【レポート】

SIGGRAPH 2006 - SIGGRAPH 2006が開幕、まずは気になる"DirectX10"の話題

1 DirectX10関連の情報をまとめる

    西川善司  [2006/08/01]

    今年もSIGGRAPHが開幕

    7月30日(北米時間)より、コンピュータグラフィックスとバーチャルリアリティの学会/展示会「SIGGRAPH 2006」が開幕した。毎年開催地を変えているSIGGRAPHだが、今年はマサチューセッツ州ボストン市にて8月4日まで開催。来年2007年は8月5日から9日までカリフォルニア州サンディエゴ市、再来年2008年は8月11日から15日までカリフォルニア州ロサンゼルス市で開催することも発表されている。

    会場となったボストン・コンベンション & エクシビジョン・センター。入り口はATIの巨大看板がお出迎え

    開催初日は、様々なテーマの基本事項や最新動向をレクチャーするチュートリアル系のセッションが中心に行われている。最初のレポートとなる本稿では、このうちPCグラフィックスのトレンドを取り扱ったセッション「GPU SHADING AND RENDERING」から、DirectX10関連の情報を抜粋してレポートしたいと思う。

    Windows Vistaにのみ供給されるDirectX10(Direct3D10)

    セッションでは、MicrosoftのWindows Graphics Software Architectで、実質的にDirectXチームのトップであるDavid Blythe氏が登壇。近年のPCハードウェアの進化について、以下の3つの問題を指摘した。

    Microsoft Windows Graphics Software ArchitectのDavid Blythe氏

    1つはパフォーマンスの問題。API設計とそれを実現するハードウェアの形がずれてきており、ハードウェア本来の性能が発揮しづらくなってきていると説明。Direct3D(DirectXの3DグラフィックスAPIコンポーネント。以下同)は、1990年代のハードウェアに対応するための設計が基本構造となっており、最新のプログラマブルなGPUとは明かなズレが生じているという。また、CPUの絶対的な性能向上率が鈍ってきており、一方でGPUの性能向上率は依然うなぎのぼりであり、この格差がこのまま広がる場合、CPUにのしかかる負荷率は高くなり続けてしまう。しかしこれは逆に言えば、グラフィックス処理に割けるCPU時間の割合を減らすことが、PCシステムのトータル性能の向上に結びつくことを意味する。

    2つ目は、GPUの種類やバージョンの違い(シェーダーモデルの違いや機能格差)が多くなりすぎて、開発ターゲットのハードウェアを絞りにくくなってきている状況を挙げた。具体的に言えば、ある表現を実現しようとしてもA社のGPUでは動作するが、B社ではその機能がサポートされていないため動作できない……といったことが多くなりすぎて、開発がしづらくなってきているというのだ。

    3つ目は、ドライバモデルが建て増しに次ぐ建て増しでグダグダになりすぎて、これ以上の拡張が難しくなってきている点を指摘。これは動作の安定性も脅かす要因にすらなってきているという。

    そこで、これらの問題を解決すべく(互換性は維持するものの)、投入されるのが新設計のDirect3D10(DirectX10)ということになる。Direct3D10は新Windows「Windows Vista」にて標準実装され、Windows Vista環境下の標準のグラフィックスコンポーネントとなる。なお、Direct3D10はWindows Vistaに専用供給され、Windows XP以前には提供されない。グラフィックスポテンシャルの観点からすれば、Windows XP以前はDirect3D9で進化が止まることを意味するのだ。

    DirectXグラフィックスの醜いトレンド3大項目

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