宇宙ロボットの作り方 - ROBO-ONEテクニカルカンファレンス (2) "現役"宇宙ロボットに使われている技術

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【レポート】

宇宙ロボットの作り方 - ROBO-ONEテクニカルカンファレンス

2 "現役"宇宙ロボットに使われている技術

大塚実  [2006/06/05]
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宇宙分野では、古くからロボット技術が活用されている。ロボットアームは最も分かりやすい例だし、そのほかにも月・惑星ローバー、そして探査機「はやぶさ」も高度な自律機能で十分ロボットと呼べるものだ。今後はさらに、大型衛星の軌道上での組立や、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去などにも応用が期待されているという。続いて登壇した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の西田信一郎・総合技術研究本部 主幹研究員は、宇宙用ロボット技術について解説した。

JAXAの西田信一郎・総合技術研究本部 主幹研究員

宇宙と地上のロボットの相違点

中須賀教授が少し触れたが、宇宙環境について、西田氏からはより細かい説明があった。まずは高真空環境について。真空中では、潤滑用のグリスが揮発してしまうことが良く知られているが、これについては、半導体の製造などで真空環境が必要な工場なども増えてきたことから、良い真空用のグリスが増えてきたという。そのほかオイルを密閉する方法もあるが、これはシール部分の信頼性を保つのが大変で、そう簡単には作れないそうだ。

また真空環境では対流による熱伝導がないので、熱対策も必要になる。日向では灼熱で、日陰では極寒。その温度差は数百℃にもなるので、熱膨張もバカにならない。ちなみに「ETS-VII(おりひめ・ひこぼし)」のロボットアームには、その対策として断熱材が巻かれていたりした。

環境の比較。難易度は"1"が一番高く、"4"が一番低い。低軌道上の放射線は、「月や火星に比べると楽」(西田氏)

ロボットに宇宙服を着せてしまえば問題解決? しかしその場合、宇宙服の開発の方が大変、とのこと

通信の伝送遅れにも留意する必要があるかもしれない。地上局と直接通信するのであればそれほど問題にならないだろうが、静止軌道上のデータリレー衛星経由の場合だと、例えば先ほどのETS-VIIでは往復約6秒程度の遅れが出る。そんなにタイムラグがあっては遠隔操作も難しいので、JAXAではCGによる画面を表示し、それを見て指令を与えるシステムを構築したそうだ。地上局との直接交信では可視時間が極めて限られる(1回10分程度)ため、タイムラグの問題さえ解決できれば、データリレー衛星経由の通信も検討できるだろう。

運用形態別の伝送遅れ。こういった問題も考慮する必要がある

JAXAのシステム。シミュレーションによるCGを中央に表示する

そのほか、問題になりそうなのがデブリである。ROBO-ONEは格闘技である以上、打撃によってパーツが壊れたり外れたりする可能性がある。実際、第9回大会でも某ロボットの頭がよく取れていたが、軌道上でこうなるとそれが新しいデブリとなってしまう。他の衛星に被害をもたらす可能性があるほか、場合によっては自分のところに戻ってきて衝突する恐れもあるという。破片が飛ばないような、何らかの工夫が必要になるだろう。

周回軌道上で物体を放出した軌跡。前に放出した物体が後ろへ、逆に後ろに出したものが前方へと飛んでいく。上下方向だと、ぐるっと回って戻ってくることが分かる

JAXAではデブリ回収・除去システムも研究中。導電性テザーという長い針金のようなものを付けるだけで、磁場との相互作用でブレーキがかかり、落下するという

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目次
(1) 宇宙は必ずしも"難しい"わけではない
(2) "現役"宇宙ロボットに使われている技術

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