【レビュー】

OpenBSD/zaurus - 生粋のBSD環境を掌の上で楽しむ

12 運用上の注意など

  [2006/03/20]

これまでの説明でフルスペックのUNIXマシンとして利用できることが判っていただけたと思う。以下、実際の運用で気になる点を何点か列挙しておく。

サスペンドとレジューム

サスペンドに関しては、「必要なデーモンの追加」で説明した通り、「/etc/rc.conf.local」でapmdを有効にしておけば、「apm」コマンドが利用できる。

  % /usr/sbin/apm
  Battery state: high
  Battery remaining: 100 percent
  Battery life estimate: 180 minutes
  A/C adapter state: connected
  Power management enabled

単にサスペンドさせたい場合は、「zzz」と叩くだけでいい。

  % /usr/sbin/zzz
  Suspending system...

なお、Qt/Embedded環境でのサスペンドと違い、サスペンド中もそれなりのバッテリを消費するので注意する必要がある。

時刻同期

最新の開発版では既に修正済だが、APM関係の不具合のため、サスペンドから復帰する際に時刻が大きく遅れてしまっていることがある。手っ取り早い対処方法は、最新の開発版(3.9Betaなど)にに移行してしまうことだが、UNIX系のOSはネットワークへの接続が身上なので、ネットワーク接続が確立された時点で時刻同期を行うことでも対処できる(例えば、PPP接続が確立された際に実行されるスクリプト「/etc/ppp/ppp.linkup」などを利用するのがいいだろう)。

秒単位の狂いであれば、ntpdを動かしておけば大丈夫だが、大幅に時刻が狂ってしまった場合は「rdate」コマンドを利用する。これは各種Linuxで採用されているOpenNTPと違い、OpenBSDのNTPには「ntpdate」コマンドが存在しないためだ。

  # /usr/sbin/rdate -n ntp.jst.mfeed.ad.jp

なお、ntpdが参照するサーバを国内のNTPサーバ「時刻情報提供サービス for Public」のみにするには、「/etc/ntpd.conf」のサーバ設定を「ntp.jst.mfeed.ad.jp」に変更すればいい。

キャリブレーション

ザウルスのタッチスクリーンは一旦キャリブレーションを行えば、狂うことは殆んどないのだが、場合によっては再度キャリブレーションを実行したいこともあるだろう。その時は、コンソール(Xが立ち上がってない状況)で、「/usr/sbin/ztsscale」を実行すればいい。このキャリブレーションの結果は「/etc/sysctl.conf」に書き込まれ、次回ブートする際に反映される。リブートせずに反映させるには、sysctl.confに書き込まれた「machdep.ztsscale」の値を引数に、下記のように「sysctl」コマンドを実行する。

  # /sbin/sysctl machdep.ztsscale=200,3400,312,3672

液晶の明度調整

ACケーブルを利用しているときは、まだしも外出先で液晶の明るさをコントロールしたいことは多々あると思う。コマンドラインから液晶の明るさを変更するには、「wsconsctl」コマンドを利用する。

  # /sbin/wsconsctl display.brightness=100

また、「/etc/wsconsctl.conf」に「display.brightness=20.00%」という一行を追加しておけば、起動時に設定される。設定可能な値は0%~100%で20%刻みとなっている。なお、「wsconsctl -a」で変更できるデバイス変数の一覧が確認できる。

まとめ

OpenBSD/zaurusは、現在もデバイス追加が引き続き進んでおり、SD/SDIOのサポートや、SL-C3000/C3100だけではなくSL-C1000やSL-C860のサポートも目標に掲げられている。もっとも、ザウルスがOpenBSDのサポートプラットホームに加えられて、まだまだ日が浅いため、i386やSPARCなどメジャーなプラットホームに比較すると、残念ながらその完成度は低いかもしれない。しかし、胸ポケットに収まるザウルスでフルスペックのBSD系OSが動作するのは、何者にも代えがたい魅力がある。

今回はリリース版の3.8を紹介したが、インストールまでの手順を詳細に説明したがために、日本語環境を含め環境構築の説明は少々端折ってしまった。取り掛かりの敷居は若干高いかもしれないが、これを機会に是非BSDの世界も覘いてみて欲しい。

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