【レポート】

JavaOne 2006 - Jonathan Schwartz CEO基調講演で「Java EE 5/SE 6」の最新デモなど公開

 

世界最大のJava開発者の祭典「2006 JavaOne Conference」が5月16日(米国時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコ市内にあるMoscone Centerでスタートした。開催11周年を迎える同カンファレンスだが、既報のとおり主催者である米Sun Microsystemsにとっては1つの大きな節目となる。これまで長年にわたって同社を率いてきた創業者のScott McNealy氏に代わり、COO(最高執行責任者)を務めていたJonathan Schwartz氏が今年4月24日(現地時間)にCEOに就任した。今回はSchwartz氏率いる新体制後初のJavaOneというだけでなく、同氏がCEO就任後に公の場に顔を出す初の場面でもある。

IT時代を切り拓いてきたシリコンバレー企業の創業者が老齢化していくなかで、若干40歳という若さで老舗のトップとなった同氏だが、CEO就任以前の数年間でいくつもの大型買収案件にかかわるなど、すでにSunの中核として実績を積み重ねてきた。1996年にSunがLighthouse Designを買収したことをきっかけに経営に参画するようになったSchwartz氏は、ソフトウェア部門の長としてオープンソース戦略や新しいライセンス形態を提案した後、COOとして米StorageTekや米SeeBeyondの買収など、同社のポートフォリオを大幅に拡充する数々の重要案件をこなしてきた。元CEOのMcNealy氏はSchwartz氏を指して「CEO就任前から実質的なトップとして職務をこなしてきた」と評している。創業時は20~30代の若手だったシリコンバレー企業のトップたちも、いまでは50代前後とリタイヤ目前の年齢にまで迫っており、後継者探しが急務となっている。一足先に世代交代を果たした新生Sunが目指すのはどのような世界なのだろうか。

米Sun Microsystems CEOのJonathan Schwartz氏。CEOとして公の場に登場するのは、今回のJavaOneが初となる。同氏が手にしているのは、60日間無料で提供されるSun Fireサーバ。お試し期間を利用して導入を検討できる

「Java EE 5」の提供開始

JavaOneのオープニングを飾るSchwartz氏の基調講演では、昨年2005年より機能の概要が公開されている「J2EE」改め「Java EE 5」の提供が正式にアナウンスされた。壇上で説明を行った米Sun MicrosystemsのJavaエンタープライズプラットフォーム&開発製品部門シニアバイスプレジデントのJeff Jackson氏によれば、Java EE 5の特徴は主に「Ease of Development(EoD)」「Web 2.0サポート」「.NET環境との相互運用性」「シンプル化されたSOA」の4つに絞れるという。壇上では、これらEoDの実現や.NET環境との相互認証、Web 2.0/SOA等への親和性を示すデモの数々が披露された。

EoDの実現とWeb 2.0への親和性を示すデモ。新IDEのNetBeans 5.5とJava Studio Creator 2が紹介され、Blogシステムの構築のほか、Google MapsなどのAjaxベースのプログラミングがドラッグ&ドロップ形式で簡単にできることが示された

.NETとJava環境の相互認証もAPIレベルでサポートされる。バックエンドで双方のプラットフォームのSTS(Security Token Service)同士が認証情報を共有し、一種のシングルサインオン(SSO)環境を実現する

複雑なインスタンスを階層表示させたり、モジュール同士の相関関係をクラウド状に表示させるなど、複雑なSOA環境での開発をシンプル化するための仕組みを提供する

また、現行のJava SE 5の後継となる「Java SE 6(開発コード名:Mustang)」のプレビューデモも紹介されている。Java SE 6で提供される新しいSwingでは、Web 2.0的なインターフェイス機構が用意されている。写真共有サービスのFlickrのフォトアルバムを呼び出して、アプレット上で3D表示のスライドショウを行ったり、Google Mapsをアプレット上で呼び出したりなど、ビジュアル的によりリッチなインターフェイスが実現できるようになっている。

アプレット上で簡単に3Dベースのグラフィック表示が実現できる

より高度な応用例として、Google Mapとスライドショウを組み合わせて、旅の軌跡を映画「インディジョーンズ」の移動シーンのような形で再現することも可能

オープンソースとユーザーコミュニティ

Schwartz氏が講演の中でよく使うキーワードに「オープンソース」「フリー」「ユーザーコミュニティ」などがある。技術をオープンにすることで市場が広がり、技術を独占するよりも、よりビジネスチャンスが拡大するという考えだ。そして、それを支えるのがオープンソースなどにおけるユーザーコミュニティである。企業が技術に多額の投資を行い、それをオープンソース化してユーザーコミュニティに貢献した例としては、IBMのEclipseプロジェクトが有名だ。Sunもまた、3DインターフェイスのLooking GlassやアプリケーションサーバのGlassFish、IDEのNetBeansなどをオープンソース化しており、コミュニティに対して多大な貢献を行っている企業の1つである。

基調講演の会場には、南アフリカ出身の企業家でオープンソースコミュニティで活動を続けるCanonicalのMark Shuttleworth氏や、先日米Red Hatによる買収が発表されたアプリケーションサーバ開発の米JBossのCEOであるMarc Fleury氏が登場し、Sunとのパートナーシップを表明した。また壇上には、米Motorola会長兼CEOのEd Zander氏が登場し、同社薄型携帯RAZRの世界的ヒットにみられるように、Java対応携帯の販売拡大が、Javaの世界を従来の枠を超えて拡大させることに貢献している点を強調する。Zander氏によれば、Motorolaの携帯電話は過去1年間で2億台以上が販売されており、「PC市場を上回る勢いで広がっている状態」(Schwartz氏)だ。

新生Sunが目指すのは、このようにビジネスチャンスを拡大する可能性を秘めたパートナーとの協業と、技術革新を支えるユーザーコミュニティとの協調関係にある。Schwartz氏は昨年のJavaOne 2005で、十周年の節目を迎えたJavaの世界の今後を「Participation Age(参加の時代)」と表現しているが、一方的に1つのメーカーが技術を提供していくのではなく、皆で標準を構築し、ビジネスチャンスを拡大していく。「オープン化はビジネスチャンスを拡大する」の考えを基に、ネットワークインフラ企業としてさまざまなビジネスチャンスを模索していくのがSchwartz氏の考えだ。

CanonicalのMark Shuttleworth氏。Ubuntuの創設者であり出資者

JBoss CEOのMarc Fleury氏は、赤いベレー帽を被っての登場。同社を買収した「Red Hat」と「赤帽」をもじったものだ。JBossでのNetBeansサポートを表明しており、Schwartz氏からは「I love NetBeans.」のTシャツを贈呈された

Motorola会長兼CEOのEd Zander氏。同氏はSun出身者で、10年前ほど前には開催初期のJavaOneにも参加していた。「当時は300人程度だった聴衆が、いまでは1万8000人以上にまで増えている」と、Zander氏は巨大化したJavaOneに驚きを隠さない



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