【レポート】

宇宙研一般公開 - まだまだ続く「はやぶさ」の話題、後継機に関する新情報も

1 え? Mk-II? 通常の3倍?

 
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宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部(JAXA/ISAS)の一般公開が7月29日、同本部の相模原キャンパス(神奈川県相模原市)にて開催された。JAXAへの統合以前より、毎年この時期に開催されている恒例のイベント。最新の研究内容を知るだけでなく、一線の研究者に直接話を聞くことができる貴重なチャンスでもある。

ISASの相模原キャンパス。今年は初めて無料のシャトルバスも運行していた(区間はJR淵野辺駅-ISAS間)

今年の「宇宙わ」(ウチワ)はデザインが「はやぶさ」に。このようなオリジナルグッズが無料でもらえるのも嬉しいところ

今年も盛況で、多くの家族連れが来場、人気コーナーでは部屋に人が入りきらずに溢れるほど。昨年末から小惑星探査機「はやぶさ」が注目を集め、知名度の向上に一役買ったこともあってか、今年は来場者数が大幅に増え、昨年の13,680人から、なんと一気に2万人近くに膨れあがったということだ。

はやぶさ「2」と「マーク2」

その「はやぶさ」については、昨年に引き続き本館1Fで大々的に展示。パネルを使った研究成果の紹介を行っていた。これらの内容については、これまでMYCOMジャーナルでも紹介してきたので関連記事を参照してほしいが、「はやぶさ」後継機について触れたパネルもあったのでここで紹介したい。

「はやぶさ」の展示コーナー。どちらかというと、子供よりも大人の方が熱心に見ていた印象が

トークリレーも行われた。全部出ていたら、これだけで終わってしまうという気合いの入れよう

「はやぶさ」がターゲットとしたイトカワは"S型"と呼ばれる小惑星だが、それ以外にも、反射光の解析により様々なタイプが確認されている。となるとイトカワのサンプルリターンだけでなく、その他のタイプの小惑星を調べることも重要となってくるわけで、そのために検討中なのが「はやぶさ2」や「はやぶさマーク2」なのだという。

イトカワも、辿り着いてみたら事前の予想とは全く異なる顔を見せていた。別の小惑星でも、また驚くような知見を得られる可能性は大いにある。

「はやぶさ」が到達した小惑星イトカワの模型も展示。もちろん去年はなかったものだ

最初気がつかなかったが、よく見るとミューゼスの海に「はやぶさ」が着陸中

まだ構想段階であるが、「はやぶさ2」でメインベルト(小惑星帯の中心)に多い"C型"小惑星を調べ、「はやぶさマーク2」でさらに遠い小惑星を調査することが考えられているという。「はやぶさ」で故障したリアクションホイールなど、冗長化で信頼性を上げる必要はあるかもしれないが、基本的には「はやぶさ」をベースとした機体で検討しているそうで、マーク2は中でも少しスペックアップしそうだ。

「はやぶさ」後継機について

ちなみに、ISAS相模原キャンパスのすぐ近くの相模原市立博物館では、7月15日より、プラネタリウム番組「リターン! はやぶさ」を上映中。2010年6月の帰還に向けて奮闘中の「はやぶさ」だが、その勇姿に想いを馳せてみてはどうだろう。

シャア専用(?)イオンエンジン

「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジン「μ10」は直径10cmで、1基あたりの推力は8mN程度(地球上で1円玉に働く重力とほぼ同じ)と小さいが、化学推進エンジンに比べて燃費が非常に良いのが特徴だ。キセノン(Xe)イオンを30km/secという高速で噴射することで、探査機は少ない燃料で遠くまで到達することができる(ちなみに、実際にはもっと高速で出ているそうだが、漏れ分も考慮してこの数字になっているそうだ)。

イオンエンジンでは、プラズマの発生やイオンの加速に電力が必要となるが、逆に言えば電力さえ十分にあれば、電圧を上げてイオンをより高速に噴射、つまり、さらに燃費を良くできる可能性もある。それがμ10の改良型として開発が進められている「μ10HIsp」で、エンジン直径は10cmで変わらないものの、加速電圧を10倍(1.5kV→15kV)にし、イオンの噴射速度は通常の約3倍に向上できる見込みだ。

これが新型イオンエンジンの光

この装置の中で運転中だった

ただしその一方で、消費電力は従来の349Wから2,550Wにまで増えてしまうが、搭載が検討されているのはソーラー電力セイル探査機(これについては後述)で、これには木星軌道でも使えるだけの大きな太陽電池がある。地球近傍では必要以上の発電能力があるので、電力の問題は十分にクリアできるそうだ。

もう1種類、直径20cmと大型化した「μ20」も開発中だ。燃費が良いというイオンエンジンの特性を活かしつつ、推力を上げることができれば、より早く地球-小惑星間を往復できる。推力を通常の3倍以上(8mN→27mN)に上げるのが目的で、前述の「はやぶさマーク2」で採用する案もあるそうだ。ちなみに消費電力は900Wと、従来の3倍以下に抑えるのが目標となっている。

奥が「はやぶさ」の「μ10」で、手前が大型の「μ20」

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インデックス

目次
(1) え? Mk-II? 通常の3倍?
(2) 来年から将来までの月・惑星探査
(3) その他注目の出展品


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