【レビュー】

発売直前 - ソニーα100実写インプレッション

1 コニカミノルタからの継承とソニーらしい部分

    西尾淳  [2006/07/04]

    ソニーからデジタル一眼レフ「α100」が発表された。発売は7月21日なのでもう少し時間があるが、実機に触れることができたので報告したいと思う。すでに各カメラショップでα100の予約が始まっている。たとえばヨドバシカメラの場合、本体のみが99,800円、「DT 18-70mm F3.5-5.6」がセットになったズームレンズキットが119,800円、「75-300mm F4.5-5.6」も加えたWズームレンズキットが139,000円となっている。

    有効1020万画素とボディー内手ブレ補正機構

    α100のWズームキットでは標準ズームの「DT 18-70mm F3.5-5.6」のほか、望遠ズームの「75-300mm F4.5-5.6」(写真左)がセットになる

    ソニーα100はコニカミノルタのαSweet(以下Sweet)から継承した部分が少なくない。マウントが共通なのはもちろんとして、ボディサイズやボタン類の配置もSweetによく似ている。しかしソニーらしい上手さも感じる。「シナバーカラー」と名づけられたオレンジ色のテーマカラーは目新しい。レンズを装着すると見られないマウント部にもカラーを配すなど、ソニーらしいセンスにあふれている。シャッターボタンの部分に光沢のパーツを使うあたりも、いままでの一眼レフには見られない処理だ。

    秒3コマの連写など、基本スペックは標準的なものだが、有効画素数1020万画素のCCDが頭抜けている。23.6×15.8mmのサイズやソニー製であることを考えると、ニコンD200に使われているCCDに近いと考えられる。ただしD200は4チャンネル同時読み出しで高速化を図っているが、α100は2チャンネルとのこと。このあたりの設計は違うようだ。

    特徴のひとつはCCDシフト方式手ブレ補正機能「Super Steady Shot」を搭載していること。ボディー内にこの機構を備えるため、すべてのレンズで手ブレ補正が使えるのがうれしい。コニカミノルタのαシリーズですでに搭載されていたが、それをさらにブラッシュアップした。その効果については次のページで検証しよう。

    また、CCDを揺り動かす手ブレ補正機構を応用し、ゴミを振り落とす「アンチダスト駆動」を自動的に行っている。しかし超音波でCCDを振動させるオリンパス方式とは異なり、揺り動かすことよりもCCD表面のコーティングを重視し、静電気を防止することでゴミが付きづらくした。今回、この効果を試すことはできなかったが、その姿勢は評価したい。ゴミの写り込みはデジカメのネックともいえる問題なのだ。

    画像処理の点では、露出や階調表現を自動的にフォローする「Dレンジオプティマイザー」が新しい。簡単に言えば、逆光などの撮影シーンでも中心となる被写体を黒くつぶさず、明るく写すことができる。この構想はコニカミノルタのころからあったが、処理速度などの問題があり、やっと搭載できたのだとのこと。Dレンジオプティマイザーについてはのちほど詳しく触れたい。

    「α」のロゴだけでなく、マウント周辺にもオレンジ色の「シナバーカラー」が配される

    大型2.5型モニターを使用。ボタン類は標準的なもの。電源スイッチがαらしい

    側面。使用メディアはCFだが、アダプターでメモリースティックデュオにも対応する

    ボディーがコンパクトにまとまっていることがわかる。レンズは「DT 18-70mm F3.5-5.6」

    コニカミノルタから受け継いだαマウントと、1020万画素CCD

    CCD単体。サイズや画素数はニコンD200とまったく同じ

    α100に使われている画像処理エンジン「Bionz(ビオンズ)」

    撮影情報などを確認できるナビゲーションディスプレイ。縦位置にも自動的に切り替わる

    ソニー初のデジタル一眼レフ用カールツァイスT*レンズ

    α100の発表で、マニアが最も喜んだのは、カールツァイスレンズの登場かもしれない。今回、「バリオゾナーT* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA」「プラナーT* 85mm F1.4 ZA」「ゾナーT* 135mm F1.8 ZA」の3種類のツァイスレンズが発表された。ソニーはコンパクトデジタルカメラに長くツァイスレンズを採用してきたが、同じツァイスレンズでも「T*」(ティースター)の有無でまったく別物なのである。今回は同社初のデジタル一眼レフ用T*レンズの登場となったわけで、マニアでなくても楽しみではある。

    また、3本のうちバリオゾナー16-80mmはAPS-CサイズのCCDを想定したイメージサークルの小さなタイプだが("DT"がAPS-C用という意味)、プラナー85mmとゾナー135mmは35mm判にも対応するフルサイズ。つまり、コニカミノルタの銀塩一眼レフαシリーズにも使用できるということ。αユーザーにとっては望外のプレゼントだろう。もうひとつ、今後ソニーがフルサイズ(35mm判)CCDを使用したデジタル一眼レフを登場させる可能性も見えてきた。今回はツァイスなどを含め、ソニーレンズとして計21本が発表された。このソニーレンズもAPS-C用は一部で、35mmフルサイズ用が多くラインナップしている。このあたりも期待が高まるところ。

    ツァイスレンズは10~11月の発売であり、今回は試すことができなかった。時期が近くなればその性能評価だけでなく、銀塩αシリーズとの相性なども専門誌でレポートされるだろう。「バリオ」はバリアブル=ズームの意味、「ゾナー」=太陽、つまりは太陽のように明るいズームレンズといった意味など、ツァイスには独特のネーミングがあるのだが、このあたりのうんちくを調べつつ、ツァイスレンズの登場を楽しみに待ちたいと思う。

    「カールツァイス Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA」 希望小売価格:103,950円 発売予定日:2007年11月


    「カールツァイス Planar T*85mm F1.4 ZA」 希望小売価格:189,000円 発売予定日:2007年10月

    カールツァイス Sonnar T* 135mm F1.8ZA。希望小売価格:210,000円 発売予定日:2007年10月

    ソニーレンズ群。今回はツァイスレンズやテレコンを含み、合計21本が発表された。従来のコニカミノルタ製レンズも使用できる

    αの資産を継承し、早期の一眼レフ発表へ

    ソニーα100は、われわれの想像以上に早く登場した。コニカミノルタのカメラ事業終了が伝えられたのが1月だから、発売までわずか6カ月ということになる。水面下での交渉や、それ以前からソニーでカメラ開発が行われていた可能性もあるが、ずいぶん早かったことは間違いないだろう。

    登場が早かったということは、コニカミノルタから継承されたものが多いということでもある。ツァイス以外のソニーレンズ群は、基本的にコニカミノルタ製品のキャリーオーバー。外見は多少リファインされたが、中身はほとんど変わっていない。外部ストロボなどのアクセサリー類も同様だ。逆にいえば、従来のαユーザーはそれだけ抵抗なくソニーαに乗り換えられるということだ。

    マウントだけαを使用し、それ以外は全部ソニーオリジナルにするという方法もあったはずだが、α100を見るかぎり、そうはしなかった。αユーザーはとりあえず安堵できるのではないだろうか。しかし、少なくともCCDはまったく違うものだし、それに伴う画像処理なども最初から設計する必要があるはず。パナソニックの「DMC-L1」より先に発表したいという思いもあったのだろうが、それを実現してしまうところにソニーの凄さを感じる。

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