【ハウツー】

デジタル一眼レフ時代に知っておきたいレンズマウントの知識

1 レンズマウントとは

    高橋隆雄  [2006/06/14]

    デジタル一眼レフカメラといえば、フィルム一眼レフカメラのユーザだった人がフィルムからデジタルへの乗り換え用途として購入するだけでなく、コンパクトタイプのデジタルカメラからのステップアップユーザも多い。デジタル一眼レフはフィルムと同様に撮影者の「意図」を反映する最適な道具のひとつだ。とりわけレンズ交換式のデジタル一眼レフはフィルム同様の使い勝手とその交換レンズの豊富さから、かなりのヒット商品となっている。そこでデジタルカメラで初めてレンズ交換式に触れる人や、これからユーザとなろうという人に向け知っておいてほしい「レンズマウント」に関する話をしようと思う。

    レンズマウントの役割

    レンズマウントとはその名の通りレンズをマウントするものである。要するにレンズ取り付け部でしょ? と思われるかもしれないが実はこの部分、メーカ毎に特色があり、なおかつ重要な情報伝達部でもある。

    かつて、カメラがまだシンプルであった時代は、レンズマウントは単純なネジ構造や、あるいはバヨネット(いわゆるワンタッチ式のようなもので、差し込んで少し回転させるとロックされるもの。現在のレンズマウントはこれが主流)など、純粋に機械的な取り付け部だった。このためレンズマウントの目的といえば、まさにレンズを交換するだけのためのものであったわけだ。異なる種類のレンズを使うことで描写・表現の幅を広げるというレンズ交換式カメラの最も基本となる部分である。

    ところが現在のデジタルカメラ全般を見るとわかるように、今やカメラが自動で何でもやってくれる。ピントあわせ、露出の決定、絞り値の設定といったレンズ側で行う操作も全て自動だ。つまり、これらの情報を何等かの方法でボディからレンズへと伝達してやらなくてはならない。

    そこで例として実際のマウント部分を見てもらおう。図1はニコン D70のマウント部分である。マウントそのものというのは銀色のリング部分で、これがレンズと噛合うことでカメラ本体にレンズが固定される仕組みだ。このマウント部分の材質も重要で、D70では見ての通り金属が使用されているが、メーカや機種によってはこの部分にエンジニアリング プラスチックを用いるものもある。

    図1

    ニコン D70のマウント部分

    カメラ本体とレンズを機械的に結合するという役割だけならばこのリング部分があればよい。では今のカメラは? ということでD70のマウント部を例示したわけだ。図中で囲んである箇所はそれぞれ以下のような役目を持っている。

    A.レンズ側の絞りがロックされていることを確認するためのスイッチ。最近のニコンのカメラでは絞り値をボディ側から制御するため、レンズの絞り環は最小絞り値に固定しておく必要があり、これを確認するためのスイッチ。

    B.AF駆動用シャフト。ボディ側からレンズのフォーカス環を駆動するためのシャフト。レンズを取り付けると、このシャフトが少し飛び出しレンズ側と結合する。このシャフトが回転することでレンズのフォーカス環が回転する。

    C.絞り制御レバー。ボディ側からレンズの絞りを機械的に制御するためのレバー。機械式の絞り(絞り環のあるもの)を持つレンズは、このレバーで絞りが制御される。

    D.ロックピン。レンズを取り付けた際のロックを行う。

    E.電気接点。ニコンの場合、レンズを機械的に制御するものと電気的に制御するものの2種類があり後者はこの接点で制御される。例えば絞り環がないものや、レンズ側にモーターを内蔵するAFレンズは電気接点がないと制御できない。もうひとつの役目はレンズ側の情報をボディ側に伝えるというもの。ニコンの場合では「CPU内蔵レンズ」と呼ばれるものが多くあり、レンズの制御そのものは機械的に行われるが、絞り値や焦点距離、合焦位置情報など様々な情報は電気的にボディ側に伝えられる。

    ニコンの場合にはこのように機械式のインタフェースと電気式を併用している。この理由は後述するがメーカによっては、もはや電気式インタフェースしか使わないものもありキヤノンのEF(EOS)マウントはそのひとつだ。EOS系のカメラをお持ちなら見ていただくとわかるが電気接点以外には何もついていない。

    コンパクトあるいはレンズ固定式のデジタルカメラからステップアップしたユーザの場合、そもそもなぜレンズを交換する必要があるのかと疑問に思われるかもしれない。レンズを交換することの意義は「表現の幅」を広げることにある。このため多種多様なレンズを使えることがレンズ交換式の意味であり醍醐味である。

    図2

    きわめてシンプルなスクリューマウント式レンズ。写真はペンタックスSマウントと呼ばれるもの。スクリューマウントはもともとドイツ等の規格に追従しているため互換性が高かった。ペンタックスのSマウントはM42マウントと同じ

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