【レポート】

SIGGRAPH 2006 - SIGGRAPHの一般展示セクションをレポート(2)

5 XGAプロジェクタを利用してフルHD表示を再現

    西川善司  [2006/08/11]

    Scalable Display Technologies~XGAプロジェクタでフルHDスペック表示を行う方法

    Scalable Display Technologiesが展示していたのは、XGA(1024×768ドット)解像度のプロジェクタを4台使ったフルHD投射システム(製品名は社名と同じ)。その仕組みは、4台のプロジェクタを水平一列、垂直一列、あるいは"田"の字状に配置し、各プロジェクタからの映像を適当に重なるように表示して、希望の解像度やアスペクト比を制御ソフトウェアにインプットすることで、投射映像側に画像変形処理を施して投射するというもの。

    4台のプロジェクタを横一列に並べてそれぞれの位置から直交メッシュのテストパターンをスクリーンに投射。すると……

    こんな感じにそれぞれ斜めに歪んで重なりあった映像が投射される

    わざと2つのプロジェクタからの映像を隠すと、残り2つのプロジェクタの映像はこんな感じで投射されていた

    PC側には2枚のデュアル出力ビデオカードを搭載し、ここに4台のプロジェクタが接続される。プロジェクタがいわゆるRS232Cターミナル機能を内蔵している機種であれば(民生機でもRS232C-I/Fを備えた機種は多い)、PCとはRS232C接続され、4台のプロジェクタからの映像のカラーキャリブレーションなども行える。

    キャリブレーションを実行。それぞれのプロジェクタからテストパターンが表示される

    ホストPCに接続されたデジカメがスクリーンに投射されたテストパターンを撮影。その写真データを元に各プロジェクタの映像のジオメトリ補正を実行

    各プロジェクタは別々の位置からの投影になるため、映像は矩形に歪むことになるわけだが、その歪みの計測にはUSB接続した市販のデジカメを使用する。ブースではキヤノンのEOS Kissが使われていた。ローコストに一段階上の解像度の映像を表示するという目的に使えるのはもちろん、展示会や博物館、劇場などにおける超大画面投射やパノラマ投射のために利用できるとされる。4台のプロジェクタをXGA解像度でなく、より高い解像度の製品を使うこともでき、その場合はさらに高い解像度の映像が得られる。たとえば1920×1080ドットのフルHDプロジェクタを4台用いて、このシステムを利用すれば、スーパーハイビジョン・クラスの映像を投射することも可能だ。

    一度キャリブレーションを行ってしまえば、このようにちゃんとした1枚の矩形映像が表示される。本当は4台からのプロジェクタ映像を少しずつオーバーラップして表示しているはずなのだが、ちょっと見た感じでは継ぎ目が全く見えない

    製品はPCソフトウェアと技術サポートの形で提供され、価格はジオメトリ補正の基本ソフトウェアが1,000ドル、カラーキャリブリレーション機能までを持ったフルキットが5,000ドルになるという。すでにニューヨークの近代美術館(MOMA)への導入実績があり、そこでは4台のProjection Designの複数プロジェクタを組み合わせたシステムになっているという。

    (トライゼット西川善司)

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