【レポート】

手芸・工作などハンドクラフトの祭典「第30回日本ホビーショー」開催

    野口智弘  [2006/05/19]

    5月11日より13日まで、東京ビッグサイトにおいて日本最大のクラフトイベントとされる「第30回日本ホビーショー」が行われた。

    「第30回日本ホビーショー」の会場風景から。取材日は平日ながらご覧の賑わい。主婦層が中心だが男性客も多く見受けられた

    社団法人日本ホビー協会が主催する「日本ホビーショー」は、手芸・絵画・インテリア・園芸・工作など、幅広い範囲に渡ってハンドクラフトの楽しみが体験できる総合イベント。企業ゾーン・クリエイターゾーン・手づくりマーケットゾーンと3つの展示区画に分かれており、新商品の展示や即売、来場者同士の交流イベントや作品展示などが行われた。今回の日本ホビーショーは30回目となり、また日本ホビー協会自体も今年で創立30周年を迎える節目のイベントとなった。昨年よりも展示スペースを大幅に拡大し、出展数は昨年の320社から約450社まで増加。また来場者数は3日間で110,596人を動員し、過去最高の来場者数となった。

    「第16回ホビー大賞」のグランプリを受賞したNPO日本渚の美術協会の作品を展示。海浜清掃時に拾った素材を集めて海から生まれた「シーボーンアート」として作り上げたもの

    ホビーとしてのハンドクラフトは女性を中心に親しまれているものが比較的多くを占めているが、2007年には団塊の世代が退職を迎えることから今後は男性層が増えると予想されている。また近年、環境と健康に配慮したいわゆる「ロハス(ローハス)」と呼ばれるライフスタイルが広まっていることもあり、ハンドクラフト業界ではこうした市場規模の拡大に合わせた新ジャンルの開拓や、旧ジャンルの見直しなども進められている。そうした背景を抱えた今回の「第30回日本ホビーショー」は、実際に会場には男性の目から見ても楽しめる商品やイベントも多く、実益を兼ねた日曜大工的なものから童心に帰って楽しめる図画工作的なものまで、様々なハンドクラフトの実演や体験が行われていた。とくにホームセンターや文房具店といった場所が好きな人にとってはたまらないイベントと言えるだろう。以下、一部ではあるが会場で目についた新商品や印象的な物事を紹介してみたい。

    「ニットの貴公子」として知られるニットデザイナー、広瀬光治氏のトークショーも行われ、多くの女性客の関心を集めていた

    過去にもNHKBSなどで放送された「ボブ・ロス画法」の実演風景。ごく短時間で油絵を仕上げる様子に、多くの人が立ち止まっていた

    大きな展示スペースを取って蛇の目ミシン工業がアピールしていたのは本体に液晶モニタを搭載する高級コンピュータミシン。2006年1月にリリースした最新機種「セシオ11000」は全自動で通常縫いや刺繍が仕上げられるだけでなく、PCとのリンクも計られており、専用ソフトで編集したデータを取り込んで使用できる。価格は448,350円と趣味で使うにはハードルが高い価格だが、専門業者に依頼する必要があったようなものまで家庭で実現してしまえるメリットは大きい。極端に言えばデザインするだけで刺繍ができてしまうわけで、従来の家庭用ミシンの概念を変えるものだと言える。

    刺繍を実演中の蛇の目ミシン工業「セシオ11000」。液晶モニタのついたミシンというのは知らずに見るとかなり驚き。作業状況の「針数」が高速でカウントされていた

    「セシオ11000」に対応した刺繍デザインソフトの画面から。単色ではあるが、このように写真も取り込んで刺繍にすることも可能

    前述のものの拡大画像。縫い目の密度を調整することでグラデーションを作り、写真の細かい陰影を再現している

    このように「セシオ11000」の本体にUSBメモリを差すことにより、パソコンで編集した刺繍用の画像データを本体に取り込むことが可能

    アイボン産業の樹脂粘土「すけるくん」は、普通の粘土と同じように手で細工することができるが、固まると半透明になるという商品。柔軟性もあるため曲げても折れたりせず、様々な用途に活用することができる。今回のホビーショーで発表された「第6回ホビー産業大賞」では「経済産業省製造産業局長賞」を受賞している。

    アイボン産業の樹脂粘土「すけるくん」。一見すると通常の手芸用粘土と同じように見えるが、薄く加工すると半透明になる

    「すけるくん」は専用のコート液を塗ることでさらに透明度を増すこともできる。手芸用の絵具を使って着色も可能

    手芸用品の老舗メーカー河口のブースで紹介されていた「プリントファミリー」は、インクジェットプリンタで印刷できる綿100%の布製ラベル。アイロン接着タイプや貼付けタイプがあるだけでなく、キルト用の姉妹品も出品されていた。紙と同じ感覚で布に画像を印刷することができ、とくにアイロン接着タイプは洗濯しても色落ちしにくいというもの。

    通常のプリンタで布に印刷できる「プリントファミリー」の使用例。このように台紙に布が貼ってあるため、紙と同じ感覚で鮮明な画像が印刷できる

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