【レビュー】

ウイルスバスター2007 ファースト・インプレッション

2 順当なパワーアップ、Webサービスに期待

小山安博  [2006/09/02]

より使いやすく、より強力になったフィッシング対策

大きな変更はフィッシング詐欺/迷惑メール対策。特にフィッシング詐欺対策では、今までInternet Explorerのツールバー形式を廃止。Firefoxもサポート可能にした。

フィッシング詐欺/迷惑メール対策

このフィッシング詐欺対策は、スパイウェア・迷惑/詐欺メール、URLフィルタ、「フィッシングチェッカー」から構成される。ここの「スパイウェア」は、前出の「ウイルス/スパイウェア対策」と連動しているので、どちらか一方の設定画面で有効/無効を切り替えればいい。もっとも、無効にする意味はあまりないだろう。別のスパイウェア対策ソフトを使う場合は無効にしてもいいかもしれないが、少なくともマイクロソフトの「Windows Defender」ベータ版との併用は動作確認済みだそうだ。

さらに細かい設定は「URLフィルタ」から。ここでフィッシングチェッカーの設定も変更できる。

URLフィルタの設定画面。アクセスを禁止したいサイトのカテゴリをチェックする

URLフィルタにはギャンブルや違法薬物、暴力といった特定のサイトへのアクセスをブロックさせることができ、この中にフィッシング詐欺・スパイウェア対策なども用意されている。

さらにフィッシングチェッカーの設定も別画面で行える。URLフィルタやフィッシングチェッカーを有効にすると、「オンラインデータベースにアクセスする」旨が表示され、さらに「アクセスしたURL情報が暗号化された上でサーバ送信されます」と表示される。

フィッシングチェッカーの設定画面

こんなメッセージが出る

資料によれば、このフィッシング対策機能に関しては、新開発の「ダイナミックレーティングサーバ2.0」を使い、さらに同じく新開発の「CAE(コンテンツ・アナリシス・エンジン)」によるヒューリスティック検出機能をサーバに組み込んでいるらしい。

ところで、このURLフィルタとフィッシングチェッカーの違いを見るため、同じフィッシングサイトとおぼしきサイトにアクセスしてみた。フィッシングチェッカーのみを有効にしてアクセスすると、警告ポップアップが表示され、IEの画面にはアクセスをブロックした旨が表示される。

URLフィルタだけを有効にした場合、デフォルトの設定だと「このWebサイトへのアクセスは、URLフィルタ機能でチェックされていません。」と出る。フィッシングチェッカーの結果では、「該当したカテゴリ」が「ハッカー/プロキシ回避システム」になっていたので、URLフィルタの設定を確認したところ、アクセス禁止カテゴリにデフォルトでチェックが入っていなかった。このカテゴリにチェックを入れて再びアクセスすると、ポップアップは出ないものの、IEの表示は同じものになった。

フィッシングチェッカーを有効にしてフィッシングサイトらしきサイトにアクセスした場合

こちらはデフォルトのURLフィルタ設定のままでアクセスした場合。このあとカテゴリのチェックを見直したところ、同じ表示になった。

ちなみにこれはフィッシングチェッカーで「信頼できるWebサイトに対してもメッセージを表示する」を有効にした場合の画面

ただ、フィッシングチェッカーにはもう1つの役割もある。それがhostsファイルのチェックだ。hostsファイルは、IPアドレスとURLをひも付け、自動で変換してくれるWindowsのシステムファイルだ。自分でも追加できるので、たとえば「192.168.1.100」に「router」と定義すれば、ルーターの管理画面にアクセスするのにIPアドレスではなく「router」と入力すれば良くなる。「127.0.0.1」が「localhost」というのもこれで定義されている。

ただ、このhostsファイルを改変するマルウェアもあり、これが改変されると「http://journal.mycom.co.jp/」と入力しても、別のIPアドレスのサイトにアクセスしてしまうといった事態を引き起こす可能性もある。

フィッシングチェッカーでは、このhostsファイルによるIPアドレス変換を禁止する。通常ならばこれで十分だが、hostsファイルを有効活用しているユーザーのために、フィッシングチェッカー設定画面ではhostsファイルの内容が一覧表示され、チェックボックスでチェックしたものに関してはIPアドレス変換が有効になる仕組みだ。

仮にマルウェアが勝手にhostsファイルを書き換えた場合は、ここでチェックしておくといいだろう。なお、hostsファイルを書き換えるとVB2007は警告ポップアップを表示する。自分で書き換えたのでなければ、この段階でブロックすることが可能だ。

hostsファイルに入力があるとこのように表示される。チェックボックスでIPアドレス変換の有効/無効が切り替えられる

ちなみにhostsファイルを書き換えるとこんな警告がポップアップする

順当なパワーアップ、Webサービスに期待

ウイルスバスターの今回のバージョンアップは、使い勝手や機能の向上は「目を見張るほど」というほどでもないが、十分にバージョンアップの価値を感じさせる。

今回は特に触れなかったが、1ライセンスで3台のPCまでインストールできるVB2007は、筆者のような複数台のPCを持つユーザーにも購入しやすい(そういえばVB2006はちょうど3ライセンスを購入していた)。

あとは、今後提供されるWebサービス「トレンド フレックス セキュリティ」が期待される。当初はマイクロソフトの「Windows Live OneCare PC セーフティ」にも近いオンラインスキャンやスパイウェア対策、そしてリモートファイルロックといった機能が提供される。

順次サービスは拡大していく意向が示されているので、今後の展開にも期待したい。

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