【レポート】

SIGGRAPH 2006 - 日本発のGPUテクノロジー「PICA200」が公開

4 PICA200におけるメモリ節約のアプローチ・その1

 

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MAESTRO-2Gはプロシージャル・テクスチャ生成ユニットとポリゴンパッチを搭載し、ビデオメモリ節約に貢献

いつの時代もいわれるのがメモリ不足。3Dグラフィックスの世界ではテクスチャがビデオメモリを食いつぶしやすい。組み込み機器向けGPUとなれば搭載ビデオメモリの絶対量も少ないわけで、この問題はより切実になってくる。

PCなどのプログラマブルシェーダ世代のGPUでは、木目や大理石の模様などは、ノイズパターンをタネにして算術合成してしまおうというムーブメントが起こり始めている。画像として用意しておくのではなく、リアルタイムに算術合成するようなこうしたテクスチャは、特に「プロシージャル・テクスチャ(Procedural Textures)」と呼ばれている。

PICA200のMAESTRO-2Gアーキテクチャでは、プログラマブルシェーダを利用せずにこのプロシージャル・テクスチャを利用できる仕組みを実装した。これは同じパラメータを与えれば常に同じ値が得られるような、反復周期性のあるノイズ生成ユニットを内蔵することで実現している。あくまで固定機能パイプイランとしての実装というのがユニークだ。

プロシージャル・テクスチャは、予めテクスチャを用意しておくのではなく、レンダリング時にリアルタイムに計算結果としてそのテクスチャアドレスにおけるテクセル値を算出するため、実質的にテクスチャ解像度は無限大となる。どんなに視点がテクスチャに近づいてもそのテクスチャがブロッキーにカクカクして見えることはない。これもプロシージャル・テクスチャの一つの大きなメリットだと言える。

プロシージャル・テクスチャによる木目や大理石模様。ノイズ生成ユニットにパラメータを与え、その回答として得られるテクセルを適用する。解像度も実質無限大というのもまたおいしい

MAESTRO-2Gでは、レンズフレアや光芒のようなよく用いられる幾何学模様的なテクスチャもパラメータを与えるだけで得られる

256×256テクセルのテクスチャを生成しても画像テクスチャでは256KBになるのに対し、パラメータだけを持っておけばよいプロシージャルテクスチャではわずか3KBで済んでしまう。1/85のメモリ節約だ

MIKAEGEでは、このプロシージャル・テクスチャを床の木目に適用している。プロシージャル・テクスチャは広範囲に適用した場合にその周期性が露呈して、「いかにも計算で作りました」という感じがばれてしまうこともあるのだが、MIKAGEでは、法線マップによる微細凹凸を重ねることで、見る者の注意をそこだけに向けさせない工夫がなされている。あくまでプロシージャル・テクスチャはアクセント的に使っているわけで、このアプローチはかなり現実的だといえるだろう。

プロシージャル・テクスチャによる木目。これだけでも悪くはないが……

MIKAGEではさらに法線マップによる微細凹凸表現をオーバーラップさせたことで説得力が増したビジュアルになっている。こうなるとプロシージャル・テクスチャの反復規則性に気が付かれる可能性は低い

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インデックス

目次
(1) 日本発のGPUテクノロジー
(2) 採用APIはOpenGL ES 1.1 + α
(3) FuturemarkがPICA200をターゲットにデモソフト開発
(4) PICA200におけるメモリ節約のアプローチ・その1
(5) PICA200におけるメモリ節約のアプローチ・その2
(6) 影生成処理の特徴と頂点プロセッサの活用
(7) 携帯機器向けGPUのトレンドに注目

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