【レポート】

COMPUTEX TAIPEI 2006 - SiSにロードマップを聞く

1 チップセットのロードマップ

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最近すっかり影の薄くなったSiSであるが、ブースには新製品のエンジニアリングサンプルを展示するなど、頑張っている。そのSiSに今後の製品展開を聞いてみた(Photo01)。

Photo01:お相手をしてくださったRay Wang氏(Engineer, Worldwide Sales, MKT&FAE Division, Technical Marketing Dept.)。

チップセット全般

まず全般に関して言うと、SiSも他社製品に追従して製品を進化させてゆく(Photo02)。ただそのスピードは十分早い、とは言いがたい。たとえば2006年にはDDR2、2007年にはDDR3をサポートするが、ハイエンド向けのDDR2-800の高速版(CL4など)やDDR2-1066などはサポートしないという。「我々はメインストリームとバリューに専念しており、ハイエンド品はサポートしない」という方針だった。これはGraphicsも同じ。2007年にはDirectX 10互換のMirage 4を導入するが、これもきわめて限られた性能(2-pipeline:250MHz駆動)となる。「なんでこんな低い性能?」と聞くと「Competitor(つまりVIAの事だ)と同じスペックだ」と言っていた。何もそんな低きを目指さなくても……と思うのだが、そのあたりが会社としての方針らしい。

Photo02:プロセスがちょっと面白い。Half-Processばかりをつないでいくのがちょっと興味深い。これに関してWang氏は「我々はUMCの稼働率を上げないといけない」という返事。たとえば2007年以降だと、90nmプロセスが普及帯、65nmプロセスが先端となるが、80nmプロセスは90nmプロセスで利用できる。本来ならば65nmプロセスを使うことで性能を上げたいのだが、敢えて80nmにすることで90nmプロセスの稼働率を上げる、という話。加えて言えば、先端プロセスは初期コストが馬鹿にならず、このあたりも前世代のHalf-Processを使う理由ではないかと思われる。

Photo03は具体的な製品のロードマップである。以前はIntelとAMDで分かれていたのだが、だいぶ製品が整理されたらしく、Vista PremiumとVista Basicで2分される構造になっている。とりあえず直近で予定しているのが671/771シリーズの製品で、Mirage 3 Grapicsを統合した(SiS671DXのみDiscrete)製品である。ただ以前Intel向けの6xxシリーズは、チップセット側にメモリコントローラが必要で、Mirage 3を統合するとダイサイズが大きくなりすぎるという理由でMirage 1が統合される予定だった。これをMirage 3に変更した理由を聞くと、以前は0.18μmプロセスだったものを0.11μmプロセスにすると共に、レイアウトを再設計してシュリンクしたので小型化が可能になった、という返事が返ってきた。ちなみにSiS771/772はAthlon 64 FXをサポートするが、SiS671DX / SiS665は1066MHz FSBまでのサポートで、このままだとKenzfield世代の1333MHz FSBに対応しない。これに関しては「AMDは同じInterfaceで利用できるからFXをサポートするのが可能だが、IntelはInterfaceが異なる。我々はメインストリーム以下をターゲットとするから、1066MHzどまりでいい」という返事が。その意味ではFXに関してはおまけ、という感じだ。これは先にAnalyst MeetingでAMDが公開したAthlon 64 FXの4×4に関しても同じで「あれはチップセット側のインタフェースは変わらないから、問題ない」という返事が返ってきた。

Photo03:ちなみにMirageはあくまでIntegrated Graphicsのみで、Descreteは狙わないと明言していた。

Mobile向けチップセットに関してもほぼ同じで、デスクトップ向けのものをそのままMobileに持ってきている状態である(Photo04)。ただIntelに続きAMDもPlatform戦略をとっている現状ではSiSのマーケットは非常に少ないように感じるのだが、実際苦しいとの返事だった。

Photo04:特に新機能が追加されたわけではない、との事。

ところでSiSはチップセット間の接続に独自のMuTILOと呼ばれるリンクを使っているが、現状は1GHzのMuTILO 1Gである。これに続き、SiS968以降は新しくMuTILO 2Gが導入されるというのが昨年までのロードマップである。が、今年のロードマップからはこれが綺麗に抜け落ちた(Photo05)。この理由を聞くと「MuTILO 1Gは実質的に2GB/secの帯域がある。我々は必要とする帯域を試算した結果、これで十分と判断した」という返事が返ってきた。

Photo05:SiS968はSATA2だが、NCQ / 3Gbps / AHCIのサポートどまり。Full FunctionのものはSiS969以降になりそうだ。

こうしたメインストリーム/バリュー向けがはっきり判る製品展開にもかかわらず、SiSはAMDのサーバ/ワークステーション向けにも参入する(Photo06)。理由はというと、一つは「Competitorもこのマーケットに参入してるから」だそうだが、加えて今のDesktop / Mobile向けだけではマーケットが不足しており、新たな領域が必要だからだそうだ。そこでAMDのみを選ぶ理由は、Intel向けはDesktopと互換性がない上、競争が激しいから「AMD向けは、基本的にはInterfaceが変わらないし、これから大きくなるマーケットだけに参入余地が残されているから」という返事だった。

Photo06:ちなみに違いは? というとValidationのみ。SiS761SXとはSi761GXにOpteronでのValidationを施した製品、ということだそうだ。

ブースにはSiS671 / SiS771GX / SiS771SXを搭載したボードも展示されていた(Photo07~09)。

Photo07:SiS671DX+SiS968。メモリが1chなのがメインストリーム向けという感じ。

Photo08:SiS771+SiS966。ノースブリッジの下にはLVDSと思しきインタフェースのパターンが見える。

Photo09:こちらはSiS756を使ったサーバー例。搭載するのはSocket Fだ。

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インデックス

目次
(1) チップセットのロードマップ
(2) SiSは向きを変える?

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