【インタビュー】
日本は世界で第2位(※)の経済規模を持つ国である。しかし、1990年以来10年以上も、我々日本人はその自覚をもてない状態だった。低迷する経済、度重なる不祥事などが国民の意識に重くのしかかっていた。しかし、2004年ころからだろうか、日本の事業の、また日本そのものの再生が言われ始めた。経済誌で「再生」という言葉を多く見かけられるようになった。
※: GDPベース。ただし、EUについては合算していない。外務省の主要経済指標(PDF)を参照のこと
2003年4月の産業再生機構設立も日本の事業再生におけるマイルストーンの1つかもしれない。まず、国が再生の必要性を認め、組織的に動いたという点で重要である。また、その顔ぶれも、債権者である銀行からの派遣でも、政府官庁からの出向でもなかった。つまり、財務再建でなく、事業再建がはっきりと目指されているわけである。
こうした一連の事業再生は「ターンアラウンド」と表現されることが多い。
再生が必要になるというのはつまり、ヒト・モノ・カネのいずれか、もしくは全てが立ち行かなくなっているという状態であろう。ヒトはビジネスオペレーションを実行し、イノベーションを生み出す源泉である。工業の時代ほどではないが、モノもまた重要であろう。ERPやSCMなど"システム"という見えないモノも出現した。カネ--特にキャッシュフロー--はイノベーションへの投資に必要である。
6月12日、日本経済新聞は日本オラクルの2006年度決算が過去最高益を記録したと報じた。この稿が掲載される頃には具体的な数字も明らかになっていよう。同日、筆者は日本オラクルの代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)である新宅正明氏に、日本の経営者がそれぞれの事業再生・ターンアラウンドを成功させ、さらにその成長を継続させるための要素を求め、話を聞いた。
新宅氏との対話では、いかに自社に適した知識労働者を確保し、彼らの生産性を最大化させるか、いかに最適なITマネジメントを行い、コスト構造を最適化させるか--といったことが主な話題となった。本稿は日本のマネジメントに具体的な方策を伝えようというものではない。しかし、新宅氏へのインタビューでは、現在の日本の抱える課題の解決につながるであろうヒントがいくつか指摘された。
ここでは、財務つまりコスト管理、そして、事業つまりイノベーションに、さらにヒト・モノ・カネ--特にヒトにフォーカスする。まず、同社のターンアラウンドについて、次にITシステムというモノとこれにかかわるカネについて、そしてヒトという資産、最後にマネジメントというヒトそのものについて議論する。
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