SIGGRAPH 2006 - 日本発のGPUテクノロジー「PICA200」が公開 (6) 影生成処理の特徴と頂点プロセッサの活用

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【レポート】

SIGGRAPH 2006 - 日本発のGPUテクノロジー「PICA200」が公開

6 影生成処理の特徴と頂点プロセッサの活用

西川善司  [2006/08/15]

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影生成はソフトシャドウに対応するがセルフシャドウはなし

近代リアルタイム3Dグラフィックスでは、影生成の重要性が積極的に取り沙汰され、毎年、SIGGRAPHでは影生成に特化したコースセッションが組まれるほど活発である。

MIKAGEでも、主人公キャラの鎧武者の影が背景の床や障子に投射される表現が見られる。この影はよく見ると、輪郭がぼやけたいわゆる「半影処理」(Penumbra)がなされていることに気が付くだろう。この半影処理はMAESTRO-2Gの「シルエットレンダリング」機能によって行われている。気になる影生成技法自体は、投射テクスチャマッピングによる、いわゆる「投射シャドウ」(Projection Shadow)技法によるもの。よって鎧武者にもセルフシャドウは出ていない。

光源に仮想視点を置いて主要キャラクタのシルエットをテクスチャにレンダリングして影テクスチャを生成することになるが、この機能自体はOpenGL ES 1.1の1.1拡張パックに含まれるFrame Buffer Object機能を利用することで実現できる。ただし、この影テクスチャの生成時に輪郭を半影でぼかすフィルタ処理はMAESTRO-2Gのオリジナル拡張機能だ。実際の影の描き込みは、できあがった影テクスチャを、光源方向から投射テクスチャマッピングを行うだけになる。

PICA200のポテンシャル的にはセルフシャドウに配慮した影生成技法である「デプスシャドウ」も実現できると思われるが、今回のMIKAGEではコストパフォーマンスを重視したためか、やや妥協したようだ

プログラマブルな頂点プロセッサの活用

MIKAGEでは紅葉の葉が陽光に照らされて裏側が透けて見えるという表現があり、これは「表面下散乱(Subsurface Scattering)」であると説明していたが、それほど大層なものではないと考えられる。実際に見た感じでは両面ライティングとか両面テクスチャリングとよばれるテクニックのようだ。

これを実現するためには、拡張点の法線ベクトルを逆向きにしてテクスチャアドレッシングを変位させてやる必要がある。この処理系にはプログラマブル頂点シェーダが必要だが、PICA200の頂点プロセッサはある程度プログラマブルだということなので、こうした処理系が可能となっているようだ。

実際の描画では、葉の表と裏のテクスチャを取り出して、陽光と視線の角度に依存したα合成を行うだけだ。

陽光に照らされて紅葉の裏側が見えるという表現(左OFF、右ON)

そして、布や木々、そして鎧武者の動きには頂点スキニング処理が施されるが、これはOpenGL ES 1.1でサポートされる機能を活用している。このレベルのアクションがOpenGL ES 1.1対応のハードウェアでは実現されるということで興味深い。

ボーンを可視化したショット

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インデックス

目次
(1) 日本発のGPUテクノロジー
(2) 採用APIはOpenGL ES 1.1 + α
(3) FuturemarkがPICA200をターゲットにデモソフト開発
(4) PICA200におけるメモリ節約のアプローチ・その1
(5) PICA200におけるメモリ節約のアプローチ・その2
(6) 影生成処理の特徴と頂点プロセッサの活用
(7) 携帯機器向けGPUのトレンドに注目

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