【レビュー】

ウイルスバスター2007 ファースト・インプレッション

1 大幅なバージョンアップとなったマルウェア対策

    小山安博  [2006/09/02]

    Microsoftのセキュリティ市場参入で、にわかにあわただしくなってきたこの市場。米国ではすでに「Windows Live OneCare」が販売されており、トレンドマイクロによればOneCareが発売された今年6月、トレンドマイクロを含めた他社のシェアはけっこう食われたらしい。

    それに対抗すべく、セキュリティベンダー各社はしのぎを削ってセキュリティ対策ソフトの機能強化を進めているが、毎年秋ごろに登場する大手3社のセキュリティ対策ソフトの先陣を切って、トレンドマイクロから「ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ」(以下、VB2007)が発表された。

    Webサービスとの連携が大きなトピックではあるが、今回はそのサービスがまだ始まっていないので、クライアントソフト単体のファーストインプレッションをお届けする。

    なお、本レビューはベータ版でのテストのため、製品版では内容が異なる場合がある。

    ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ

    スパイバスターの統合で基本機能が向上

    全体的なインタフェースは従来のウイルスバスター2006と大きな違いはない。デザインは洗練されたようだ。

    ウイルスバスター2007のメイン画面

    こちらはウイルスバスター2006

    画面左のボタンをクリックすることで各機能にアクセスできるが、内容を見てみると前バージョンに比べ「スパイウェア対策」が「ウイルス対策」に統合され、「有害情報/詐欺への対策」が「フィッシング詐欺/迷惑メール対策」に変更された。

    ちなみにインストール時にこんな表示が出る

    VB2007ではウイルス検索エンジンがバージョンアップされているが、このあたりは使い込んでみないと分からない。

    ウイルス/スパイウェア対策

    これはウイルスの監視の設定画面

    大きなポイントはこれまで別売だった「スパイバスター2006」が統合された点。これまでもスパイウェア対策機能はあったが、それを大幅に強化した形だ。特に注目したいのは「不審ソフトウェア警戒システム」。不正なプログラム(マルウェア)が、正当なプログラムをキックして何らかの悪意のある活動をする場合に、それを検知できるようになったのだという。rootkit検出・駆除機能も搭載されており、機能的には大幅なバージョンアップとなる。

    設定は、「ウイルス/スパイウェア対策」から「ウイルスの監視」「スパイウェアの監視」「不審ソフトウェア警戒システム」をそれぞれ選び、「設定」ボタンを押すと別ウィンドウが立ち上がるので、そこで各種設定をする。設定できる項目は前バージョンとほぼ同等だが、1つのウィンドウでウイルスに関する設定はすべて行えるようになり、使いやすさは向上している。

    ウイルス検索では、Yahoo!、AOL、MSNのWebメール受信時のリアルタムスキャンも可能。Webメールのウイルス検索は有料の場合もあるので、これはありがたいだろう。一言つけ加えるならば、GoogleのGmailへの対応も欲しかったところではある。また、インスタントメッセンジャー経由のウイルスも監視できるが、対応はMSN Messenger 7.5のみだ。

    スパイウェアの監視は、有効/無効の切り替えと、スパイウェアが検出されたときに処理を選択するか、常に削除するかを選ぶだけ。そのほかに例外設定として「常に放置するスパイウェア」「常に自動削除するスパイウェア」「クッキー」が設定できる。スパイウェアに分類されるソフトウェアの中には、業務などで有効に利用されるものもあり、こうした場合は例外設定をしておくといいだろう。

    不審ソフトウェア警戒システムは、ソフトウェア自体の監視と、ブラウザのセキュリティ設定の変更やレジストリ、ブラウザプラグイン、Hostsファイルなど150カ所で疑わしい挙動を監視する2つの動作が設定できる。これに関しても例外設定が可能で、今まで変更された履歴の閲覧もできる。履歴から変更を元に戻すことも可能だ。

    不審ソフトウェア警戒システムの設定画面

    「疑わしい挙動」で検出された。おそらくベータ版のバグだと思うのだが、ウイルスバスター2007のプログラム本体が検出されてしまった

    パーソナルファイアウォールの機能は、あまり大きな変更がないように見える。資料を見ると、ステルス機能を保ちながらファイル共有が容易になった、マルウェアによるファイアウォールの設定変更に注意を喚起する、警告ポップアップを危険度別に色分け、というあたりが新機能のようだ。

    こちらも設定画面が整理されたほか、ファイアウォールを通過できる「例外ルール」がプログラムとプロトコルで別々の画面を用いて設定するようになった点が新しい。

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