【レポート】

Yahoo! JAPAN、BIGLOBEが試すプロダクト・プレイスメント

    木村早苗  [2006/09/16]

    「プロダクト・プレイスメント」(以下PP)をご存じだろうか。1970年代に生まれたテレビ番組や映画作品の中に企業の商品を登場させて宣伝や広告をする方法のことだ。実際に用いられた最初のPPはスティーブン・スピルバーグ監督の「E.T.」。作中で、少女がE.T.にチョコレートキャンディをあげるシーンだと言われている。最近では、TBSとNTTドコモが連動し、バーチャルリアルドラマ「ですよねぇ。」を放送、ドラマ内で提案される企画をリアルなキャンペーンとして展開したほか、各話には、FOMAのテレビ電話機能を利用するシーンを数多く盛り込んだ。

    このPPは、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所によれば、2005年9月の時点ではまだそれほど活発ではないという分析がなされていた。しかし、ここ数年でインターネット界でも導入され始め、その状況はじわじわと変わっているようだ。

    ネット上での例としては、ヤフーが日産自動車と共同制作した、日産「TIIDA」と「Yahoo!オークション」などYahoo! サービスのプロモーション用オリジナルWebドラマ「DUAL FEEL」が挙げられる。そして、この9月には、NECビッグローブが、三井不動産の特別協賛という形で、映画「いちばんきれいな水」のサイドストーリー「夏美のなつ~いちばんきれいな夕日」を公開した。「夏美のなつ~」は、その舞台を三井不動産が手がける次世代型商業施設「アーバンドック ららぽーと豊州」に据えている。そこで将来に夢を抱く子供たちの姿を通して、今後発展していく豊洲の街を表現しているのだという。

    自立している一方、疲れがちな世代を中心にヒットした作品といえば「かもめ食堂」が思い出されるが、「いちばんきれいな水」も同じ系列。PPを導入するにあたり、「30歳前後の女性をターゲットにした作品と組み合わせることで、豊洲という街へのイメージアップを図り、集客を見込めるような物を目指した」(NECビッグローブ広報)という。

    (C)「いちばんきれいな水」フィルムパートナーズ
    いちばんきれいな水」(10月7日公開)。漫画家・古屋兎氏原作、加藤ローサ主演。11年間眠り続け、突如目を覚ました姉・愛(加藤ローサ)と7歳年下の妹・夏美(菅野莉央)の3日間を描く

    (C)「いちばんきれいな水」フィルムパートナーズ
    「夏美のなつ~いちばんきれいな夕日」(「BIGLOBEストリーム」で公開中)。菅野莉央主演。妹・夏美が仲間たちと過ごす夏の終わりの1日を描く。ここで"PR"されるのは、「豊洲」という土地と次世代型商業施設「アーバンドック ららぽーと豊州」

    こうしたPPを行う際に懸念されるのが「"いかにも"になること」、平たく言えば「わざとらしさ」の問題だ。小道具のリアリティですら話題になる昨今だけに、必要のないものがストーリーに突如として現れる時の違和感はどうしてもぬぐい去ることができない。もちろん、アピールするものにもよるだろうか、言われなければ気付かないという自然な仕上がりや表現のバランスは、今後PPを導入しようと考える企業にとって重要な考慮点となるはずだ。先述の「夏美のなつ~」の場合では、アピールするのは「豊洲」という土地であり、不自然さが感じられないようにできているという。

    Webサイト上でPPを展開することは、テレビや映画に比べ圧倒的にコストを抑えられるという利点がある。企業側は取り組みやすく、視聴者は時間や状況に縛られることがない。検索エンジンなどから訪れる不特定多数のユーザーへのアピールも効率よくできる。Yahoo! JAPANやBIGLOBEといった大手ポータルサイトは、大規模な集客力をもち、かつ動画配信サービスといった受け皿を有するため、展開もしやすい。

    しかし、インターネット上では「それほど数がない」(同)というこのPP。その効果や評判に関しては、まだまだ手探りの状態といったようだ。

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン