【レポート】

コードを書く前と後が大切 - Web Designing Live Seminar / Web標準

2 サイトの共通パーツをモジュール化することで制作を効率化

外村奈津子  [2006/06/15]

Web標準準拠の品質を"維持"するためにルールをすべて文書化して納品

制作の過程では、ページ内の共通している部分をモジュール化しつつ制作することで、効率化が図れることが紹介された。これはCMSが、あらかじめコンポーネント化された部品を組み合わせて、ページを生成するのと同じことだという。木達氏は"概念としてのCMS"は、CSSを用いたサイト制作にも応用できるとした。

また、ミツエーリンクスでは、サイト制作において適用されたこれらのルールをすべて文書化して、Web標準準拠ルールセットとして納品するという。「誰かの頭の中にだけ、サイトのルールが存在するのは、サイトだけでなく、そのサイトを持つ組織にとってもまずい状態」と警告する。Web標準準拠ルールセットを文書化するのは、納品後にも、Web標準準拠のサイトが維持されるためだという。木達氏曰く「納品後にWeb標準準拠の状態が保たれないのであれば、プロジェクトとしては失敗」なのだ。

会場との質疑応答 - コストは? 管理は? 制作体制は? Flashは?

木達氏の講演後は、木達氏を含むミツエーリンクススタッフ4名が登場し、会場とのQ&Aセッションが開かれた。司会はWeb Designing馬場編集長が務めた。

ミツエーリンクスのエンジニアが会場からの質問に応えた

会場から特に関心が集まったのは、Web標準準拠案件の作業コストだ。ミツエーリンクスの社内的にもワークフローは研究中。ただ、現状では作業工程は、通常のテーブルレイアウト中心のレガシー実装に比べ、あえて数字にすると、感覚的には1.5倍くらいの工数がかかるという。コスト的にも1.5倍かかるということだった。会場でもコストは高めになると挙手した人が多かった。

また会場からの質問として、Web標準に準拠すべく、CSSレイアウトなどを導入したが、管理の煩雑さにまいっている、どうしたらいいかといった質問が出た。木達氏は「おそらく初期の段階での要件がうまく汲み取れていないか、CSSそのものの作業に不慣れな場合、そのような状況になってしまうのではないか」と応えた。講演でも強調されたように、初期の細やかなコンサルテーションなしに、プロジェクトが成功することはあまりないようだ。

社内体制の問題も話題にあがった。同社はテーブルレイアウトを中心とするレガシー実装を行うチームと、Web標準準拠実装を行うチームが分かれている。Web標準準拠の仕事を進める上での軋轢はなかった。しかし、社内教育の必要性はあり、その方法については課題となっているという。

このほか、FlashサイトをWeb標準的にどう捉えるかという質問もあった。採用するのか? 排除するのか? それはサイト自体のゴールによりけりだという。馬場編集長からも「確かに何がゴールなのか間違いやすい状況にありますよね」とのコメントがあった。Web標準自体をゴールにしてしまうと、Flashはいいのか、悪いのか、という問い方になってしまう。そのような問い方をした時点で、サイトの目的を考慮することを忘れてしまってはいないか、自問自答する必要がありそうだ。

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