【ハウツー】

i-RAMで作るファンレスPC - ハードウェア構成とOS軽量化を考える

2 i-RAMによるファンレスPCを考える

安達宜隆  [2006/02/28]

このように一癖も二癖もあるi-RAMの使用法として、どのようなものが考えられるだろうか。

1つの例として、高速CPUにi-RAMを組み合わせることで、超高性能PCを作ることが考えられる。ただそれだと、他の騒音源、例えばCPUのファンによってi-RAMの静音性が台無しになってしまう。また、i-RAMのディスク容量が少ないため、ものすごくコストがかかりそうである。

むしろ、ファンレスであることに注目した方が、i-RAMのメリットを生かせるのではないだろうか? 今までのファンレスPCでは、性能に不満を感じることが多かった。だがi-RAMでは、性能と静音の両方を同時に得ることができる。

そこで今回は、i-RAMを使用して、今までのファンレスPCの弱点をなくした、新しいファンレスPCを作ることに挑戦してみた。

CPU&マザーボード

では、実際にファンレスPCに必要となるパーツを選んでいこう。最初はCPU&マザーボードである。

CPUに関しては、i-RAMとは関係なく、今まで通り発熱の少ないものを選択する必要がある。つまりある程度性能に関しては妥協せざるを得ない。しかし、そこはi-RAMの驚異的なディスクアクセス性能に期待することにした。CPUのパワー不足をi-RAMが補うことで、日常の使用には問題ないレベルで使えるようになると考えたのである。

今回使用したのは、CPUにVIA Eden 800MHz、チップセットにVIA CN400+VT8237 を搭載したMini-ITXのファンレスマザーボード EPIA-SP 8000E。CPUに覆い被さっている大きなヒートシンクが特徴のこのマザーボードは、全体の消費電力も小さく、ACアダプタのファンレス電源で使用することも可能である。Mini-ITXという小柄なマザーボードにも関わらず、必要となる多くの機能がオンボードで提供されているため、拡張性に関しても問題ない。i-RAMを使う上で必須であるPCIバスとSerial ATAが使用可能なため、今回のファンレスPCには最適であると言える。

CN400+VT8237を搭載しSerial ATAが利用可能な多機能Mini-ITXマザーボード「EPIA-SP」シリーズ

なお、EPIA-SPはMini-ITX仕様ということもあり、ケースは小型のものを使用することが前提となっている。しかし、i-RAMのカードは非常に大きいため、Mini-ITXのケースではまず入らないと思っていいだろう。今回はファンレスということを重視し、ケースにはこだわらなかったが、小型PCを使用している場合、i-RAMが入るかどうか十分注意して欲しい。

ハードディスク&OS

EPIA-SPには一通りの機能がついているため、残ったパーツはストレージだけである。

当然、通常のハードディスクは搭載しない。i-RAMだけである。ただそうなると、数百GBもの容量を搭載することはできず、せいぜい数GBのディスク容量が限界だろう。必然的に記憶領域の使い方をうまく工夫しないと、空き領域はすぐになくなってしまう。

データ類、例えば音楽ファイルや映像ファイル、Wordファイルなどは、ファイルサーバーや「玄箱」などネットワーク上のストレージを利用してどこか別の場所に保存すればよい。

問題はソフトウェア、特にOSである。NetBootなどを使用してネットワーク経由でOSを利用するという手もあるが、それでは使い勝手が悪い。やはりOSはPC本体のi-RAMに入れたほうが使い勝手が良いし、その方がi-RAMのスピードを生かすことができるだろう。

ではどのOSを入れるのか、ということになるのだがこれが難しい。なぜなら、最近のOSは必要とするハードディスク容量が増加する一方だからだ。以下の表は、MicrosoftのWebサイトに掲載されている、各バージョンのWindowsで必要なハードディスクの空き容量をまとめたものである。

OS 必要なハードディスクの空き容量
Windows 95 50MBから55MB
Windows 98 120MBから295MB
Windows Me 320MB以上
Windows 2000 Professional 650MB以上の空き容量のある2GBのハードディスク
Windows XP Professional 1.5GB以上のハードディスクの空き容量
Windows XP SP2 Windows XPに加え、最大1060MB

上の表から分かるとおり、Windowsはバージョンを重ねる毎にどんどん肥大化している。最新のWindows XP SP2をインストールしようと思ったら、2GB以上のハードディスクが必要になってくる。

限られた容量のハードディスクにWindowsをインストールする一番簡単な方法は、古いWindowsを使うことである。しかし、セキュリティ等の問題を考えるとあまりお勧めできない。やはり、最新のWindows XP SP2をインストールしたい。

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