【レビュー】

キヤノン EOS Kiss Digital X 実写インプレッション

1 世界的スタンダードモデルの進む方向

西尾淳  [2006/09/01]

キヤノンから新しいデジタル一眼レフ「EOS Kiss Digital X」(以降KissX)が発表された。そのインプレッションをお届けしよう。なお今回使用したカメラは市販前のモデルであり、詳細などが変更になる可能性もある。

KissXの想定市場価格は速報で報告したとおりだが、大手量販店のヨドバシカメラでは、ボディ単体が89,800円、 レンズキットが109,800円、ダブルズームキットが132,800円で予約を開始している。ボディ色にはシルバーとブラックがある。発売日は9月8日だ。

大型液晶モニターとゴミ取り機構

「Kiss」と言えば、キヤノンにとってだけでなく、一眼レフ全体でもその中心に位置するモデルである。それはデジタルだけでなく、銀塩の頃から変わっていない。キヤノンはそれだけ開発にチカラを入れる。ある意味、EOS-1Dシリーズよりも考えられたカメラなのである。ちなみにKissXの「X」には、「Kissの10番目のモデル」という意味も含まれているのだという。

KissXを先代のEOS Kiss Digital N(以降KissN)と並べると、地の銀色が少し明るくなったぐらいでほとんど変わっていないことがわかる(シルバーボディ)。寸法的にも奥行きが1mm長くなっただけで、縦横はまったく同じ。重さは25g重くなって510gになったが、これもほぼ同じレベルとしていいだろう。

大きな違いのひとつは背面にある。KissXは2.5型の大型液晶モニターを採用した。KissNでは1.8型の液晶モニター+表示パネルという組み合わせだったが、ここに大きなモニターが置かれ、表示パネルは廃止に。これに伴って液晶モニターに常時撮影情報が表示される方式が採用された(消すことも可能)。これはとても使いやすい。詳しくは後で紹介しよう。

ふたつめの大きな特徴はゴミ取り機構だ。CCD前面のローパスフィルターに付着したゴミを超音波でふるい落とす「セルフクリーニングセンサーユニット」を装備した。メーカーとしては「総合的なダスト対策」ということで、ゴミの付着しづらいローパスフィルター、写りこんでしまったゴミをソフト的に消す「ダストデリート機能」なども並べているが、やはり超音波振動ユニットの搭載が大きい。

原理的には先行するオリンパスの「ダストリダクション」と同じだが、写真を見る限り、KissXのほうがユニットはずいぶん小型化されているようだ。また、オリンパスの同機能は電源を入れたときのみ駆動するが、KissXではオン/オフの両方、さらに任意の動作も可能になっている。

今回の撮影では、KissXで撮影した画像にまったくゴミの写り込みは見られなかった。これが各種ダスト対策のおかげか、単に新品のためかはさすがに判断できない。しかし安心して撮影できることは間違いない。あの煩わしいゴミ取り作業や、パソコンで画像を開いてゴミを発見したときの脱力感から開放されるというのは、実に素晴らしいことじゃないだろうか。

端正なスタイル。キヤノンのEFマウントは一眼レフの中でも大きいほう

KissXで採用された2.5型液晶モニター。常に撮影情報が表示される

KissNとほとんど同じだが、サイドのグレーなど、微妙に色が異なる

CFスロットカバーが後ろに伸び、ホールド性が向上

上から見るとレンズの太さがわかる。使いやすいスタイル

左が先代のKissN、右がKissX。液晶モニターやボタンの大きさがずいぶん違う

液晶モニターに常時表示されるメニュー。そっけないほどのデザイン

セルフクリーニングセンサーユニット。超音波でローパスフィルターを振動させる

電源オフのクリーニング時にはこういった画面が表示される

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