【レポート】

@media2006にみるWebデザインのトレンド

1 新たな知識やテクニックを皆で共有する必要がある(Eric Meyer氏)

    木達一仁  [2006/07/05]

    6月15、16の両日、ロンドンの中心部に位置するクィーンエリザベスⅡカンファレンスセンターにて、「@media2006」と呼ばれるWebデザイン関連のカンファレンスが催された。@mediaは昨年に引き続き2度目の開催。イギリス国内外のエキスパートを招いてWebデザインに対する最新のアプローチを学び、また議論するためのイベントである。2日間の日程において、筆者の参加したセッションのなかから、特に興味深かった6つのセッションを通じ、Webデザインのトレンドを紹介したい。

    @mediaの会場となったクィーンエリザベスⅡカンファレンスセンター

    CSS10年間の軌跡 - Eric Meyer氏

    キーノートプレゼンテーションを行ったEric Meyer氏は、数々の関連書籍や講演活動を通じ、Cascading Style Sheets(CSS)のエキスパートとして知られている。彼のプレゼンのタイトルは「A Decade of Style」で、いわば氏の過去10年間におよぶCSSとの関わりを総括するものだった。それはすなわち、CSSが今日あるレベルにまで普及するに至る歴史そのもの、ということもできると思う。

    キーノートプレゼンテーションを行うEric Meyer氏

    初めてCSSを実装したMicrosoft Internet Explorer(IE)3の登場(1996年)、より一層CSSをサポートしたNestcape Navigator 4のリリース(1997年)、そしてブラウザ戦争の激化、Web Standards Project(WaSP)の誕生(1998年)……近年でこそ多くのWebサイトで積極的に利用されるようになったCSS。しかし、過去に遡れば、サポートしているブラウザが少ないなど、CSSは数々の困難な状況に直面してきた。しかし今やCSSは、Mac OS X環境におけるDashboardのウィジェットや、IMソフトのAdium XのようにWebコンテンツ以外にも使われる存在となり、その利用シーンは広がりを見せつつある。

    プレゼンテーションの中で、彼はCSSの現在と将来について言及。CSSはいまだ完成されたものではなく開発途上のものであるとし、One True LayoutやYahoo! UI Libraryを引き合いに出して、新たなアイデアが日々生まれていることを指摘した。

    One True Layout」は、同じマークアップ内容に対して異なるスタイルを適用するだけで、レイアウト上のフレキシビリティを探求した記事。「Yahoo! UI 」は、JavaScriptを用いてWebアプリケーションのユーザインタフェースをよりリッチにすることのできる、ユーティリティやコントロールなどのライブラリ。そのなかに、CSSで文字の大きさやグリッドを指定する仕組みも含まれている。

    最後にEric氏は、アイデアを共有することの大切さを力強く呼びかけて講演を締めくくった。コミュニティ全体が未来に向け前進していくためには、新たな知識やテクニックを皆で共有する必要がある。世界中の誰もが思いつきもしなかったようなことを、あなたが考え付いたならば、ぜひ、その瞬間を味わってほしい。そして、そのアイデアをコミュニティと共有してほしい、と語った。

    IE7最新情報 - Chris Wilson氏

    米MicrosoftのInternet Explorerプラットフォームチームに所属し、Web Standards Project(WaSP)にもMicrosoftタスクフォースの一員として参加しているChris Wilson氏のプレゼン「IE7 and Beyond」では、多くのWebデザイナーや開発者の注目を浴びているIE7が紹介された。セキュリティ確保やユーザビリティの向上、そしてCSSを含むWeb標準技術のサポート向上といった改善ポイントを述べ、「IE7はWeb開発のためのパワフルなプラットフォームになる」とアピールした。

    IE7について熱のこもった解説を行うChris Wilson氏

    またプレゼンのなかで、FAQとして挙げられていた事項は、IE7の出荷時期は今年後半であること、別バージョンとの並列動作に対しては技術的に困難としながらもリクエストに応え現在問題解決に取り組んでいることなどがあった。また、XHTMLのフルサポートやAcid2テストの合格についてはIE7以後のバージョンで対応したい旨を明らかにした。

    なお、プレゼン中の公式発言ではなかったものの、そのスピーチの前後で筆者がWilson氏に直接確認したところでは、XP用のIE7とVista用のIE7+は同じレンダリングエンジンを使っており、CSSのサポートも同一であるそうだ。

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