【レポート】
JALグループは7月14日から8月31日まで、「JALみんなの夏空キャンペーン」を実施している。このキャンペーンでは、バンダイとウィズが共同企画・開発した携帯ゲーム「たまごっち」とタイアップしており、その一環として、ボーイング777型機にたまごっちのデザインを施した「たまごっちジェット」が運航されている。今回、このうち1機の製作現場を特別に見せていただくことができたので、作業の模様やキャンペーンの詳細を紹介したい。
空港等で飛行機を眺めていると、航空会社ごとに異なる通常の塗装以外に、キャラクターなどが描かれた、いわゆる特別塗装機が飛来することがある。JALであれば古くはディズニーキャラクター、メジャーリーガーの松井秀喜選手、ロックバンドのGLAY。最近では昨年夏の「甲虫王者ムシキング」、今年はドイツで行われたサッカーのワールドカップの日本代表をモチーフにした「SAMURAI BLUE 2006」、といったデザインの飛行機が空を舞っている。
そして、今年の夏には「JALみんなの夏空キャンペーン」に合わせて、社会現象をも生み出した「たまごっち」のデザインが施されたジェット機が登場。キャンペーンが開始された14日から運航を開始している。
こうしたタイアップなどによって施される特別なデザインの飛行機は「特別塗装機」と表現されることが多いが、今回のたまごっちジェットはデカール(シール)を貼り付けることによって実現されている。そのため、この作業も"ラッピング"という表現で呼ばれていた。
以前は、こうした特別塗装機は文字通り「塗装」によって実現していたそうだが、最近ではデカールを利用することが多くなったという。そのメリットのひとつは作業工程の短縮だ。塗装の場合は、色の節目が滲まないように、1色塗るごとに乾燥させる作業などが入り、最低でも4~5日程度は要してしまう。それに対してデカールを利用した場合は、すでに印刷されたものを貼り合わせていく作業となり、乾燥などのタイムロスなく作業を進められる。今回取材した機体の場合、すでに別の機で同様の作業を経験していたこともあり、わずか2日間で完成したそうである。
また、空を飛ぶ飛行機は重量が軽いほうが好ましいが、塗装に比べてデカールを利用したほうが軽量であるという。……と聞くと「塗装にしてもデカールにしても通常デザインより重いことに変わりないが、飛行に影響はないのか?」という疑問も沸く。しかし、たまごっちジェットのデカールの総重量は、せいぜい人間1人分程度。塗装にした場合でも総重量は人間2人分程度で、シンナーなどが揮発することでさらに軽くなるので、やはり飛行への影響はほとんどないそうだ。
一方、デカールにもデメリットはある。ひとつは耐久性の面で、色褪せや接着材の劣化による剥離の危険性などを考慮すると、塗装と比較して使用できる期間はかなり短くなる。また、気流の激しい機首部分などには使用できない。そのため、短期間の利用となる特別デザインについてはデカール、飛行機に描かれている「JAPAN AIRLINES」のロゴや垂直尾翼のデザインなど長期間に渡って利用される部分は塗装、といったように、利用箇所や利用期間によって使い分けられているのである。
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