【レポート】
さてIDF最後のレポートは、色々目に付いたものや、ちょっと面白いトピックについてご紹介したい。順序としては、堅いものからやわらかいもの、最後は変わったものという順である。
Gelsinger氏の基調講演の中でちょっと触れられたのが、Intel Virtualization TechnologyのI/O拡張であるVirtualization Technology for Directed I/O、通称VT-dである(Photo01)。基調講演では更にVMwareのDiane Greene氏も登場し(Photo02)、VMwareは2007年に全製品ラインナップでこのVT-dをサポートすることを明言した(Photo02,03)。
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Photo01:基調講演の中で、このSpecificationが公開されたことをアピールした。ちなみに入手はコチラから可能である。 |
Photo02:今のところVMwareのVTサポートは、WorkstationとPlayerで"Experimental"という扱いでサポートされているのみだが、これが正式サポートになるという訳だ。 |
さてそのVT-dとは何か? 要するにCPUやメモリのみを仮想化しても、それだけでは複数のOSが同時に動くためには十分ではない(Photo04)。このためIntelはVTをどんどん進化させることを考慮している(Photo05)。
その仮想化にはいくつかの方法がある(Photo06)が、VT-dが対応するのは中央のやり方だ。つまりVMMの中で仮想化するという方式である。この方式の場合に必要なのは、チップセットの対応とデバイスドライバの多少の書き換えで、CPUなどには一切変更が無い。欠点はスライド中のCon:にある"Larger Hypervisor"だが、チップセットにこれをサポートする機能を入れることで、肥大化を最小におさえようという訳だ(Photo07)。この結果、PCIやPCI Expressなどに関しては、ほぼ問題なく仮想化が可能になっている(Photo08)。
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Photo08:ちなみにLegacy Deviceはどうするのか? と思ってAjay Bhatt氏を捕まえて聞いたところ、これらも完全に仮想化するとの事。ただこれらには仮想化支援を行うためのハードウェア的な機能が無いので、Service VMに近い方法でハンドリングする模様だ。ちなみにBhatt氏の現在の肩書きはIntel Fellow, Digital Enterprise Group, Director, Platform Components and Interconnects Architectureとなっている。 |
さて、具体的にチップセットのサポートとは何か? という話をもう少ししたい。一番問題になるのは、DMAの転送である。適切なリソース配分メカニズムが無い場合、一度VMMでDMAリクエストを受け、そこでSerializeしてデバイスに出し、結果を再びVMMで受けて各VMに配分するのが一番楽である(Photo09)。ただこれだとあまりにVMMの負荷が高く、オーバーヘッドが大きくなる。そこで、初期化や設定はVMM経由としながらも、DMA転送は各VMから直接出せる様にする、という方式をとっている。この場合、問題になるのはDMA転送を行うメモリアドレスである。これは各VM毎に異なったアドレスとなるから、これをうまくハンドリングせねばならない。このため、VM-dではPCI ExpressのRIDを見ながらVMにあわせてアドレス変換を行う。Photo10はPCI Expressのケースだが、PCIでもこのメカニズムは同一であろう。
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Photo09:左の方式だと、しかしPhoto07のService VM方式と基本的に違いが無い。単にVMM上で動くか、別のVMになるかである。右の方式を使うと、オーバーヘッドはだいぶ軽減される。 |
Photo10:この仕組みを入れるためにはPCIのControllerに手を入れる必要があり、このためにチップセットの拡張が必要になるというわけだ。 |
Photo11は、システム全体を改めてまとめた構図である。複数のVMから同時にアクセスする場合に、I/Oの種類に応じて異なるルートが用意されていることがわかる。さて、次に考慮すべきことは、リクエストのハンドリングである。仮にH/W側で複数のVMからのリクエストをハンドリングできるようにすれば(Photo12)性能面では有利だが、ハードウェアとソフトウェアの開発負荷が増える。一方Service VMでキューイングする形にすると、ハードウェアやソフトウェアは現在のままいけるが、性能面でのデメリットがある。おそらく当初はPhoto13の方式がメインであり、将来的にVTが一般的になってきたら、次第にPhoto12の形をとるハードウェアが増えてくるであろう、というのが現状の見通しである。
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