【ハウツー】

i-RAMで作るファンレスPC - ハードウェア構成とOS軽量化を考える

1 性能と静音を同時に得られるストレージ

    安達宜隆  [2006/02/28]

    発売されるやいなや、自作ユーザーの注目を集めたGigabyteの「i-RAM」。高速なDDRメモリをハードディスクドライブとして利用することにより、驚異的なディスクアクセス性能を実現しようという製品で、入荷後すぐに売り切れになったショップも多い。

    しかし、この製品、ただディスクアクセス性能が高くなるだけではない。ハードディスクと違い駆動部品がないため、ほとんど無音ともいえる静音性が得られることも大きなメリットなのである。

    そこで今回は、i-RAMを紹介するとともに、i-RAMの特徴を生かした効果的な活用法を提案していきたい。

    i-RAM(型番:GC-RAMDISK)

    i-RAMとは?

    i-RAMは、メモリをハードディスクドライブとして利用する、いわゆるRAMディスクを作るPCIバス用拡張カードである。

    使い方は簡単だ。メモリモジュールを取り付けたi-RAMをPCIスロットに挿入し、i-RAMとマザーボードをSerial ATAケーブルでつなぐだけである。たったこれだけで、高速なDDRメモリを通常のハードディスクのように利用することが可能になる。i-RAM用の特別なソフトウェアをインストールする必要はない。PCからは通常のハードディスクとして認識されるため、i-RAMを起動ドライブ用ディスクやRAID用ディスクにすることもできる。バッテリを搭載しているので、OSを終了したり電源をを落としたりしてもデータが消えることはなく、外部からの電源供給がまったく無い状態でも、最大16時間のデータ保持が可能である。

    普通のハードディスクとして認識される

    実環境で、120MB/s以上の値を出している

    i-RAMの基盤上にはメモリスロットが4つ用意されている。1GBのメモリモジュールを使用することで、1枚のi-RAMを4GBのハードディスクにすることができる。また、i-RAMを2枚以上使用すれば、トータルで4GB以上の容量を確保することも可能だ。例えば、4GBのi-RAMを2つ用意し、RAID0(ストライピング)を構築すれば、合計8GBのディスクとして利用することができる。まさしく、通常のハードディスクと同じ使い勝手を実現していると言える。

    i-RAMの特徴

    i-RAMを使用することで、通常のハードディスクでは得られない大きなメリットが2つある。1つは高速なデータ転送速度によって得られる性能、もう1つは駆動部品を持たないことによって得られる静音、である。

    現在主流のSerial ATAの帯域は150MB/secである。しかし、この数字はインタフェースの理論的な最大転送速度であり、実際のハードディスクの内部転送速度はこれよりも小さい。しかも、ハードディスクの外周と内周で転送速度の差があるため、性能も安定しない。つまり、現在のハードディスクは、Serial ATAの性能を余らせているのである。

    ところが、i-RAMを使うと立場が逆転する。i-RAMで搭載可能なDDRメモリ(PC3200)の帯域は3.2GB/secと、Serial ATAの帯域を大幅に上回る。その上、外周・内周がないため、常に安定した性能を出し続けられる。DDRメモリを搭載したi-RAMによって、Serial ATAの帯域をフルに使用することができ、ハードディスクとは次元の違う性能を得ることが可能になるのである。

    また、ハードディスクはその構造上、ノイズ(回転音)を発してしまうことは避けられない。しかも、性能の高いハードディスクであるほど高速に回転している場合が多いため、大きな音、すなわち騒音になりやすい。ハードディスクを使う以上、性能と静音はトレードオフの関係にあるともいえる。

    しかし、i-RAMは違う。i-RAMには駆動部品がない、言い換えれば騒音源になるべきものがないため、ノイズに悩まされる心配はなくなる。そのため、性能と静音のトレードオフという関係はなくなり、性能と静音、両方同時に得ることが可能になるのだ。

    このように、メリットが多いi-RAMだが、当然デメリットもある。それは容量とコストである。ハードディスク1台で500GB以上のものが売られている時代に、i-RAM1枚の最大容量は4GBである。これは小さすぎると言わざるをえない。単純に考えてiPod nanoと同じ容量なのである。

    i-RAMを複数枚使用することによって、ある程度の解決は図れるものの、そうすると今度はコストが問題になる。メモリが安くなってきたとはいえ、4GBも用意するとなると馬鹿にならない。4GBを増設するたびに、i-RAMとメモリの両方のコストがかかることを考えると、なかなか厳しいものがある。

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