【レビュー】

ゼロスピンドルは未来のマシンか--VAIO type U ゼロスピンドルモデルを試す

1 type U再び、今度はフラッシュメモリを搭載

小山安博  [2006/07/06]

つい先日レビューしたばかりの「VAIO type U」が再び手元に届いた。スライド式キーボードをひっさげて復活したtype Uだったが、前回レビューしたtype Uは旧type Uのコンセプトをそのまま継いだ後継マシンだったと言える。

今回届いたマシンを正確に言えば、前回の新type Uとはまた異なり、type Uのコンセプトは受け継ぎつつ、新たな進化を遂げたマシンと言える。ノートPCというよりもまた別種の、家電のにおいのするマシン……。それがこの「VAIO type U ゼロスピンドルモデル」だ。

フラッシュメモリを搭載したVAIO type U ゼロスピンドルモデル(写真左)。右は通常のHDD搭載モデル。全体的にブラックになったのが分かる

フラッシュメモリによるパフォーマンスアップ

今回レビューするこのtype U(区別するために以下「type Uゼロ」)の最大の特徴は、その名の通りHDDやCD/DVDドライブ、FDDという回転する記憶装置を"まったく持たない"というマシンである。最近はFDDを内蔵するノートPCはほとんどなくなったが、最低でもHDDを搭載するのが一般的で、通常のtype UでもHDDを搭載した1スピンドルモデルだった。

カラーリング以外の本体デザインや質量以外の大きさは変わらない。ポートリプリケーターなどの付属品も変わらないので、そのあたりの機能についてはHDD搭載モデルのレビューを確認して欲しい

本体背面も一緒。左側のふくらみはバッテリで、スタイラスペンが挿入されている。右側には後述するワンセグ用アンテナが配置されている

本体側面の機能も同じ

それが今回、とうとうHDDすら省いてしまったわけだ。その代わりに記憶装置として使われているのはフラッシュメモリ。PDAや携帯電話のような、何十GBといった大容量が使われないモバイル端末では普通に使われているが、PCの主記憶装置として利用されるのは珍しい。ソニーによれば「国内初」だそうだ。

フラッシュメモリはHDDとは違い、可動部分を持たないために耐衝撃性や耐振動性に優れている。逆に携帯電話にHDDを搭載した製品がなぜ少ないか(国内ではauのW41Tぐらい)といえば、主な理由の1つは携帯のように荒っぽく扱われる機械で利用するための信頼性の確保が難しいからだ。HDDへのデータ書き込み中に落とすなどの衝撃を与えてデータが吹っ飛ぶ……、そんな心配はフラッシュメモリにはない。

HDDとは部品数が違うため、軽量化も図れる。type Uでいえば、HDD搭載モデルに比べて約28gの軽量化が実現している。電力消費の面でも有利なので、バッテリ駆動時間は30分ほど延びたそうだ。

もう1つのメリットとしてはパフォーマンスの向上が挙げられる。公称ではOS起動速度が63秒から43秒に、SonicStage起動時間が35秒から10秒に、Outlook起動速度が9秒から1.5秒になった、らしい。HDDの代わりにフラッシュメモリを搭載したことで、アクセススピードの改善にも成功したようだ。

実際のところはどうか、というとこれは両機種を同じ状況で比較してみない限り分からないだろうが、個人的な印象では思っていた以上にサクサクと動く、といった感じ。前回のtype Uのレビューできちんとしたベンチマークテストを行っていなかったため、数値的な比較ができない点はおわびしたい。

スライド式キーボードもまったく同等。カラーリングは変わっているが、デザインや打ち心地などは一緒。つめで押すようにすればそこそこのスピードでは入力できる

さて、もともとtype Uは電源をオフにしないという前提のマシンだ。まあ、たいていのノートPCユーザーもそうだろうが、Type Uの場合は電源スイッチをスライドさせればスタンバイモードになり、使用する場合は再び電源スイッチをスライドさせる仕組み。この仕組みだと、起動時間は格段に速くなる。フラッシュメモリの利点と組み合わさって、携帯というかPDAというかマルチメディアプレイヤーというか、何となく家電的な使い勝手に近づいた、そんな印象がある。

ちなみに電源スイッチをスライドさせてスタンバイに移行する時間はテストではそれぞれ平均で5秒(5回試行)、復帰は同10秒程度だった。これだけのスピードが維持できれば、大きな不満なく、家電感覚で利用できそうだ。

    新着記事

    特設サイトの情報

    人気記事

    一覧

    新着記事

    特別企画

    一覧