【レポート】

ニンテンドーDSで百人一首を体験、京都嵐山の新名所「時雨殿」

2 ニンテンドーDSベースの携帯端末「時雨殿なび」で新体験

    野口智弘  [2006/04/02]

    1階の体験フロアに入ると、まず受付カウンターで携帯型端末「時雨殿なび」が渡される。これは任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」をもとに、時雨殿用に開発したもので、外見やダブルスクリーン、タッチパネルといった主要な機能こそニンテンドーDSを引き継いでいるものの、様々な部分でカスタマイズがなされている。まずニンテンドーDSの下画面(時雨殿なびは縦に持つので右画面となる)周辺に配置されている十字ボタンやABXYボタンは、時雨殿なびでは取り払われており、完全にタッチパネルだけで操作する仕様となっている。同じく電源ボタンやスタートボタン、セレクトボタンもないため、利用者の任意で電源をオン・オフすることはできない。体験時間は20分と制限されており、時間が来ると自動的に終了画面となる。音量の大きさのみ調整が可能。

    施設内の展示を見るのに欠かせない「時雨殿なび」。織物で作られた専用のケースに入れられている

    時雨殿なびを開いたところ。施設内ではこのように縦にして持ち、ニンテンドーDSのように横にすることはない。ボタン類が省略されている

    折りたたんだ時雨殿なび。左側のレバーで音量の調整が可能。右側はヘッドホン接続端子。GBAカートリッジは使用しないため、中央の差込口には専用のカバーがはめられている

    折りたたんだ時雨殿なびの裏面はカバーで覆われているが、充電時に使用するACアダプタ接続コネクタのみ開けられている

    書道の小筆に似た時雨殿なび専用のタッチペン。ニンテンドーDSおよびニンテンドーDS Liteのタッチペンよりも大きく、使い勝手はよい

    時雨殿なびでは単に操作体系が簡略化されているだけではなく、左画面と右画面にそれぞれ一カ所センサーが配置されている。ニンテンドーDSには搭載されていないこのセンサーは展示フロア天井からの信号を感知するためのもので、これにより「展示物に近づくと時雨殿なびに追加情報が表示される」といった、体験者の位置情報を細かく反映したナビゲーションが行われる仕組みとなっている。

    右画面の脇にはセンサーがある。これは通常のニンテンドーDSには搭載されていない、時雨殿なび専用の機能。左画面の脇にも一カ所取り付けられている

    展示フロアの天井にはセンサーが取り付けられており、時雨殿なびの使用者がどのモニターの上に立っているか、どのパネルの前に立っているかが感知され、その位置情報が手元の時雨殿なびへと反映される

    時雨殿なびを説明する展示フロア前の案内モニターから、天井のセンサーからの信号を受けるため、時雨殿なびを立てて持つなどすると正常に作動しない

    1階のメインコーナーとなるフロアには、45インチの液晶モニター70台が床面に敷き詰められている。フロアの薄暗い照明と相まって、幽玄かつデジタルという不思議な空間が広がっている。このフロアでは「京都空中散歩」「大きな札」というふたつのアトラクションが体験できるほか、壁面の「百歌繚乱」と題されたパネルに近づくことで小倉百人一首の解説にも触れることができる。

    「京都空中散歩」は、上空1,000メートルから見た京都の町が映し出されるアトラクションで、何よりもその鮮明かつ詳細な映像に驚かされる。単に航空写真を引き伸ばしただけのものならば、博物館などでもよく見受けられるが、この映像では川に水が流れ、道路に車が走っている様子までもがCGで表現されている。ほかにも鳥や飛行機が飛んできたり、時間経過で夜景に切り替わったりするなど、見る側を飽きさせない工夫が凝らされている。また画面全体がゆっくり移動しており、ふわふわした浮遊感を味わえるのも、まさに「空中散歩」といったところ。

    「京都空中散歩」の様子。昼間の風景や夜景のほか、平安京の地図にも一定時間切り替わるようになっている

    「京都空中散歩」の流れを簡単に紹介。なおフロアの照明の関係で左画面が暗く、紫がかっているが、実際には鮮明な画面が表示される

    さらに手元の時雨殿なびを使うことで、より詳細な探索が可能。「足元を探す」と「地名で探す」のふたつのモードがあり、「足元を探す」をタッチすると足元の画面が拡大。「地名で探す」を選択すると、観光名所や小倉百人一首ゆかりの地などがまとめられた検索画面となる。検索画面から見たい場所を選び、足元のモニターに表示されるナビゲーション用の鳥のアイコンについていくことで、スムーズに希望の場所へと移動できる。

    「京都空中散歩」では「足元を探す」「地名で探す」のふたつのモードが選択可能。「足元を探す」をタッチすると、足元の画面が拡大される

    「地名で探す」を選ぶと、50音順の検索画面に。京都の観光名所や公共施設などを探すことができる

    例として「京都駅」を選択。右画面と足元にナビゲーション用の鳥が表示される。鳥のアイコンは時雨殿なびによって異なるので、ほかの人のものと区別できる

    足元の画面に表示された鳥は、こちらがついてくるのを感知しつつ目的地まで進むようになっている。勝手に行ってしまうことはないのでご心配なく

    目的地の京都駅に到着すると旋回して知らせてくれる。目的地の名前が表示されてナビゲーション完了。手元の時雨殿なびの画面には目的地の詳細な情報も表示される。京都駅をよく見ると電車も走っている

    モニターの鮮明さの例。プロペラ飛行機が飛んでいるだけでなく、道路には米粒よりも小さな自動車が行き交っている

    任天堂本社を検索するとマリオが登場。効果音もおなじみのものが再現されている。動物園を検索すると象の鳴き声がするなど、ほかにも隠し要素が……?

    もうひとつのアトラクション「大きな札」は、床面のモニターを活用したかるた取りゲーム。70台のモニターがそのまま70枚の絵札となっており、手元の時雨殿なびに表示された絵札と同じものを足元の70枚から探してその上に移動。時雨殿なびの「取る」をタッチすると1枚獲得となる。制限時間内に「取る」ことができた絵札の数が得点となり、ゲームが終了すると「○人中○位」といったように、ほかの参加者の時雨殿なびと連動した成績が表示される。なお参加者が探す絵札はそれぞれ異なっており、取り合いにはならないよう配慮されている。「京都空中散歩」と「大きな札」は数分で切り替えとなる。

    一定時間が過ぎると画面が切り替わり、時雨殿なびを使ったかるた取りゲーム「大きな札」が行われる

    「大きな札」では左画面に小倉百人一首の絵札が表示される。同じものを足元のモニターから探して、右画面の「取る」をタッチすることで1枚獲得

    またこのフロアの壁面を使った展示「百歌繚乱」には、パネルに小倉百人一首の歌がつづられている。パネルの前に近づくと、手元の時雨殿なびにそのパネルに応じた歌が現れ、「歌意」を選ぶと歌の解説を表示。「朗詠」を選ぶと時雨殿なびからその歌を詠む音声が聞こえるようになっている。

    フロアの壁面には屏風のように並べられた「百花繚乱」というパネルが設置されており、小倉百人一首の歌がつづられている

    「百花繚乱」でも時雨殿なびは活躍。気になる歌を選択することで、歌意の表示と朗詠を行ってくれる

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