【レポート】

「第1回プロダクトデザインフォーラム2006」開催 - やばいよ、日本……!?

    神保暢雄  [2006/07/13]

    CEATEC JAPAN実施協議会による「第1回プロダクトデザインフォーラム2006」が13日、品川にあるコクヨホールにおいて開催された。本イベントは10月3日から東京ビックサイトで行われる展示会「CEATEC JAPAN 2006」に関連したものとのこと。放送や通信、家電などの技術系イベントとしてのイメージの強いCEATECだが、本年は展示テーマのひとつとして「価値あるモノづくりの基盤強化」を掲げており、プロダクトデザインフォーラムはこのテーマについてのプレイベントとしての意味合いもあるという。

    ものづくりの現場ではデザインやブランドの確立が急務

    まず基調講演では、経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 企画調整官 田村敏彦氏による「ものづくりとデザインの重要性」と題した講演が行われた。

    経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 企画調整官 田村敏彦氏

    田村氏は、日本のIT、家電、自動車などのものづくりの現場において、デザインやブランドの確立や、それらに対する支援が急務であると分析する。その方策のひとつとして、同省が提言した「新日本様式(ネオ・ジャパネスク)」計画に触れ、「新日本様式」協議会によるネットワーク作りやブランド評価、日本の再認識、海外プロモーションなどのキャンペーンについて説明した。また経済産業省が主催する「第2回ネットKADEN大賞」の紹介も行った。同賞は「情報家電ブランド戦略」の実現を目的としたもので、受賞製品はCEATEC JAPAN 2006の会場で発表されるとしている。

    いい意味での「やばいよ、日本」になるために

    続いて日産自動車株式会社 デザイン本部 グローバル・デザイン・マネジメント部 ゼネラルマネージャー 高野修治氏が、同社の人材育成への取り組みについて「やばいよ、日本……」をキーワードに講演を行った。

    日産自動車株式会社 デザイン本部 グローバル・デザイン・マネジメント部 ゼネラルマネージャー 高野修治氏

    同社ではヨーロッパやアメリカ、アジアなどにデザインの拠点を設け、グローバルな市場に向けた取り組みを行っている。その一環として自動車デザイナーを育成するため、スポンサード・プロジェクトや講師の派遣、インターンシップなどを行っているという。特に中国・韓国では自動車デザインに対する意欲が高く、その一方で日本はものづくりに対する意識が低くなりつつあると語った。キーワードの「やばい」は現在、俗語として使われつつある「良い・すごい」という意味ではなく、文字通り「やばい」状況を指している。改善を目指し、同社では「オフサイト・インターンシップ」という自動車デザイン塾的な施設を開き、ものづくりの愉しさを伝えたり効果的なスキルアップ支援を行っていくという。その上で「やばい」が、「良い・すごい」の意味になってほしいと締めくくった。

    同社が目黒で開講するオフサイト・インターンシップの施設

    ブランド開発に必要な要件とは?

    デザインディレクターとしてトヨタのレクサスのミラノでの発表会をプロデュースした桐山登士樹氏は、現在手がけている地方の企業やデザイナーと連携したブランド開発の現状についてのレポートを行った。

    デザインディレクター桐山登士樹氏

    桐山氏によれば、特に中小企業においては短期的に成果が求められるケースが多く、良いものができ上がる前に企画を終了させてしまう場合があるという。そういった企業体では、単年度の中で成果を出すためのバランスシート作りやメディアの活用、モノとモノの関連性、コラボレーションパートナーの必要性など、考えるべき課題は多いと指摘。対照的に、100人を超えるデザイナーを抱える企業では、旧来のものに変わる新しいデザインスキームと、それを効率よく運営するプロデューサの存在が不可欠であると語った。

    日本のプロダクトデザインに求められるポイント

    参加者の多くは現在第一線のデザインの現場で働くデザイナーで、講演後に設けられた質問コーナーでは実際の運用や現場に関する質問が飛び交った。講演に続き「最前線で活躍する女性デザイナーのトライアル」というタイトルで女性デザイナーによるクロストークセッションも行われた。10月7日のCEATEC JAPAN 2006の会場では、本イベントに続いて「第2回 TALK TOGETHER!」が開催されるとのこと。こちらは、デザインに関わる学生、教育関係者、フリーデザイナー、インハウスデザイナー、経営者を対象としているという。

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