【レポート】

ATIのチップセット ロードマップをまとめる

2 統合グラフィックとサウスブリッジ

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統合グラフィック

Intel向けとしては、他にRS600という製品も用意されている(Photo07)。これは何かというと、統合グラフィック向けという扱いで、流石にExpressRouteやCrossFireのサポートは省かれている様だ。ただ外部のPCI Express x16レーンは用意されており、構造的には図4の様になると思われる。ExpressRouteの設定は無く、またCrossFireが可能かどうか(x16を2本のx8に分けられるか)も不明である。型番的にはRS600であるが、ターゲットを考えるとRD500相当のコアにGraphicsを統合した、と考えるほうが順当な気もする。

Photo07:ECSのRS600M。見てのとおりLGA 775を搭載するIntel向けのMicroATXマザー。

図4:

さてそのRS600のグラフィックコア、従来と異なり特定の世代のコアをそのまま入れた訳ではないそうだ。いわばハイブリットコア、というのが同氏の表現で、X300 / 600世代とX1000世代の中間に位置すると考えるのが順当だろう。主な特徴としては

  • ピクセルパイプラインは4本。Shader Model 2.0に対応(3.0は未対応)。
  • Vertex Shaderも搭載するが、具体的なユニット数はまだ公表できない。
  • Avivoを搭載する。
  • UMA構造でメインメモリをCPUと共有するが、最大512MBまでAllocation出来る。
  • HDCPを100%サポートし、外部コンポーネントは不要。

といったところ。性能についてはまだ未公表だが、Vista Premiumに対応し、「エンドユーザーは十分なVista Experienceを享受するだろう」としている。ちなみにHybridのヒントとして同氏が言ったのは「例えばX600だとHDMIは持ってない」ということ。察するにX600をベースに、Avivoのサポートなどを追加した、というあたりではないかと思う。

ところで統合チップセットに関しては、Intel向けのみならずAMD向けにもちょっと変化があった。今回会場ではRadeon Xpress 1100(Photo08,09)やRadeon Xpress 1150(Photo10)といった製品が登場している。これが従来のRadeon Xpress 200シリーズとどう違うのか、をまとめたのが表1である。要するにノースブリッジとサウスブリッジの違いで、微妙にブランドが変わってくる訳である。まず大分類として、SB400 / 460のみを使うのがRadeon Xpress 200、SB600を使うのがRadeon Xpress 1100シリーズとなる。Radeon Xpress 1100シリーズに関して言えば、RS485自体は以前から用意していた製品で、実際今年のCeBITで幾つかのベンダーがお披露目していた(こちらのECS RS485-M940など)から、それほど目新しいという訳ではない。が、RS485Cという製品がこれが初めてとなる。両者の違いは? というと、RS485が内部のグラフィックコアが400MHz駆動なのに対し、RS485Cは300MHz駆動なのが唯一の違い。バリュー向けにやや性能を落としたという扱いである。ただしこれに関しては、現在は単に動作周波数のみの違いだが、将来はHDMIの扱いなどに差をつけることを考えているようだ。

Photo08:これはMSIのSocket S1対応ノート。Radeon Xpress 1100搭載。

Photo09:省スペースPC向けの例。

Photo10:こちらはRadeon Xpress 1150搭載。別にRadeon Xpress 1150が省スペースに向かない、という訳ではない。

表1
ブランド ノースブリッジ サウスブリッジ
Radeon Xpress 200 RC410 SBxx(SB400 / SB460)
RS482 SBxx(SB400 / SB460)
Radeon Xpress 1100 RS485C SB460
SB600
Radeon Xpress 1150 RS485 SB460 / SB600
SB600

