【レポート】

RSA Conference Japan 2006 - マイ・ボットネット構築大作戦

1 活動が見えにくいボットネット、P2P型に移行する可能性も

    小山安博  [2006/04/27]

    都内で開催中のセキュリティ関連の展示会「RSA Conference Japan 2006」で、JPCERT コーディネーションセンターの早期警戒グループ情報セキュリティアナリスト中谷昌幸氏とTelecom-ISAC Japanの小山覚氏が講演に立ち、ボットの脅威について語った。

    JPCERT/CCの中谷昌幸氏

    Telecom-ISAC Japanの小山覚氏

    ボットで「脅威が変化している」

    ボットは、脆弱性を放置するなどしたPCやサーバにプログラムを仕込み、遠隔からそのマシンに指令を出してスパム送信やDoS攻撃などのさまざまな攻撃を行うもの。ボットが仕込まれたマシンは「ゾンビ」などとも呼ばれ、ゾンビで構築されたネットワークを「ボットネット」「ゾンビクラスター」などと呼ぶ。

    ボットに指令を出すマシンは「Herder」(牧夫)と呼ばれており、Herderからの指令はIRCサーバを経由して送信される。現在は主にこのIRCを使うボットが主流だが、中谷氏は将来的にはP2Pネットワークを使い、中央のIRCサーバを経由しないで指令を出すボットネットが登場する可能性を指摘する。実際、著名なボットプログラムの「Agobot」には、P2P機能が用意されており、「現在はこれを利用したボットネットは確認できていない」(中谷氏)ものの、IRCサーバを使う方法が対策された場合には、P2P型に移行することが予測されているそうだ。

    ボットネットは、IRCの仕組みを使ってネットワークを構成することが多いが、P2P型も今後登場してくる可能性が予測されている

    ボットネットを構築するHerderとスパム業者などの犯罪組織は別らしい。Herderは犯罪組織にボットネットを貸し出している

    ボットの感染経路はウイルスやワームと同じで、脆弱性を利用したり、メールの添付ファイルを開いたりして感染する

    中谷氏は、「脅威が変化している」と指摘。ウイルスやワームは売名行為・いたずら目的だったために派手な動作をして広く拡散する仕組みが多かったが、ボットは金銭搾取などの犯罪行為を目的としており、必要な数のゾンビが得られればよく、派手な動作はしない。Herderからの指令に応じて活動し、指令がないときはPC内に潜んでいるため、発見しづらい点も特徴だ。実際、JPCERT/CCのインターネット定点観測データによると、ボットの活動はデータに表れにくかったという。

    代表的なボット。約80種のボットが確認されているが、そのうちの約8割はAGOBOT、SDBOT、RBOT、MYTOBという4種類の亜種だという

    定点観測データでボットの活動が把握しにくいことから中谷氏は、その手法を検討する必要があると指摘している。また、企業内のマシンに潜むボットの活動は、インターネット上の観測データには表れないため、その点も考えなければならないのだとした。

    JPCERT/CCの定点観測データ。図は分かりにくいが、不正アクセス数が減少傾向にあることが分かる。ただ、ボットの攻撃はこのグラフでは分かりにくいそうだ

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン