【レポート】

FTF Americas 2006 - Hands-On Workshop

1 ハードウェア構成

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ところでFTFはエンジニアのためのトレーニングの場なので、座学のみならず実習のセッションも設けられている。短めのもので2時間、長いものになると4時間にも及び、合計18種類のセッションがあった。そうした一つに"Hands-on Workshop:Microcontroller-Based LED Drivers"というものがあり、これに参加してきたのでちょっとご紹介したい。

このセッションは、要するに8bitのMCUを使った高輝度LEDドライバの評価ボードのプログラミング実習といったもの。キットそのものはこちらから入手できる、LEDボードの評価キットである。本来だとソフトウェア一式(CodeWarrierとService Pack、Software)と単4電池、保証書などが付属してくるが、今回はHands-On Workshop用のスペシャルパッケージだった(Photo01)。

ハードウェア構成

まずは最初の15分ほどを費やして、大雑把な動作の仕組みの説明である。このWorkshopへの参加者は基本的な電気回路の知識はある、という前提のもとの大雑把なものだが、まぁそれほど難しいわけではない。LEDは基本的には直流を流せば光るわけで、電圧と電流をあわせれば、そのまま光ることになる(Photo01)。ただそのままだと光りっぱなしになるので、スイッチを入れることになる。また電流を流しっぱなしだと効率が悪いので、適切なインダクタンスを入れてやるのが普通だ。

これをちょっと応用すると、輝度調整も可能になる。つまり一定の周期でスイッチをOn/Offすることにより、供給される電流も変化する(Photo03)。結果としてスイッチの周期を変化させることで、流れる電流量を調整できるというわけだ。

Photo04が今回の評価ボードの大雑把な内部構造である。MCUに必要な回路は殆ど統合されている関係で、外部回路は最小限ですむ。そのボードだが、見かけはこんな具合(Photo05、06)。構造を判りやすくするため、3つのブロックに分解して部品が配されている。

さて、その中央部はこんな具合だが(Photo07)、中央に見える28pinのもの(Photo08)と右上の8pinのもの(Photo09)の2つのMCUが搭載されている、まず中央のMCUはMC908JB16DWE(Photo08)で、こちらはUSB 2.0のI/Fを統合した汎用8bit MCUである。開発の途中ではUSBポート経由でのファームウェアのダウンロードとかデバッグのための情報取得のためにのみ、用意されているといっても良い。ちなみに性能的には(後述の)RS08KA2上位互換(RAM 384Bytes / Flash 16KB)だが、汎用品とあってRS08KA2には統合されているアナログコンパレータなどは統合されていない。このため外部にこれが用意されている(Photo10)。このコンパレータ経由で取り込んだ輝度設定を、GPIO経由でRS08KA2という仕組みだ。

一方実際のLED駆動を行うのがRS08KA2である。ちなみにRS08KAにはいくつかのラインナップが用意されている(Photo11)。

Photo01:パッケージの全て。ボードにACアダプタ、USBケーブルと、CoreWarrierのUpdaterのみを収めた8cm CD。あと写真には写ってないが、これらを収めた外箱が付属する。会場ではこのACアダプタを挿す為のテーブルタップの長さが足りずにちょっと右往左往。

Photo02:(a)がプリミティブな回路。(b)はスイッチングトランジスタを入れた例。これにインダクタンスを入れると(c)になるが、これだとスイッチングトランジスタへの負荷が大きいのでスイッチの位置を移動する(d)という訳。今回の回路は(d)をベースにしている。

Photo03:電流の上がり下がりの傾きはインダクタンスなどで決まってくる。あまりOn/Off周期が長いと電流も0になったりピークで平衡になったりするので、このあたりをどう決めるか、はアナログ的な要素になってくる。ただ例えばデューティ比(Onの期間とOffの期間の比)を変えるといったデジタル的な制御要素もあるから、後は目的に応じてというところ。

Photo04:電圧のフィードバック検出に必要なアナログコンパレータなどまでチップ内に統合されているのが、MCUのメリット。なので外部に出ているのはLED駆動回路のみといった趣だ。GPIOピンを使って電圧制御を外部に出しているのは評価ボードとしての配慮であって、最終製品には必ずしも必要ではない。

Photo05:左側がPCとの接続に利用するMCU部。評価用にUSBコネクタやLEDなどが置かれている関係で複雑に見えるが、実はたいしたことはない。真中がLEDの駆動部、右がLEDとそのレンズのみである。左側は開発/デバッグ用に必要なもので、実際の製品は真中から右だけで済む。

Photo06:裏面はこんな具合。1層の両面基盤で実装されており、コストは安そう。

Photo07:中央下に見える青い部品はVPP(Peak-to-Peak Voltage) を調整するトリマ。

Photo08:ちなみにスペックやパッケージ違いで、20pin~32pinまでラインナップは揃っている。この製品の場合単価は$1.82(1000個あたり)となっている。

Photo09:8bit MCUのRS08KA2。2KBのFlash Memoryと63BytesのRAMを搭載、8pinにもかかわらず入出力ピンを4本持つ。

Photo10:Motorolaの時代から存在していたDC-DCコンバータ制御回路のMC34063A。この製品はMotorolaから1999年8月に分社化されたアナログ半導体ベンダーであるOn Semiconductor移管されている。

Photo11:RS08シリーズスペック一覧。ちなみにRS08KA2で単価は$0.51~$0.61、Flash Memoryの容量が少ないRS08KA1では$0.43~$0.51となっている。

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インデックス

目次
(1) ハードウェア構成
(2) ソフトウェア構成
(3) ということで


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