【レポート】

中国における中小ネットゲーム企業の「憂鬱」

2 ネットゲームビジネスを左右するネットカフェ

    西山楓  [2006/04/28]

    新聞出版署が発表した「2005年中国ネットゲーム産業年度レポート」は、ネットゲーム企業の研究開発利潤率を5%としているが、下方修正すべきだとの意見も広く出ている。ある業界筋など、ネットゲームの研究開発を行っている会社の八割が赤字になっているというくらいだ。その一方で、ネットゲーム研究開発に最低必要とされる資金と人材条件のハードルはますます高くなってきている。小さな会社なら、三、四人のプログラマーを雇うだけで資金繰りが苦しくなってしまうほどなのだ。

    中小企業にとっては、もう一つの難関がある。それはゲームビジネスの成否を大きく左右する製品販売ルート開拓の問題だ。中国全土には40万余のネットカフェがあるが、それらのほとんどは大手のゲーム運営キャリアにコントロールされており、中小ゲーム企業が進出しようとしても実際には非常に難しいといわれている。というのも、そうしたネットカフェにおいてはアプリケーションやプラットホーム、ネットワーク環境のメンテナンスや更新をネットゲーム販売ルート開拓業者が引き受けているが、これらの販売ルート開拓業者が大手運営キャリアの配下にあるからだ。さらに追い討ちをかけるように、一部の販売ルート開拓業者、運営キャリアは数多くのネットカフェと排他的契約を結んでおり、これが中小ネットゲーム企業の進出を一層難しくしている。こうなれば、中小企業にとって死活問題となる販売ルートがほぼ完全に大手の統制下で独占されているわけで、事実上なすすべがないというのが実情なのだという。

    さきごろ中国政府は、ネットゲーム市場における混乱状態を改善するため、ネットゲーム運営への参入ハードルを大幅に高くした。昨年文化部と信息産業部が共同で「ネットゲームの発展及びその管理に関する若干の意見」を発表し、登記資本金の下限を100万元から1,000万元へと繰り上げ、ネットゲーム市場を「群雄割拠」の状況から、より秩序あるものへ変えるべく、一連の措置を講じた。

    中国社会科学院「2006年度中国文化産業発展レポート」の予測では、2006年の中国ネットゲーム市場規模は83.4億元に達するとしている。しかし、2005年のネットゲーム市場では利益を稼ぎ出せた製品が全体の僅か5%にとどまっており、市場も依然として金山、網易、盛大など少数の大手企業に独占されている。

    今後もっともありそうなシナリオとしては、ネットゲーム市場における競争が激化するにつれ、経営資源に乏しい多くの中小ネットゲーム企業が市場から締め出され、「優勝劣敗」原理のなかで、ネットゲーム産業における二極分化と寡占化がいよいよ進んでいくという事態だ。中小ネットゲーム企業にとって、本当に厳しい時代は、むしろこれからなのかも知れない。

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