話を少しRS600に戻す。表1でもわかるが、ATIの統合グラフィックの場合、RCシリーズとRSシリーズの2つの製品ラインナップが用意される。RCがValue向け、RSがMainStream / High-End向けというポジショニングである。で、AMD向けは表1の様にラインナップが充実しているわけだが、Intel向けはまだ十分ではないと言える。となると、RS600に対応するRCシリーズが出ても不思議ではないのだが、これに関しては「RSとRC、2つの製品ラインナップを持つのが我々の戦略であって、特定の製品を指した話ではない」とSoraya氏には逃げられてしまった。ただ冷静に考えると、Intel向けのMainStream~High-Endというのは、CentrinoとViivという2大ブランドでIntelにがっちり固められてしまっている。むしろATIの勝機はValue向けにあるとも言えるし、実際昨年Intelが自社でチップセット供給が間に合わなくなったときにRadeon Xpress 200 for Intel Processorsを搭載した製品を出したが、これは明確にValue向けを指向した製品というあたりが、良い証明になっている。今の時点で公表されないのは、計画が無いというよりも政治的な問題でまだ公表できない、と考えるほうが妥当な気がする。

さて、もう一度AMDプラットフォームに話を戻す。IDF Spring 2006の裏でAMDはYokohama Platformを公開したが、これも会場に展示されていた(Photo11,12)。このYokohamaであるが

  • AMDとATIのコラボレーションによる、新技術と低消費電力にフォーカスした、Mobile Platformで、ODM / OEMのTTM(Time To Market)短縮を助けるものである。逆に言えば、チャネルに流す事は考えていない。
  • 省電力に関して言えば、Yokohamaはバッテリー寿命の新記録を達成している。ODMカスタマーによれば、Yamato(NVIDIAのMobile Platform)を使った場合よりもずっと長いバッテリー寿命を実現できた。

といった辺りが主なポイント。ちなみにこのPlatform、最初はKatanaとかいうコード名で、これが途中でYokohamaになったようだ。「横浜ってのは大和よりも東京に近い場所だ」という辺りが、改名の理由らしい。

Photo11:構成はIDFの時とほぼ同じ。

Photo12:Yokohamaの詳細。ベースはRadeon Xpress 1100である。

サウスブリッジ

最後にサウスブリッジ周りの話を。以前からSB600の名前は出ており、今回公式にAuthorizeされた形になる。ATIもSB600のページを公開しており、力の入れ具合がわかる。さてそのATI、正直同社のサウスブリッジは「茨の道」といっても差し支えない苦闘の連続であった。2002年にRadeon IGPが登場した時に、IXP200 / 250というサウスブリッジも同時に登場したが、これがまた見事に安定せず、結局ODM / OEMメーカーはALiのサウスブリッジを好んで積む状態。ついでRadeon Xpress 200が登場したとき、サウスブリッジとしてはIXP400が登場したが、安定したとは言い難かった。これを修正したはずのIXP450(この頃から名称がいつのまにかSB450になり、IXP400もSB400となった)も不具合が多かったらしく、すぐにバグフィックス版のSB460が登場していた。このSB460は安定しているらしいが、未だにULiのサウスブリッジを使うベンダーもあるほど(Photo13,14)。まだあまり信用されていない、ということなのだろうか。ただNVIDIAによるULiの買収でこれらのベンダーはちょっと困ったことになっていると予想される訳だが、これに関しては「我々のビジネスに関して言えば、ULiの買収の影響は全く無い。我々のSB600は十分競争力がある。SB600は、SB460のRefreshとしてAMDプラットフォーム向けに既に出荷している」と自信満々の回答が。ただ似たような話をSB450の時にも聞いた気がするのは筆者の気のせい……だといいのだが。

Photo13:RS600+ULi M1573という構成のECS 775Twins-HDTV。RS600であってもIntel向けだとRadeon Xpress 200ブランドになるらしい。

Photo14:こちらはRS485+ULi M1575という組み合わせ。M1573とM1575はピン互換で、違いはSATAがSATA IかSATA IIか、とRAID5が可能かどうかのみ。

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目次
(1) Intel向けチップセット
(2) 統合グラフィックとサウスブリッジ

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