【レポート】
自律ロボットによるサッカー競技会、ロボカップの日本大会(ジャパンオープン)が4日から6日まで、福岡県・北九州市の西日本総合展示場にて開催された。ロボカップは、2050年までに、人間のワールドカップ優勝チームに勝つことを目標としている国際プロジェクト。1997年に最初の世界大会が開催されており、今年6月に開催されるドイツ大会はちょうど10回目となる。
ロボカップサッカーは、「小型」「中型」「四足」「ヒューマノイド」「シミュレーション」という5つのリーグで構成される。各リーグで並行して試合が進められるため、全てのゲームを見ることができないのがいつも悩みの種なのだが、今年は小型・中型・ヒューマノイドに注目してみた。簡単に各リーグの特徴を説明しつつ、面白かった試合などを紹介していこう。
ロボカップサッカーの特徴としてあげられるのが、全リーグにおいて、完全に自律制御が採用されていることだ。ロボットの競技としては格闘技のROBO-ONEも有名だが、人間が操作できるROBO-ONEとは違い、ロボカップでは戦略のアルゴリズム、つまり"頭脳"もプログラミングして、実装してやる必要がある(このため、同じパターンで繰り返しやられてしまい、得点差が実力以上についてしまうこともある)。小型リーグではプログラムを動かすためのPCを用意し、天井のカメラからの映像をもとに、状況を判断して各マシンに指示を出している。
現在、最もスピーディな試合を楽しめるのがこのリーグだろう。直径18cm、高さ15cm以内とマシンは小さいものの、ハードウェアは年々進歩しており、全方向に素早く動き回るのは当たり前。シュートもかなり早くなっており、目で追いかけるのも結構大変だ。天井カメラのフレームレートが追いつかなくなり、業務用の60fpsのカメラを使っているチームもあるほど。またゲーム内容も、パスからのダイレクトシュートがあったり、連携プレーを見ることができるのもこのリーグならではだ。
今大会には6チームが参加(なぜか愛知県のチームが多いのもこのリーグの特徴で、今回は6チーム中の4チーム)。試合のルールは昨年とほぼ同様で、3チームずつの予選リーグで試合が進められたのだが、その中で圧倒的な力で勝ち進んだのが、RoboDragons(愛知県立大学)とToin Albatross(桐蔭横浜大学)。両チームとも無失点での予選突破で、決勝戦はこの2チームの争いとなった。
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左(黄)がRoboDragons、右(青)がToin Albatross。フォーメーション(と言っていいのかどうか分からないが)は、それぞれ3-1-1、2-2-1 |
スローインのときに、ブロックしてコースを塞ぐのはもはや当たり前。ちなみにRoboDragonsは、昨年の世界大会で4位に入っている |
結果は、初の失点はあったものの、7-1でRoboDragonsが勝利した。このチームの特徴は、連携プレーの完成度の高さにある。小型リーグでは、パスからシュートする"1-2"プレーはこれまでもあったが、RoboDragonsではさらに1回パスを増やした"1-2-3"が可能。決勝戦では残念ながら失敗したが、試した場面も見られた。ちなみにこの"1-2-3"、シュートコースが相手にブロックされている場面で選択されるそうで、予選ではそういった状況にならなかったので、ほとんど使うことがなかったそうだ。
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RoboDragonsのマシン(カバーは外している)。5段重ねの基板の中央に、CPUとしてSH-2を搭載している。それでも処理は限界に近く、今後はSH-4にすることも検討中とか |
キック機構の上に、近距離センサーが3セット搭載されている。これで、ボールが来たらすぐに蹴り返している。天井のカメラでは、この処理は間に合わないそうだ |
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3位に入ったKIKS(豊田工業高等専門学校)は、最大80Aも流せるという特殊なモータードライバICを搭載していた。市販のICに比べ力があるので、止まりたいときにすぐ止まることができるということで、試合でもきびきびした動きを見せていた。
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表面実装パッケージを手作業で取り付けたという。1台に4つ付くので、合計24セット作ったという大変気の毒な話 |
このチームは、キーパーだけスペシャル仕様。"メカナムホイール"という機構で、横方向に早く動けるようになっている |
前述のように、小型リーグでは天井に取り付けられたカメラからの情報をもとに、ボールやプレイヤーの位置を判断しているが、ロボット本体にも別途カメラを搭載していたのがDNTC(デンソー工業技術短期大学校)。マシンにはSH-2を3つ搭載しており、画像処理にそのうちの1つを当てているという。ボールをキャッチするときと、上からの映像でボールを見失ったときに、ローカルカメラを使っているそうだ。
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