【レポート】

E3 2006 - 「ビデオゲームに対するイメージを変えたい」宮本茂氏が語るWii

    Yoichi Yamashita  [2006/05/15]

    宮本茂氏(右)とソラの桜井政博氏(左)

    8日のプレスブリーフィングで新コントローラを使った遊び方が披露された任天堂の「Wii」。同社はE3会場でもプレス向けの説明会を開催、宮本茂氏がWii開発に込めた思いを語った。

    Wii開発の目標は2つ。これまでゲームを楽しんでくれた人たちに、また新鮮に遊んでもらうこと。そしてゲームが難しいと思って遊ばなくなった人たちを呼び戻すことだ。ゲーム人口の増加が大きな目的であり、宮本氏は「ゲーム業界の競争とか、ゲーム会社同士の競争とか、そういうことではなくて、エンターテインメントや、世の中のいろんな商品と競争して、任天堂がもっと売れれば、ゲーム業界が大きくなる。今までのゲームを進化させるのではなく、全く新しい商品を作ろうと考えています」と述べる。

    たとえばマリオの操作が難しくなったことで、画面を見て「ここに行きたい」と思っても、うまくマリオを動かせない人も出てきた。そんな時に「もっと直接的に働きかけられるマリオを作りたい」と同氏。また、ゲームをしている人を横から見ていて、自分もやってみたいと思えるゲームにしたいという。ゲームに対するステレオタイプのイメージというと、「暗い部屋でテレビの前に座る子供の顔に青白い光」。そのようなネガティブなイメージではなく、遊びとして興味を持ってもらえることに力を入れる。

    さて、話題のWiiのコントローラについては、通常のコントローラを長年使ってきた人は、手が離れるスタイルにとまどい、慣れるのに時間がかかるという。Wiiコントローラは左右持ちかえられるので、左利きの宮本氏は左手にWiiリモコンを持ってみたが、長年の慣れでリンクが上手く動かなかったそうだ。逆に、初めての人はスンナリと入っていける。だから「プレイコントロールをリセットしてもらうから、世界中のみんなが一度同じレベルになる」。コントローラは、ボタンが少なく、初めての人でも怖がらずに触れられるデザインしたかったという。そのため、ボタンの大きさや数、位置などの決定に時間をかけた。

    Q&Aでは、任天堂のこれまでのゲームのWiiコントローラ対応について質問があった。ポインターで直接キャラクターにさわれるので、バーチャルコンソールで提供されるゲームも操作方法を変えるだけで、また違った面白さが加わるとその可能性を認めた。ただ、今は新しくやりたいことだけでもあり過ぎて、どれから手をつけるか悩んでいるような状態だという。

    余談になるが、この説明会で宮本氏は開発中の「Super Mario Galaxy」について、1つ新情報を明らかにした。マリオを操作して遊んでいる人の、横に座っている人がWiiコントローラのポインティング機能を使ってマリオを助けたり、邪魔したりということを考えているという。シングルプレーヤーゲームでも2人で楽しめるようになるかもしれない。

    PLAYSTATION 3やXbox 360がHD対応であるのに対して、WiiはHDをサポートしていない。その点について宮本氏は、任天堂のパートナー企業を考えると、HD化は難しくないという。だが、ゲームはグラフィックスだけではなく、音、インタフェース、ネットワークなどとのバランスである。さらに家の中でどのように使われるかというのも大事だ。5年後は任天堂もHD対応になるだろうが、ゲームとしてのバランスや、今世界中でもっとも普及しているテレビを考えると、HDのタイミングではないという。

    480pが任天堂の標準だが、ローンチタイトルとなる「The Legend of Zelda: Twilight Princess」はワイドスクリーン対応である。ゼルダはワイドの方が遊びが面白くなるそうだ。WiiはGAMECUBEよりもグラフィックス性能が高くなるため、ワイドも難なくこなせる。そのため、より多くのゲームがワイドに対応すると同氏は予想する。

    説明会では、Wiiタイトルとして「SuperSmash Bros. Brawl」(日本名「大乱闘スマッシュブラザーズX」)が発表された。制作は桜井政博氏。しかも、会社の壁を越えて、「メタルギアソリッド」(コナミ)のスネークもスマッシュブラザーズに参戦する。発売は2007年の予定。

    前日のプレスブリーフィングでは隠されていた「SuperSmash Bros. Brawl」

    ゲームの壁だけではなく、会社の壁も超えたキャラクターが登場する

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