【レビュー】

LinuxザウルスSL-C3200にその進化の軌跡を見る

1 SL-C3000系のきょう体を採用した、最新機種

 
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シャープの「Linuxザウルス」は、2002年12月にヒット作「SL-C700」が発売されてから、既に4年を数えるシリーズに成長している。その最新機種が今年の3月に発売された「SL-C3200」である。現時点では発売から3ヶ月以上が経過しているため、少々旬を外した感は否めないが、本稿ではその内容と完成度を改めて吟味しつつ、シリーズの進化の過程を振り返ってみたいと思う。

「SL-C3200」(右手前)と前モデルの「SL-C3100」(左奥)。カラーリングが違うが、きょう体デザインは全く同じである

液晶を閉じたSL-C3200の様子。一つ前の機種であるSL-C3100と比較すると、カラーリングのせいかややエレガントな印象を受ける

前機種のSL-C3100の外観。SL-C3200と比較するとややソリッドな印象がある

SL-C3200(右手前)とSL-C3100(左手奥)。共に液晶を閉じた状態

Linuxザウルスシリーズは、2004年11月に発売された「SL-C3000」以降、きょう体が新しいデザインに変更されており、この際に従来機種と比較するとかなりの強化が行われている。きょう体の強度アップやソフトウェアのバージョンアップ、そして日立製の小型HDD「Microdrive」の採用もその一環であり、「SL-C3200」にも引き継がれている(ディスクレスモデルである「SL-C1000」には、Microdriveは搭載されていない)。

SL-C3200の仕様は、一つ前の機種である「SL-C3100」とほぼ変わりがない。目立つ変更個所はMicrodriveの容量が4GBから6GBへと増やされたくらいで、後はソフトウェア面での変更が主である。発売元であるシャープ自身が、 従来機との仕様比較表を公開しているので、まずはそこで全体像を把握してみるのもいいだろう。

初代を思わせるシックなデザインと、継承された完成度の高さ

SL-C3000系のきょう体はSL-C700系に比べてかなり強化されているが、ボディデザインはやや大きくなっており、今回のSL-C3200も例外ではない。SL-C700系のきょう体と比較すると、ホールド時の感覚や重量バランスの面で大きな違いがあるため、移行を考えているユーザーは注意が必要だが、慣れてしまえばこれはこれでモバイルに向くきょう体だと分かるだろう。

また、前2機種のSL-C3000/C3100と違い、SL-C3200のカラーリングは、シリーズ初代の「SL-C700」に似ており、シルバーと黒を基調にしたものとなっている。特にキーボード回りは初代のイメージに近く、きょう体サイズのわりにスマートでコンパクトな印象を受ける。前機種のSL-C3100が黒を基調としたデザインのため、ちょっとした埃が目立ちやすいことと比較すると、汚れが目立ちにくいという利点もあげられるだろう。

キーボードの打鍵感は、先代までのものと大きく変わることはなく、親指打ち(両手できょう体を挟み込むように抱え、両親指で入力する方式)のしやすさにも変化はない。ウィルコムの「W-ZERO3」やソニーの「VAIO VGN-UX50/90」などのように「親指打ちに特化したマシン」がいくつか出てきているが、これらと比較しても十分に入力しやすい、非常にこなれたキーボードだといえるだろう。

SL-C3200のキーボード。これまでのSL-C3000系の機種と異なり、初代SL-C700を彷彿とさせるデザインになっている。キーボード手前中央には、SDカードスロットが配置されている

SL-C3100のキーボード。SL-C3000の白を基調としたキーボード面から一転して黒を基調にした暗色でまとめたものとなり、引き締まった印象を受けるが、その半面、埃が目立つ面も

入出力インタフェースに関しては、外見上の違いはまったくない。SDカードスロット及びCFカードスロット、USBポート、I/Oポート、そして赤外線ポートを装備しているが、TCP/IPネットワークへの接続には別途有線もしくは無線LANカードが必要となる点も同様である。従来モデルの熟成版という位置付けであるが故の「変化無し」なのかもしれないが、携帯型ゲーム機でさえIEEE802.11b規格の無線LANを搭載している昨今の状況を考えれば、やはり、無線LANぐらいは標準で内蔵して欲しかったところである。また、優先順位はユーザーの使用シチュエーションに左右されるであろうが、モバイルという観点から言えば、Bluetoothの搭載も是非とも検討して欲しいところだ。

なお、USBの扱いに関しても、SL-C3000/C3100となんら変わりはない。外付けのキーボードやUSBストレージクラス対応のデバイスを利用できるが、やはりメーカの保証がない状態であり、自己責任での利用となる。もちろん、自分でこれら以外のドライバを用意して利用することもできるので、スキルに自信のあるユーザーにとっては相変らず、便利なポートであることに違いはない。

シャープの内部では、SL-C3000発売前後、USBサポートデバイスのリストを作成する意向もあったが、多種多様なUSBデバイスが発売され、移り変わりの激しい現在の状況では、正式サポート対象とするのは難しいのだろう。

SL-C3200の背面。右からACアダプタージャック、ゴム蓋がされたI/OポートとUSBポート。そして、[OK]と[CANCEL]キーとその下のシャトルキーと、各種ポートとボタンなどが配置されている

SL-C3200の底面アップ。ちょうどSDスロットの裏側に内蔵スピーカが配置され、電池蓋のロックがその隣にある

SL-C3200の右側面。CFカードスロット(無線LANカード挿入済)とその右側にステレオヘッドホンジャック。キーボード手前側にはタッチペン(スタイラス)のスロットがある

CFカードスロットに無線LANカード(Linksys WCF12)を装着したところ。ホールド性が悪化するため、やはり無線機能は是非とも内蔵して欲しいところだ

同じく無線LANカード(アイ・オー・データ機器 WN-B11/CF)を装着したところ。カードによってスロットからはみ出る部分に違いがあるので、出来れば出っ張りの小さいものを選びたい

AirEDGEカード(AH-S405C)を挿した様子。こちらも同様にきょう体から突き出てしまう

CFカードスロットにBluetoothカードを装着したところ。こちらも無線LANカードと同様にホールド性は悪くなるが、その出っ張りはこの中でもっとも小さい。なお、Bluetoothは標準環境ではサポートされないので、別途ドライバを自己責任で導入する必要がある

写真10~13で利用したCF型カード群

ACアダプタは、SL-C3100と同じく「EA-75」が添付されている。これはウィルコムの「W-ZERO3」でも採用されている100V~240V対応のアダプタだが、持ち運び時にかさばる点はユーザーの評価が分かれるところだろう。携帯性を重視するなら、メーカの保障外にはなるが、SL-C700系の折りたたみ式ACアダプタやサードパーティ製を選択することも視野に入れた方がいいかもしれない。

また、搭載されているバッテリーは、SL-C3000から継続して「EA-BL11」(1800mAh)である。このためバッテリーによる稼働時間そのものは、これまでの機種と大差ないものとなっている。なお、SL-C860に搭載されていた「EA-BL08」は同一サイズだが、その容量は1700mAhだった。

SL-C3200(上段)と標準添付のACアダプタ「EA-75」(中段)。海外での使用も可能となっている。手前にあるのはSL-C750に標準添付されていた「EA-72」。若干大きくなっているため、持ち運びは確かに不便ではあるが、旅行の際はボストンバッグに詰め込むことになるだろうから、許容範囲内とも言える

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インデックス

目次
(1) SL-C3000系のきょう体を採用した、最新機種
(2) ソフトウェア面での変更と進化
(3) 既存のソフトウェア資産との互換性

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