【レポート】

公安9課、再々起動 - 『攻殻機動隊』ファン待望の特別長編が放送開始

3 押井監督から"親離れ"をしなければならない

    野口智弘  [2006/09/04]

    題材について

    「脚本の開発に入った2年前、すでに児童虐待などが大きく問題化していました。師匠である押井守監督の『イノセンス』という作品では、児童誘拐というテーマを扱っているにもかかわらず、生身の人間の誘拐ではなく、それを入れる器にストーリーが行っていたと思うんです。それに対する僕なりの考えというか、そろそろ親離れをしなければならない、押井守監督に恩返しをしたい、と同時にこれまで立ちはだかってきた『イノセンス』という作品に対するものとして、児童誘拐を扱おうと思ったのが最初の動機です。ただ奈良の児童誘拐事件も開発中に起きてしまいまして、そのまま扱うのは危険なので、老人介護問題や2007年問題といった符合するテーマも脚本に選んだという感じです」

    日産自動車とのコラボレーションについて

    「日産さんの件は、クリエイター同士の意志を交換し合うパーティーから偶然始まりました。これに関しては資本の提携等は一切ない、純粋なアーティスト同士のコラボレーションとして実現したものです。デザイナーの方たちによれば『攻殻機動隊』を見ていただいていただけでなく、デザインソースには『ヤマト』や『ガンダム』といった日本のアニメを取り入れているとのことでした。今回使わせていただいた『スポーツコンセプト』も『公安9課のメンバーが車に乗ってくれたら』というメインデザイナーの方の熱烈なラブコールをいただいて実現しました」

    日産とのコラボレーションシーンから。この「スポーツコンセプト」は、作品の世界観に溶け込んだ上でしっかりと活躍してくれる

    視聴者へのメッセージ

    「『観客の方は新作を待っていてくれるのだろうか』と自分でも確信を持てないなかで開発に入ったんですが、作品を作るなかでオーディエンスや、スタッフ、関係者の方々の新作を待ち望む声が本当に伝わってきまして、まわりから望まれる作品を作ることに喜びを感じながら作ることができました。1年という歳月と労力を惜しみなく使った作品ですので、ぜひ見ていただけたらと思っています」

    11月発売となるDVDの特典映像「ウチコマな日々」から。人気キャラクターである手前の青い「タチコマ」が今回登場するのかどうかも大きな見どころ

    (C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

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