【レポート】

ATIのチップセット ロードマップをまとめる

1 Intel向けチップセット

 
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COMPUTEX TAIPEI 2006でATIは、未発表のチップセットを大量に展示し、かつこれらについての説明を行っている。そこでこれをちょっとまとめておきたいと思う。COMPUTEXに関しては、すでにまとめ記事を掲載してしまった後なのだが、本稿は、恒例のPCテクノロジートレンドの番外編といった趣で読んでいただければ、と思う。

Photo01:Integrated Marketing DirectorのReuven Soraya(空谷)氏にお話を伺った。

Intel向けチップセット

ATIは今回、RD600とRD500という2つのチップセットをデスクトップ向けに公開した(Photo02~05)。まずRD600だが、ATI Integrated Marketing DirectorのReuven Soraya氏によればRD580のIntel Versionであり、"Premium Enthusiast Chipset"だそうだ。ConroeことIntel Core 2を含むLGA 775 CPUをサポートし、Memory I/FはDDR2が2ch、グラフィックはXpressRouteをサポート、PCI Express x16レーンが2本出る形だ。サウスブリッジにはSB600を搭載することになっている。

Photo02:詳細は当然見えないが、Core2 Duoの2.66GHzを搭載、CrossFire構成のRADEON X1900 XTを装着。

Photo03:XpressRouteについては後述。

Photo04:こちらはRD500。システム構成は(マザーボード以外)同じ。

Photo05:XpressRouteと、"Massive FSB and Memory Overclocking"以外はほぼ同一。

さて、これについてもう少し細かく説明しよう。まずRD580とは同社がAMD向けに、今年2月に発表し、出荷を開始しているCrossFire Xpress 3200の事である。 RD580の場合、Northbridgeから2本のPCI Express x16レーンが出るが、この2つのレーンは内部的に接続されており、これにより高速な転送が可能になるというものである(Photo06)。このあたりをもう少し判りやすくしたのが図1と2だ。図1はRadeon Xpress 200 CrossFire(RD482)、図2がCrossFire Xpress 3200の構造の推定図である。RD580の場合、2本のPCI Express x16レーンは、内部がPCI Express Switchでつながる形になっており、なのでPCI Express x16レーン同士の通信はこのスイッチのレベルでRoutingされることになり、高速に処理できる。対してRD482は一度PCIe Controllerまで戻されてから改めて送り出される形になり、オーバーヘッドが大きいというのが以前聞いた説明であった。で、XperssRouteを搭載するということだから、RD600も基本的には図2の様な構造となる。

Photo06:今年2月のCrossFire Xpress 3200発表会でのプレゼンテーションより。

図1:

図2:

ただし、RD600ではこれに加えてAutomatic Overclockingの機能も搭載される。これはATIのビデオカードを刺した場合、そのカードのOverclocking Headroomに合わせて自動的にPCI ExpressレーンをOverclockingするという仕組みだ。RD600では接続されたATIのビデオカードがどの程度のOverclockingに耐えられるかに関してLookup Tableを持っており、これを見ながらぎりぎりまでPCI ExpressのClockupを行うという。一般にグラフィックカード単体を見ると、PCI Express(や古くはAGP)の速度を上げても性能には殆ど差がなかった。ところがCrossFireを使う場合、2枚のビデオカードで頻繁に同期を取る関係で、PCI Expressを高速化するとそれなりに効果がある(といっても、「性能が上がる」というよりは「性能が落ちにくい」類だと思うが)。このAutomatic Overclocking、BIOSのLookup Tableを参照する関係で、「将来新しいビデオカードが出た場合は、BIOS Updateで対応する」との事である。本来ならビデオカード側にSpecial Registerを設け、それを参照して設定するほうがスマートなのだろうが、まだそこまでの連携は取れていないようだ。

ところでRD600は、前述のとおり基本的には図2と同じ構成になる。もちろんCPUとのI/Fが異なるから、そのまま流用するのは無理にしても、I/O Controller以下は基本的に同じものであろう。にも関わらず、Intel版が遅れた理由の1つには、Memory I/Fを統合する必要があったからだ、と思われる。おそらく構造としては図3の様になっていると想像されるが、このMemory I/Fの統合には少なからぬダイ面積が必要になる。グラフィックを統合しないだけマシではあるものの、グラフィックチップの様に数百平方mmのダイを載せる、というのはコスト面から不可能なので、おそらくRD600はRD580よりも一世代プロセスを微細化しているのではないかと想像される。

図3:

おそらくはそのプロセス微細化の副産物として、「FSBとメモリI/Fには、非常にゆとりの大きなオーバークロック耐性がある」という特徴が用意されていると考えられる。FSBは公式には1333MHzまでがサポートらしいが、その上まで動作するとしており、1600MHz FSBの世代もどうかすると動作してしまうのかもしれない。またメモリに関しては、DDR2-1066以上までサポートするとしている。もちろんDDR2は800MHzまでだが、現実問題としてCorsairなどがPC2-8500なんてメモリを販売しており、これをサポートするという事だ。面白いのは、DDR2-1066は「JEDEC標準ではないが、サポートする」という反面、NVIDIAとCorsairが共同で策定したEPPに関しては、「BIOSをUpdateすれば対応は容易だが、JEDEC標準ではない現時点ではサポート予定がない」としており、このあたりにNVIDIAへの対抗意識が見て取れる。ちなみにチップセット(おそらくNorthbridgeのみだろう)の消費電力は「7~8Wと非常に低い」としており、これは大きな武器となりそうだ。このあたりの高速動作性と低消費電力も、やはりプロセスの微細化で実現できたと考えるのが妥当だろう。

なおFSB/Memoryに関しては、完全に独立して周波数を設定できるにも関わらず、「Memory AccessのLatencyを非常に低く保つことに成功した」としている。通常、これは矛盾する話である。任意の倍率(例えば1:1とか3:2とか)に固定すると、同期回路の構造はシンプルになり、FIFOなどをそれほどはさむ必要が無い。ところが自由に設定できるとなると、深めのFIFOを用意して同期を取らせないと間に合わない事になるが、これはそのままレイテンシの増加に繋がるからだ。が、「どうやってこれを両立できたのか」という問いに答えは無く、「あと2カ月以内に製品が登場するから、出たら実際に試して欲しい」という謎めいた答えが返って来ただけであった。

一方RD500はというと、基本的な機能はRD600と同じであるが

  • XpressRouteを搭載しない。
  • FSB Overclock性を削減(1066MHzが上限?)。
  • Memory Overclock性を削減(DDR2-677までのサポート)。

のが主な違いとなる。

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インデックス

目次
(1) Intel向けチップセット
(2) 統合グラフィックとサウスブリッジ

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