【レポート】

GDC 2006 - オンライン戦略と開発環境強化でライバルに対抗するPS3

1 開発ツールの充実を目指すソニー

    Junya Suzuki  [2006/03/25]

    ゲーム開発者を対象にしたカンファレンス「Game Developer Conference(GDC) 2006」が米カリフォルニア州サンノゼにおいて3月20~24日(現地時間)の5日間にわたって開催された。開催期間の折り返し地点にあたる3月22日、ソニー・コンピュータエンタテインメントのワールドワイドスタジオ統括プレジデントであるPhil Harrison氏が、ソニーならびに同社の次世代ゲーム機PLAYSTATION 3関連の最新戦略について基調講演を行った。

    GDC 2006会場となった米カリフォルニア州サンノゼ中心部にあるMcEnery Convention Center

    11月リリースのPlayStation 3、開発ツールのさらなる充実へ

    基調講演を行うソニー・コンピュータエンタテインメントのワールドワイドスタジオ統括プレジデントのPhil Harrison氏

    ソニーは先週、日本国内において報道関係者を集めた緊急発表会を開催している。その内容は同社の最新戦略について説明するものだったが、その中で2006年春の発売を予定していたPLAYSTATION 3が、年末商戦直前の同年11月初旬まで発売延期になることが発表されている。この件についてHarrison氏は「既知のとおりだが、PLAYSTATION 3の発売日は11月初旬まで延期される。諸所の件で遅れが出たことをここでお詫びしたい。開発ツールキットであるSDKの第1弾がまず今週のGDCで登場し、第2弾が4月、そして6月にはファイナルバージョンのSDK 1.0がリリースされる。この6月のタイミングで開発ツール関連が一通り出揃うことになる。そして11月初旬のタイミングで、いよいよPLAYSTATION 3が世界同時発売される」と述べ、11月のリリースに向け、遅れが目立っていた開発ツールの準備が整いつつあることを強調した。

    同氏はさらに「昨年の英SN Systemsの買収を含め、開発ツールやミドルウェアの提供で計16社のパートナーの協力を得ている」と述べ、従来まで手薄だった開発ツールの充実が今回の新プラットフォームにおけるソニーの注力点であったことを改めてクローズアップした。また、これまで何度も紹介されてきた「アヒルのおもちゃが水面に浮かぶ」デモなど、各種のデモ映像を披露し、PLAYSTATION 3が強力なゲームを開発するのに値するだけの魅力的なプラットフォームであることを、会場の大勢の開発者を前に訴えた。「PLAYSTATION 3の魅力は、Blu-rayディスク(BD)による大容量コンテンツと(CELL内部の補助プロセッサである)SPEの処理能力にある。HD(High-Definition)クラスのコンテンツを提供するには、BDのような大容量メディアが必要になる。またゲーム中の雲や水面の動きなど、実際の質感をリアルタイムに再現するにあたり、SPEの処理能力が活きることになる」(Harrison氏)。

    MicrosoftのXbox 360はすでにリリースされ、任天堂のレボリューション(開発コードネーム)の発売も近づいているといわれるなか、PLAYSTATION 3の登場はライバルの中でも最後発になると考えられる。それだけに、技術者をうならせるだけのプラットフォームであることを示さなければならない。今回の基調講演では、主に技術デモの画像や動画の紹介に時間が割かれた。発表会場には3つのスクリーンが用意されていたのだが、実際にはHD出力が可能な真ん中のスクリーンのみが使用されているという状態で、PLAYSTATION 3の特徴の1つである1080pの高解像度画像にこだわる様子がうかがえた。また基調講演中の撮影は禁止のため画像をお見せできないのが残念だが、「Motor Storm」というオートバイやバギーを操作するレーシングゲームを始めとして、数々の開発中ゲームの画像が公開された。その特徴としては、大量のオブジェクトを表示させたり物理エフェクトをかけたりしても処理落ちせず、とにかくPLAYSTATION 3の持つ基本性能の高さをアピールするような内容だったことだ。

    壇上に置かれたPLAYSTATION 3の筐体模型。会場の暗さの関係で判別しにくいが、2色用意されている

    従来の傾向から、PLAYSTATION 3のリリース後もPlayStation 2が販売され、引き続き「世界で最も売れているゲーム機」となるとHarrison氏はいう。「PLAYSTATION 3だけでなく、PlayStation 2も引き続き開発を行うだけの価値があるプラットフォーム」だということを同氏の発言は示している

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