【レポート】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月31日、来年度打上げ予定の月周回衛星「SELENE」に関するシンポジウム「カウントダウンSELENE ~月探査の新世紀~」を開催した。シンポジウムでは、SELENEに関する最新の話題だけでなく、将来の月・惑星探査構想についても言及。後半には、米国、イタリア、インド、中国の担当者も登壇し、各国の月探査計画について説明した。
月周回衛星「SELENE」は、2007年夏の打上げが予定されているJAXAの探査機。大きさ2.1×2.1×4.8m、重量約3tという大型の機体になっており、14個もの観測機器で月面を詳細に調査する。「アポロ計画以来最大の本格的な月探査機」(JAXA)ということで、月の起源と進化の解明が期待されている。
SELENEについて見ていく前に、まずはJAXAの月・惑星探査に関する体制について触れたい。冒頭で挨拶に立った立川敬二・JAXA理事長は、今年4月に「月・惑星探査推進チーム」を組織したことを明らかにし、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機や、将来の月面基地の建設なども検討されていることを述べた。
月・惑星探査を総合的に考えていくチームを立ち上げたということは、JAXAが「月・惑星探査を本格的に進めていく」という意思表示をしたとも言える。そのチーム長に就任した樋口清司・JAXA理事も「月はシリーズ化して戦略的にやりたい」とコメント。SELENEは単発ではなく、2号機、3号機と継続していく意向を公式に明らかにした。
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4月に発足した「月・惑星探査推進チーム」。3つのサブチームがあり、リーダーには若手を選んだという。事務局長には、「はやぶさ」プロマネの川口淳一郎教授が就任している |
宇宙探査に関する戦略。従来のボトムアップ型のプロジェクト(未踏峰型探査)とは別に、プログラム的に実施する探査計画を用意する。月探査の先には、火星も視野に入れる |
"戦略的に"という点は、これまでJAXAの弱点とされてきた部分だ。今年の「日米宇宙探査シンポジウム」でも川口淳一郎・JAXA宇宙科学研究本部教授が指摘していたことだが、プロジェクトが長期化する惑星探査では、結果を見てから次を立ち上げたのでは、間隔が15年にもなってしまう。2003年12月に周回軌道への投入を断念するに至った日本初の火星探査機「のぞみ」にしても、未だに後継機は正式なプロジェクトにすらなっていない。
もちろん、予算の制限もあってNASAのように手広くできない事情はあるのだが、これからは集中と選択で、ターゲットとしたテーマについては「一定の頻度で繰り返し探査を行うことが必要と考えている」と川口教授。月探査のロードマップとして、2013年ころに無人機による月面着陸、その次にサンプルリターンを行い、2020年ころに有人探査、2030年ころには長期滞在を実現するというプランを披露した。
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