【レポート】
SIGGRAPHは、基本的にはコンピュータグラフィックスやインタラクティブテクニックの学会ではあるが、一般企業が出展する商業的なトレードショーの展示セクションも設けられている。
よくあるIT関連の展示会に似通ってはいるが、一般的な展示会では見かけない研究機関用や企業向けのコスト度外視の高額な製品が展示されており、かなり興味深い。民生用製品になるにはまだまだ先になりそうな、最先端技術を結集して作られた数々の製品群が展示されている様は、ある意味「ミニ万博」的な雰囲気を醸し出している。EMERGING TECHNOLOGIESのレポートに引き続き、この一般展示セクションレポートも複数回に分けて記事をお届けする予定だ。
Cellプロセッサの評価システム「Cell Technology Evaluation System」や2基のCellプロセッサ搭載のブレードサーバー「Dual Cell-Based Blade」を発表したことで注目を集めていたMercury Computer Systemsは、今度はPCに挿せる拡張カード形態のCellプロセッサ搭載ボード「Cell Accelerator Board」を発表した。
接続バスはPCI Express x16バス。ボード上には2.8GHz動作のCellプロセッサが搭載される。プレイステーション3に搭載されるCellよりも400MHzほど動作クロックは低くなるが、その代わり8基のSPEが全て利用でき、演算性能は179GFLOPSに達するという(PS3では実動7基。一基は歩留まり向上のために初めから殺してある仕様)。
Cellプロセッサ側のローカルメモリはXDR DRAM 1GB(512MB×2のデュアルチャネル動作)でメモリ帯域は22.4GB/sec。ホストPCとCellプロセッサの共有メモリ的に活用されるメモリ(ビデオカードで言うところのビデオメモリ)はDDR2 SDRAM 4GB。この他ファームウェア用のフラッシュROMが32MB搭載されている。Cellプロセッサからは1GBのXDRも4GB DDR2もアクセスは可能だが、プログラムの実行はXDRで、DDR2は二次記憶スペース的に活用される。
ソフトウェア開発プラットフォームとしてはマルチコアソフトウェア開発ミドルウェア・スイートの「Mercury MultiCore Pluse」が標準付属する。OSはLinuxとWindows XPに対応。用途としては3Dグラフィックス・レンダリング、信号処理/解析、映像処理、科学技術計算なとが考えられている。ウリはとにかく普段使っているPCから簡単にCellシステムを利用でき、ソフトウェア開発が行えること。
価格は8,000ドルを予定。発売時期は2007年1月を予定しており、Mercury Computer Systems日本支社を通して日本での発売予定もあるという。価格と大きさからしても、とても民生向きの製品ではないが、PCI Express x16接続のアクセラレータカードという製品が出てきたことで、Cellプロセッサがグッと身近になった印象はある。
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