェンジ版で、特定のユーザインターフェースのオン/オフやシリアルの入力の有無などをカスタマイズできます。マイツールバーのカスタマイズについても、このインストーラでコントロールできます。

    また米国のリーガル系のマーケットを中心にあった要望として、墨消しとメタデータの消去があげられます。単にデータを削除するのではなくて、そこにあるものを消したという事実を残したことが重要なんです。実はこの下に何かがあるんだよという証拠とすことで、改ざんではない処理となります。米国では同様のプラグインが800ドルで販売されており、それがStandardの値段で一緒に買えてしまうことになります。日本でも個人情報保護の面で今後色々なニーズが出てくるのではと考えています。

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