【レポート】
FreeBSD developer summitやBSDCon 2006 Canadaは、昼間のサミットやカンファレンスがすべてではない。朝から真夜中まで、プログラムに掲載されていない各種イベントが、FreeBSDデベロッパたちにとって実は重要だったりする。
すべてをお伝えすることはできないが、FreeBSDデベロッパの一日を通じて、実際にFreeBSDデベロッパがFreeBSD developer summitやBSDCan 2006でどのような活動をしているかまとめる。実際のカンファレンスがどのような雰囲気であるか汲みとっていただければとおもう。
デベロッパの朝はとても早い。さっそくカフェに集まって歓談である。こちらの朝食はパン、フライドポテト、目玉焼き、ベーコン、ソーセージそれにコーヒーといったスタイルである。プレートに全部のった状態ででてくる。朝からヘビーな食事をとっているデベロッパもいる。腹が減っては戦はできないということか?
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朝食をとりに集まっていたデベロッパたちで記念に1ショット。中央は佐藤広生氏。同氏は*BSDに精通しており日米ともに知名度も高い。FreeBSDにおける高品質なリリースノートは同氏の尽力によって実現されており、FreeBSDにとって欠かせない存在 |
各々席につき、パンをかじりながら興味ある話題について歓談する。もちろん、朝食をとる店が決っているわけではない。それぞれの店でなんとなく約束してなんとなく集合してなんとなく歓談がはじまる。泊まる場所が似ているので、朝食をとる場所も似てくるわけである。
サミットやカンファレンスのプログラムには、随所に休憩時間が用意されている。デベロッパは休憩時間であっても休まない。会場のいたるところにコーヒーサーバが用意されており、コーヒーを片手に歓談である。
歓談中に思いがけないデベロッパと出会って開発の話が進むこともある。なかには開発しているデベロッパもいる。ブレイク中であっても情報交換をおこたらないという状況だ。場所も選ばない。必要があればその場でそくさま歓談開始である。
当然のように、デベロッパはノートPCを持ち込んで作業している。会場はワイヤレスネットワークが用意されており、どこからでもインターネットに接続できるようになっている。あたりを見渡すと、4人から5人にひとりはPowerBookやMacBookを使っていることも特徴的だ。Mac OS XはユーザランドレイヤにFreeBSDの成果物が採用されておりFreeBSDデベロッパには評判がいい。
ここで問題になるのが電源だ。電源は数に限りがある。延長ケーブルとタップが提供されることもあるが、ないときには電源確保は難しい問題になる。ノートPCが内蔵電源で動作できる時間には限りがあるわけで、セッションが進むにつれて蓄電量があやしくなったデベロッパは、徐々に壁際の電源プラグに集まっていく。
こういった場合に重宝するのが延長ケーブルとタップだ。ただし、ソースは共有するものだ。持っていった延長ケーブルとタップを使っていると、気がつくと回りのデベロッパのプラグが全部差し込まれていたりする。
カンファレンスやサミットも昼になると腹が減ってくる。腹が減っては戦はできないのである。デベロッパたちはおもいおもいにランチをとりに散っていく。ただ、朝食と違いランチとディナーに関しては店が紹介されており、その店に移動するデベロッパも多い。食事をとり、ビールを飲みながらここでも歓談開始だ。
もちろん話題にあがってくるのは*BSDに関するものだ。食事をとりつつ、やはり考えるのは*BSDのことである。FreeBSD developer summitが開催されてからであるためFreeBSDの開発者が多いが、NetBSDやOpenBSDの開発者も多い。
BSDCan 2006 1日目の最後は、会場に分散してBoFである。こちらのBoFは日本で名前だけつけられるBoFと異なり、実際にその話題に興味をもっている人たちが集まって井戸端会議的な話し合いをおこなう。話を聞いて教えてもらおうという態度ではなく、みずから会議に参加していくスタイルだ。
日本では宴会がはじまったり、フォーマルではない場でこのようなBoFが実現されるが、酒が入っていなくとも自然とBoFが始まるあたりは、風土や文化の違いなのかもしれない。
BSDCanが終わったあとはアイリッシュパブで歓談となる。このあたりの呼吸は日本とかわらない。飲みながら親睦を深めるわけだ。
食事全般に渡ってそうだが、やはりポテトは欠かせない。スタウトビールをのみながらフライドポテトを突いてここでも*BSDの議論である。
普通は飲み出したらそこでおしまいだが、パブではFreeBSDデベロッパの一日は終わらない。やることはまだまだ残っている。パブで一服したデベロッパは、おもむろにワイヤレスLANが提供されている部屋に集結。あぐらをかきながらミッドナイトハックの始まりである。
あまり上品ではないジョークが飛び交い、おもしろい動画を見てはゲラゲラ笑い声をあげている。まるで学生の合宿だ。ここにいるのがFreeBSD開発におけるヘッドランナーたちかとおもうと不思議な感じがする。
ふざけていてもやはり実力者ぞろいである。問題を発見しては議論やハックをしている。そして疲れたデベロッパは徐々に自分の部屋やホテルに引き上げていく。こうしてFreeBSDデベロッパの長い一日が終る。
疲れて眠りにつくわけだが、デベロッパの朝は早い。ぐっすり寝て起きたらまたカフェで歓談だ。
もちろんこれがすべてのデベロッパの一日ではないが。典型的なスタイルではある。FreeBSDデベロッパにとってはカンファレンスやサミットだけがすべてではなく、こうした交流や作業も含めてのBSDCan 2006なのである。
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