【レポート】

Boot Campを紐解く - その裏になにを見る?

5 仮想化ソフト/エミュレータとの比較

海上忍  [2006/04/18]

仮想化ソフト「Parallels Workstation」登場

Boot Campのリリースと前後して、今度はIntel Macで動作する仮想化ソフトが登場した。米Parallelsが開発を進めるその「Parallels Workstation 2.1」(以下、PW)は、販売中の製品はWindows版とLinux版(1ライセンスあたり49.99米$)の2種だが、鋭意Mac OS Xへの移植も進められている。そのベータ版(v2.1 Beta3)は、30日間の使用期限とレジストレーションが義務付けられているものの、全機能を試すことが可能だ。

PWの特徴の1つは、Intelの仮想化技術「VT-x」に対応していること。筆者が把握しているかぎり、Intel Macで動作するVT-x対応アプリケーションはPWが初であり、その高速性を試すことができる唯一の存在ともいえる。

なお、現段階のPWは、認識されるCPUコアは1基のみ、フルスクリーン表示不可、ビデオドライバがDirectXのアクセラレーションに対応しない、USBが未サポートなど、いくつかの制限事項がある。時折マウスカーソルがMac OS X側と同期しない、Mac OS Xがスリープに入るとPW側がフリーズすることがある、といった不具合も少なくないため、今後のブラッシュアップを期待したいところだ。

Parallels Workstationの実力

気になるPWのパフォーマンスだが、かなり実用的なレベルに到達している。描画速度とマウスの追従性が今ひとつなことが影響してか、若干のモタつきは感じられるが、QEMUなど仮想化機能を持たないエミュレータと比較すると差は歴然。

ベンチマークソフト「HDBENCH」の結果は、表3のとおり。ネイティブブートのiMac 17"(認識されたコアは2基)と比較すると、全項目にわたり差は顕著だが、同じCPUコアが1基のMac mini(1.5GHz/Solo)と比較すると、ほぼ互角もしくはそれ以上と考えられる。他のOSの機能を使いたいときに再起動の必要がないことはもちろん、サポートされるOSの種類が格段に多い(表4)という強みもあることから、Boot Campによるデュアルブート環境に頼らない"もう1つの選択肢"となるポテンシャルは十分にあるといえる。

ところで、PWの設定画面には「Enable Intel VT-x support」なるオプションが用意されている。このオプションを、HIGHとNormalの2つのモードでそれぞれON/OFFしてみたところ、特に描画に関する項目で差が開いた。全体のスコアは僅差と言っていいほどだが、ウインドウをOPEN/CLOSEするときなどの"テロテロ"した印象は、VT-xオプションをOFFにしたときに強くなることは確か。ソフトウェア的な改良の余地がないネイティブブート環境とは異なり、今後さらに最適化が進めばパフォーマンス向上も期待できるだけに、要注目の存在だ。

仮想化ソフト「Parallels Workstation」のメリットは、再起動なしにWindowsなど他のOSをそこそこの速度で利用できること

ゲストOSにはWindowsやLinuxなど多くのOSを利用できる

PW 2.3 Beta3で「Direct X診断ツール」を実行したところ。残念ながら、現時点ではDirect Xのアクセラレーションには対応していない

Vt-xによる最適化のON/OFFは、設定画面のチェックボックスで切り替え可能

表3: HDBENCH Ver3.3.0.4 EP82改/かずの実行結果(Intel Macで稼働するWindows上で測定)

iMac 17"/512MBMac mini(solo)/1GHzParallels Workstation/156MB(iMac 17"/512MB上)
HIGHNormal
VT-x ONVT-x OFFVT-x ONVT-x OFF
ALL576423174233067319123271530439
CPUInteger266794108692132968132628132763131806
Float1761417202887677875018753686914
MemoryRead1227255067160972605116081959948
Write779655204861381608706122860255
Read&Write155135100321117748115904117645115188
GraphicsRectangle20178403392539411380253445795
Text15289203042333617787195377391
Ellipse85606995122779268122973317
BitBlt1210287316294313234
DirectDraw605935343433
HDDRead399372510319699205282073619658
Write334302073612437118321059411658
FileCopy384056905091561251635417

表4: Parallels Workstation Beta3でサポートされるOS

Windows系Windows 2003(Standard/Enterprise/Webの各エディション、SP0~SP1)、Windows XP(Professional/Homeの各エディション、SP0~SP2)、Windows 2000 Professional/Server/Advanced Server SP4、Windows NT Workstation/Server 4.0 SP6、Windows 98/98/Me、Windows 3.1/3.11
Linux系Red Hat Enterprise Linux WS4/AS4/WS3/ES4/ES3、Red Hat Linux 9/8/7.3/3.1、Fedora Core Linux 3/4、SUSE Linux 9.x/10、Mandriva Linux 9.2/10.x
FreeBShFreeBSD 4.1/4.5/5.3/5.4
OS/2OS/2 warp 3/4/4.5、eComStation 1.1/1.2
SolarisSolaris 9/10
MS-DOSMS-DOS 6.22

    新着記事

    特設サイトの情報

    人気記事

    一覧

    イチオシ記事

    新着記事

    特別企画

    一覧