【レポート】

コニカミノルタのカメラ事業終了 - コニカとミノルタの資産と、その継承は

4 そしてソニーへ

    西尾淳  [2006/04/17]

    いま買っても損のないα-7・αSweet

    コニカミノルタがカメラ事業、フォト事業を終了するというニュースは、いまも業界を揺すぶり続けている。知り合いのカメラ雑誌編集者は言った。「ニコンが銀塩カメラを止めると聞いたときには頬をはり飛ばされたような感じだけど、コニカミノルタの時は強烈なパンチをボディに喰らったようだった。ボディのほうが後でじわじわ効いてくる」。うまいことを言うものだ。

    現在、コニカミノルタのデジタル一眼レフ「α-7デジタル」や「αSweetデジタル」はかなり値を下げている。特にα-7デジタルは元々20万円近くする中堅機の位置づけだが、それが8.8万円程度で手に入る。レンズ一式もまとめて購入して、しばらくこれで楽しむというのもアリだろう。

    そして、コニカミノルタの資産はサポートも含め、ソニーに受け継がれるという。2005年の7月にソニーと共同開発を行うと発表されたが、それが一転して譲渡となったわけだ。αマウントだけでなく、アンチシェイク(ボディ内手ブレ補正機構)やコニカミノルタの色づくりまで含めて譲渡されるだろうが、それが果して製品に生かされるかどうかは、いまのところわからない。しかし、ソニーの得意分野のエレクトロニクス技術に、ミノルタのカメラ作りとコニカの色作りのDNAが継承されるなら、期待ができるはずだ。

    どこまで継承し、自社の技術をつぎ込めるか

    現在のソニーの技術やラインアップを見ながら、ちょっと予想してみよう。ソニーのラインアップでもっとも高価なのが「DSC-F828」。しかしこれは回転式のボディのエキセントリックなモデル。そのままでは一眼レフと相性が悪いだろう。となるともっとも近いのは「DSC-R1」か。さらに「クリアビットCMOSセンサー」の新技術がある。これはビデオカメラの「HDR-HC3」に使われているもので、原理は富士フイルムの「スーパーCCDハニカム」に近く、高感度と高解像度を両立できるのが特徴。ぜひこれを使ってほしいと思う。

    デジタル一眼レフで本質的にムダなのがミラーやペンタプリズムの存在だと考えている。CCDからのスルー表示を使えば、ホワイトバランスなどもリアルタイムでわかるし、部品点数も減らせるなど、メリットは多い。もちろん問題もあって、現在のEVF(液晶ビューファインダー)はレスポンスが遅く、シャッタータイミングがつかみづらい。また、ミラーがないと一眼レフで一般的な位相差式AFユニットが置けずコントラスト検出式になるが、これは合焦速度が遅いという難点がある。しかしビデオの歴史の長いソニーなら、EVFについてのノウハウも持っているはずだし、AFについてはコニカミノルタが「DiMAGE Z2」で使った外光パッシブセンサーを併用する方式で、なんとかα-7レベルの合焦速度が得られるのではないだろうか。

    レンズについてはそれほど心配していない。ソニーは早くからカールツァイスと提携しており、「バリオゾナーT*」を搭載したF828なども登場している。これらのレンズが一眼レフ用に出てくれば、現在のα-7/αSweetユーザーも、自分のカメラでツァイスが楽しめるわけで、これは朗報かもしれない。

    文化と歴史を受け継ぐということ

    カメラ、特に一眼レフなどの高価なカメラは少々特殊な機器である。単に撮れればいいのではなく、操作感や質感、システム性なども常に俎上に上がる。レンズが変えられることが大きな魅力であり、"ボディは買い換えるけども、レンズはずっと同じ"というユーザーも少なくない。そのため各メーカーごとに"キヤノンユーザー"や"ニコンユーザー"が存在する。そういったものがカメラの文化のひとつだと思うのだが、ソニーはそれまで含めて資産を受け継いだということをわかっているのだろうか。でなければ総スカンを食うことになるだろう。

    加え、コニカとミノルタは日本で1番、2番という歴史の長さを持っていた。つまりは"日本の写真の歴史"を受け継いだともいえる。αユーザーだけでなく、ソニーの動きに全カメラユーザーが注目しているといっても間違いではないだろう。

    「ソニー Cyber-shot DSC-F828」有効810万画素のレンズ一体式デジタルカメラ。世界初の4色カラーフィルターを搭載。ボディが回転し、ハイアングル・ローアングル撮影が容易。サイバーショットシリーズの中で、現在最も高価なモデル

    「ソニー Cyber-shot DSC-R1」21.5×14.4mmという大型のCMOSセンサーを使用した、ソニーの最新モデル。有効画素数は1030万画素。液晶モニターが背面ではなく、上面に付くのも特徴

    「ソニー ハンディカム HDR-HC3」最新のクリアビットCMOSセンサーを使用したビデオカメラ。ハイビジョン対応のビデオカメラとしては世界最軽量。400万画素の静止画も撮影できる

    200X年、ソニーからコニカミノルタの技術を受け継いだデジタル一眼レフカメラ登場!?

    イラスト:森永みぐ

    関連記事

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン